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◎2015.7.22(Wed)天気:晴れ時々雨 気温:—
◎コース:07:25船山十字路-07:58南陵広河原取付-09:36立場岳山頂-10:13青ナギ-10:46無名峰-12:22 P3-12:52阿弥陀岳山頂14:04-14:06西の肩(岩場)-14:11西の肩-16:46中央稜取付-17:30南陵広河原取付-17:55船山十字路(行動時間:10時間30分)
◎標高差:約1180m
最高点の標高: 2809 m
最低点の標高: 1642 m
累積標高(上り): 1610 m
累積標高(下り): -1586 m
N坂氏、S澤氏、K及び私。
この4名で、夏にある計画を予定している。
今回は、その計画の予行練習、ということで、M浦氏を交えた5名で八ヶ岳へ向った。
目標は、阿弥陀岳。
コースは、南陵から中央稜を周回する人気のバリエーションルートだ。
ぼちぼち準備して出発。
07:25船山十字路
ダラダラと続くが、皆、まだ元気だ。
ベチャクチャしゃべりながら、楽しく歩けた。
↓
07:58南陵広河原取付
テープを目印に林道を離れ、立場川へと向かった。
差し当たり、こいつで一気に標高を稼ぐことになる。
久々にガッツリ登ることになる私は、少々、スタミナに自信がない。
ストックを取り出し、斜面に取り付いた。
画像に写っているピークの立場岳が直近の目標だ。
登山道?と見間違えんばかりに踏み固められていた。
稜線沿いは、ずっとコード?で仕切られていた。
どうやら、キノコを採取されるのを嫌っているらしい。
↓
09:36立場岳山頂
山頂は樹林に覆われ眺望なし。
一服入れた後、山頂へ向けて出発。
これから、あのギザギザとした稜線に向うことになる。
↓
10:13青ナギ
ダイナミックな光景が目に飛び込んできたが、これを渡るのは見た目ほどには怖くない。
青ナギを渡った後、再び急傾斜続く。
↓
10:46無名峰
無名峰に至り、いよいよ森林限界も近づいてきた。
次なる目標はP1となり、岩稜帯が続くことになる。
ここで、ヘルメット、他、登攀具を装着…。
なのですが、その前に、ランヤードの作成手順を皆に手ほどきした。
所要時間20分ほどか?
皆、レベルは様々で、とりあえず八の字から始めた。
…。
皆さん、ご自宅で復習お願いいたします…。
ランヤード作成の手ほどきの為”無名峰”に居座っていたが、暫くするとガスってきた。
ヤマテンによると今日の八ヶ岳は、日中、稜線はガスがでる、と予報されていた。
更に、夕方は雨マークが付いていた。
ここに長居することに抵抗を感じ、ランヤードの作成もそこそこに前進することにした。
ピークは左から巻き。
雨?
稜線上では、風が強く寒かった。
更に、雨のようなものが下から巻き上がり、体を濡らしている。
正確には、雨ではない。
水分を多量に含んだガスは、気体でいることをギリギリ許されている状況で、霧雨というほどには体は濡れなかった。
麓まで伸びている、奥の稜線が中央稜になります。
画像中央辺りで、木が生えていないところが青ナギ。
その奥のマッタリとしたピークが立場岳になります。
なお、P3直登ルートは前掲画像の稜線についています。
この下降路には、壁面にリングボルトが打たれ、ワイヤーが張られている。
ワイヤーは古いものではない。
このボルトは、墜落を止めるような為の支点ではない。
スリップを止める為の補助、と考えれば、このワイヤーの利用はかなり有効と思う。
利用の際は、持ち手はワイヤーと細いので、スリップ注意。
中間に支点が一つあるが、距離が長いので、ワイヤーにテンションがかかると谷側へ大きく膨らむ。
なので、一人ずつ通過のこと。
で、南陵の核心?クライマックス?とでも言うべき、ルンゼ取付きに到着。
この湿りは、ヌメっている…。
その不快感さえ辛抱すれば、ステップやホールドに困ることはない。
ルンゼ内に進入。
万一、ここでヘマした場合、ただでは済まないかも知れないが、”確実に死ぬな…”という場所ではない。
落石は当然ある!という、ご理解とご注意が要求されます。
↓
12:22 P3
またガスってきたか…。
ガスに巻かれ、P4がよく分からず登っていた。
P4と阿弥陀岳山頂は近い。
登り切れば、山頂に到着。
↓
12:52阿弥陀岳山頂14:04
相変わらずガスっており、視界は悪い。
山頂無人。
今回の山行は、夏の計画の予行演習、というテーマであった。
夏に計画している山行では、際どい壁面のトラバースがあり、そのトラバースが核心、とでも言うべきものだ。
山頂が無人であったことを幸いに、飯を食った後、N坂氏が背負ってきたロープを使って、フィックスロープの設置、通過、回収の手順を実演してみることにした。
実演してみると、知っておかないといけないロープワークが多数あることに気付いた。
ついでに、それらも実演し、皆に教えた。
更についでに、中央稜の降りは傾斜がきつく、そんな斜面を本降りの雨の中、降るハメになった場合に備えて、即席でムンターでの懸垂も教えた。
…。
えらい時間がかかった。
教えは教えたが、内容詰め込みすぎで、どれもこれも中途半端で終わった。
これでは、”ヘマしたら死ぬ”シチュエーションで使えないな…。
時間は14:00を回った。
雨が怖い。
↓
14:06西の肩(岩場)
山頂から中央稜方面へ降ると、稜線上にハシゴがかかるような岩場があった。
ガスっていたので、よく分からなかったが、多分、ヘマすれば真っ逆さまポイント。
↓
14:11西の肩
西の肩は、中央稜と美ノ戸方面へ降る道の分岐になっている。
ガスっている中の降りだったので、いい写真が一枚も撮れなかった。
傾斜はチョー!きつい!
スリップ注意!
トレースは明瞭ですが、岩稜の巻き道多し!
巻き道周辺はトレースが不明瞭になる?というか、踏み跡乱雑気味。
巻くべきところはちゃんと巻かないと、かなり危険です。
いい加減降ると、ガスの下に出ることができ、中央稜の末端も見えた。
尾根は、登りより降りの方が読図が難しい。
そんなことで、トレースが明瞭な中、読図の練習をしながら降った。
前掲画像の如く、稜線上に湧きあがったガスは、途端に北へと吹きながされていた。
中央稜全般、トレースは明瞭。
バリルートなので、決まったコース等はないですが、この程度の目印はあった。
タオルが通せんぼしています。
通せんぼしていますが、その先へ、しっかりとしたトレースが伸びています。
私は知りませんが、この崖にクライミングのルートでもあるのでしょうか?
そんな岩稜の巻き、尾根の乗り換えポイントが他、三・四カ所位ありました。
↓
16:46中央稜取付
いや~…。
癒されますな~…。
ハードな中央稜を降り切ると、癒し系の景色が広がっていた。
ソッコー!沢に駆け込みましたよ。
雪解け水か?水はチョー!冷たい!
そして、体が冷えるほどに水を浴びた!
…。
体が冷えると体が怠くなるんですよね~…。
足が重い…。
事実上、登山は終了し、残るは緩い傾斜を降るだけなのですが、ここから船山十字路まで帰る道程が最もきつかった。
↓
17:30南陵広河原取付
写真撮り忘れ。
実は、いきなりカメラのピントが合わなくなった。
カメラは、買ったばかりのオリンパス「TG-4」。
まだ実戦投入、わずか二回目だ。
”タフが売り物のカメラのはずなのに、早、壊れたか…?”と、相当、焦ったが、気付かず内にマクロモードの設定になっていただけだった…。
↓
17:55船山十字路
無事、帰還。
道具は使い方を知らないと意味がないと思う。
一般に、単純な道具ほど使い道が増えるが、その分、覚えることも増えてしまう。
例えば、カラビナ。
こいつは一見、単純なただのフックで、何かに引っかけて吊るす位しか能がない。
しかし、カラビナに”ロープ”という要素が加わわったりすると、一気に用途が広がる。
カラビナとロープ又は、カラビナとスリングという組み合わせで、どれだけの使い道があるのか?
私も偉そうなことは言えませんが、そんな知識の引出しみたいなものをいくつか持っていると、登山において安心に繋がると思います。
本日は、原村八ヶ岳温泉ふれあいセンター「もみの湯」にて入湯し、帰宅。