日本百名山「石鎚山」(表参道ピストン)

山行記録

◎2014.5.5(Mon)~2014.5.6(Tue) 天気:曇り(5/5)晴れ(5/6) 気温:2℃~17℃

◎コース:
◎一日目:13:32山麓下谷駅駐車場-13:37山麓下谷駅-14:00山頂成就駅-14:11リフト(成就社)-14:18リフト(展望台)-14:36中宮成就社(行動時間:1時間4分)
◎二日目:04:58中宮成就社-05:14八丁坂鞍部-06:24一軒茶屋-06:50夜明峠-07:16二の鎖小屋-07:55弥山山頂-08:11天狗岳山頂-08:38弥山山頂-09:07夜明峠-10:19中宮成就社-10:41山頂成就駅(行動時間:5時間43分)
*延べ行動時間:6時間47分

◎標高差:約700m


*徒歩による行動距離:約10.1km

前日、剣山を登った後、祖谷渓キャンプ村に泊まった。
今日、石鎚山を登る予定だ。
しかし、今日の天気は雨予報…。
その雨は昼過ぎにはあがる予報になっている。
”せっかく四国まで来て、雨の日に登ることもないだろう…”と、明日、観光用に残しておいた一日を石鎚山登山に充てることにする。

とはいうものの、明日中に自宅がある横浜に帰りたい。
しかし、ロープウェイ運行開始は07:40。
早く出発したくてもできない。

そんな事情の折衷案として思いついたのが、

◎今日、ロープウェイで上に上がり、中宮成就社にある山荘に泊まる。

◎翌日、早でで石鎚山を登る。

そんな作戦を思いつき、ロープウェイを登った先にある「白石旅館」に電話で空き状況を確認すると宿泊可能とのこと。
さっそく予約を入れる。
後は雨があがるのを、のんびり待てばよい。

時間を埋めるのに、道後温泉へ行った。
狭いエリアに車が押し寄せ、猛烈な混雑だった。
”昼飯でも…”と、思案が浮かぶ頃になると雨が止みだした。
早く行く必要もないが、道後温泉の混雑にうんざりしていたので、早、登山口へ向うことにする。

現地、山麓下谷駅にある駐車場に着いたのは、13:18。
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時計の気温計で17℃。

ぼちぼち準備して出発。

一日目

13:32山麓下谷駅駐車場

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薄暗い、市場のような雰囲気をもった売店街を横目に見ながら、出発。

ロープウェイの入口は、すぐ、正面にある。
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入口を潜り、坂を登る。
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沿道は、修験の山らしく、それに関わるものを扱う店が立ち並んでいる。

13:37山麓下谷駅

山麓下谷駅

さっそく中に入る。
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ロープウェイは20分間隔で運行している。

すぐに、乗車開始を知らせるアナウンスが鳴る。
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今日は、まだ旗日だ。
しかし、時間が中途半端な為か?雨が降っていた影響か?ロープウェイは空いている。
他、2~3組みの乗客と共に、ゴンドラに揺られる。

14:00山頂成就駅

山頂成就駅

駅を出て、歩きだすとすぐ、この看板が目に入る。
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”リフトがあるのか…”。
まあ、今日は”登山”ではない。
誘惑に負け、リフトに乗ることにする。

14:11リフト(成就社)

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リフトは、まず”降る”?
”降る”ことで、これに乗ってよいのか?まごつく。
係員さんに話しを聞くと、終点はここより標高が高く、中宮成就社方面へ向うとのこと。

係員さんの話しの通り、終点は標高が高かった。
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14:18リフト(展望台)

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リフトの終点には、展望台がある。

こんな感じで展望できるらしい…。
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下界を望むと、チラホラと明るい場所が出始めている様子だが、山の上はまだガスが付いて離れない。

長居しても仕方なく、本日のお宿へ向うことにする。
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リフトの終点と、中宮成就社の標高は然程変わらない。

こんな感じで、起伏の少ない道が続く。
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14:36中宮成就社

中宮成就社

さて。
本日のゴールに到着。

今日泊まる「白石旅館」には17:00頃到着すると伝えてある。
ちょっと早くなってしまったが、早くなる分には構わないであろう。
受付を済ませ、部屋に入る。

17:30夕食。
20:00就寝。

二日目

04:00起床。
外はまだ暗い。

昨夜、宿の方に日の出時間を聞いたら05:00過ぎと言っていた。
窓を開け、空を望むと星が瞬いている。
どうやら天気予報通り、本日は晴れの予感。

坦々と準備を済まし、外に出る。

04:58中宮成就社

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時計の気温計で2℃。
北よりの風が強い。
昨夜確認していた天気予報でも、このようになると報じていた。
今朝、起きたら寒く、室内にあった石油ストーブを点けてしまうほどだった。

朝焼けの石鎚山。
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今日歩くルートの事前の下調べによると、その特徴は、なんといっても鎖場の数&その長さ。
随分、怖い思いをさせられるらしい。
更に、石鎚山最高峰の天狗岳へ至る道は、山と高原地図では破線扱いになっている。
その破線上では両面スッパリ切れ落ちたエッジを進むことになる。

怖いもの見たさか?怖いからこそ行ってみたい。

”これも登山の醍醐味か!”等と思いつつ、まずは降らなければならない…。
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けっこう降る。
「八丁坂」と命名されているらしい。
成就社との標高差は約100mになる。

05:14八丁坂鞍部

八丁坂鞍部

ここから、ようやく登りが始まる。
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途上にて、日の出を迎える。
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しかし…。

地味~に、急傾斜が続く…。
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で、最初の難関に到着。
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「試しの鎖」と名付けられた鎖場。
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鎖があまりに長く、下からでは全貌を拝むことができない。
付いている鎖はかなり太いもので、こんなに太い鎖は経験上、見たことが無い。
古から登られている故か?手掛かり足掛かりになりそうな岩角は丸くなり、その出っ張りは少ない。
平均斜度は80°といったところか?この状況で鎖無しで登るのは心許ない。
結果、鎖を頼りに我が肉体を上へと引き摺り上げることになる。

実際、斜面に取り付くと、太い鎖はあまりに重いその自重で、ほとんど動かない。
また、繋ぎ目の輪は大きく、その輪につま先を引っかけることができる。
場合によっては、輪の外側に手足を置いても、いいホールドになる。

まだ続くか…?
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まだ終わらないのか…?
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やっと終わった…。
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このピークは「剣山」と命名されている。
山頂は極狭!
周りはスッパリ切れ落ちている。
自ら登った鎖の長さから、この極狭のピークから転げ落ちればどうなるか?いとも簡単に想像できてしまうのが、恐怖を倍増させる。
山頂周辺のクラックは全て、コーキング材らしきもので目止めされており、これは風化を防止している様子。
風化を防止しなければ維持できないほど脆い岩なのか…?そんなことを連想させられ、これまた、先ほどの恐怖を乗じる結果となる。

そう…。
これを見た私の恐怖は二倍では済まない。
二×二で、四倍ほどになった…。
恐怖で体が硬直する。

周りを見渡す余裕は少ないが、なんとかこの景色だけ写真に収める。
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ところで、反対側に降りる鎖が見当たらない。
いや。
正確には、周りには、先ほど登りで使ったのと同様の鎖が垂れている。

これら鎖の総重量はどれほどになるのか…?
まったく想像できない。
少なく見ても、小型トラック程はあるであろう。

いや…?
大型トラックに匹敵するかも知れない。
そんな重量の鎖は普通のアンカーでは固定できない。
今居る、この「剣山」自体をアンカーにするべく、山頂周辺に鎖を巻き付けている。
少なくとも、恐怖に耐え、何とか確認できた一本の鎖はそうだった。
”他の鎖もそうだろう…”と、早くここから降りたい私はそのように判断し、元来た鎖を降る。

で、「試しの鎖」基部にある道標の「近道」で前進することになる。
えらい遠回りになってしまった…。

06:24一軒茶屋

一軒茶屋

この小屋は、先ほど登った剣山頂から屋根が見えていた。
試しの鎖から剣山をはさみ、ちょうど反対側にあり、剣山頂から降る道があるとすれば、ここに降ってくるはずである。

で、見てみた。
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鎖はある!
なんだ!降りれたじゃん…。
しかも、こちら側の斜面の方が傾斜が緩い。

なお、こちら側から剣山全貌。
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…。
どう、捉えたらよいのか?
まあ、こちら側から見た場合、”たいしたことないじゃん”といった雰囲気が漂っているような気がしないでもない。
これが”試しの鎖”たる所以といったところか?
先にこちら側から見ていたら、あれほどの恐怖は湧かなかったであろう。

試された結果、落第…。

そんな気分を味わいつつ、前進再開。
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前進してみると、足元の水溜りには氷が張っていた。

見晴しのよい所に抜けた。
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06:50夜明峠

夜明峠

この表参道は、全ての鎖をこなして進めば、ほぼ一直線で山頂へ至ることになる。
常に、前方に石鎚山を望みながら進む。

進めば進むほど、石鎚山がデカくなる。
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一ノ鎖基部に到着。
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試しの鎖の後なので、あれに比べれば大したことはない。

登り切って眺望。

ここから行く手が、よく望める。
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*クリックで拡大表示可。

二ノ鎖は距離が長い。
傾斜もキツイ。
先ほどの試しの鎖と雰囲気は変わらない。

三ノ鎖は山頂直下だけに、更に傾斜がキツイ。
ほぼ90°か?

二の鎖小屋が近づいた。
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ん?
小屋は仮設か?

07:16二の鎖小屋

二の鎖小屋

二の鎖小屋は再建築中か?在るのは工事現場用のプレハブのみ。

鳥居を潜り、二ノ鎖の基部へと向かう。
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二ノ鎖基部。
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登り切り、下を望む。
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だいぶ標高を稼いだ影響か?試しの鎖に比べれば、樹林の密度は薄い。
更に立ち枯れ多し。
立木はあまり役に立たない。

途上にて、残雪トラバース有り。
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”次は三ノ鎖”と思いきや、現在、工事中につき通行止め。
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已む無く、巻き道を進む。
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巻き道を登り切るとあるのは頂上山荘。
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建物は新しく、快適そうな雰囲気。

07:55弥山山頂

弥山山頂

時計の気温計で5℃。
相変わらず北よりの風強く、稜線に乗ると猛烈になってきた。

さて。
これからが、この山のクライマックス!

これから、あのピークへ向わなければならない。
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ザックを降ろし、空荷になる。
ザックにGPSを置いたままにしてしまったので、掲載のルート図に天狗岳へのルートは示されていません。

まずは、画像下に見える鎖を頼りに下へ降りる。

降りた先は、取りあえず問題ない。
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更に進むと、この斜めった岩盤上を通過することになる。
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斜めとは言わないか?
”エッジ”と言っていいかも知れない。
画像右手は、スッパリと切れ落ちており、何百メートル落ちるか分からない。
左手は、それに比べれば傾斜は緩いが、ここで転がれば止まらないことに変わりはない。
岩盤の上にはアイゼンの傷跡が多数刻まれている。
”俺には無理だな…”
こんな所を、アイゼン履いて通過するなんて絶対ムリ!

山頂方面を望む。
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”また、心許ないほど、狭い山頂だな~…”
しかし、ここまで来て山頂にタッチせずに帰る手は無いであろう。
勇気を出して前進。

08:11天狗岳山頂

天狗岳山頂

山頂極狭!
まったく身動きが取れない!
この山頂も、全てのクラックはコーキングで目止めされている!

これは、更に奥にある「南尖峰」。
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この先、シビアな道がまだまだ続く。
今回の登山は、ちょっと刺激が強すぎた。
南尖峰へ行く気なんかサラサラ無い。
また、恐怖で体が硬直してきた。

もう帰ろう。
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08:26弥山山頂08:38

あまりの恐怖で放心状態となっており、画像撮り忘れ。
多少の時間、弥山山頂をウロついた。

しつこく、天狗岳。
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*クリックで拡大表示可。

間近で撮影した画像では、傾斜感が伝わりにくい。
先ほど通過した山頂直下の岩盤の傾斜角は、この画像の通りです。
斜めって、更にノッペラとしており、危険この上ない。
やはり、晴れの日にして正解だった。
あんなノッペラとした岩盤が雨で濡れていたら行くのを諦めていたところだった。

やることを全て終えた…。

放心・脱力状態で下山開始。
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下山では鎖を使わず、全て巻き道で降る。

登りでは気付かなかった、残雪数か所有り。
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こんなトラバースもあり。
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前掲二枚は、二ノ鎖の巻き道上でのものになります。

09:07夜明峠

夜明峠

ここに御塔谷へと降る分岐があり、登山口である石鎚山ロープウェイ「山麓下谷駅」へと至る道が続いている。
その道は、山頂からの標高差で1500m位あるものの、沢沿いルートで、人影疎らで、景色が素晴らしいらしい。
そのルートも念頭にあったものの、今日中に横浜に帰らないといけないことを考えると、どう考えても時間が足りない。

諦めて、素直に来た道を戻る。

10:19中宮成就社

中宮成就社

登りではリフトを使った為、歩いて山頂成就駅へ至る道は知らない。

多少、まごつきつつ道を見つけ降る。
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その道は、穏やかな道だ。
ホッとする…。

駅手前の展望台にて。
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本日は、同定盤の如く、展望可能。

10:41山頂成就駅

山頂成就駅

無事、帰還。
時計の気温計で11℃。

今まで、私的に最強だった山は谷川連峰の片隅にある「大源太山」だった。
しかし、今回の登山で最強の山は石鎚山に変わった。

”最強”の意味は、命の危険を感じる、という意味である。
これは、私個人的な恐怖に対するキャパシティの問題なので、どうしようもない。

しかし、道具の問題もある。
私が履いている登山靴は、どうもスリップしやすく、昔から信用していない。
*参考:スカルパ「ゼログラビティ65XCR」について(使用経過報告)
プラス、いい加減くたびれてもいる。
そろそろ、登山靴も買い替え時かな?

本日は、しまなみ海道経由で横浜へと車を走らせる。
途中、神戸で渋滞に捕まった。
自宅に着いたのは23:30…。

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