使用期間:概ね10年
引退理由:重量・五徳サイズ・炎の形状等、単独行に不向きと判断。
よって登山用としては引退。
後継は”SOTO「MUKA STOVE」”
概要記事はコチラ → SOTO「MUKA STOVE」について(概要)
先日登った甲武信ヶ岳でのこと。
一通りスケジュールをこなし、雁坂峠より登山口へと下山していました。
途中、飯時となりバーナーを取り出す。
すると…。
五徳が見事にポッキリいっていた次第です。
冒頭画像にあるバーナーは、MSR「ドラゴンフライ」の五徳部分で、”DFエンクロージャーAssy”と呼ばれているパーツです。
MSR「ドラゴンフライ」は約10年位前にモンベルで購入し、以来、愛用していました。
登山ブランク前の私は、登山に熱中していた期間は概ね3年。
後、収納奥に仕舞われたきりになっており、”酷使”したという訳でもないとは思うのですが…。
反面、収納状態を長期間維持していたことが問題だった可能性があります。
ドラゴンフライの五徳は折りたたんでコンパクトにすることができる。
五徳自体が一種スプリングの役割りを成しており、その反発力でもって五徳を開いた状態が維持される仕組みになっています。
つまり、五徳を折りたたむ、ということは、スプリングに圧をかけるのと同じこととなり、長時間、圧をかけ続けた結果、金属疲労を招き”折れた”と想像することができます。
この五徳が折れた現状では、折れた五徳があっちこっちにブラブラと移動し危なっかしくて仕方ない。
已む無く、ドラゴンフライを修理するべく色々調べてみました。
すると、新潟にある㈱モチヅキなる会社で修理・部品の販売と受け付けている様子。
修理の見積りも受け付けているとのことなので、さっそくメールで見積り依頼。
土曜日にメールしたのですが、月曜日午前中に返信というすばやい対応でした。
メールを読んでみると、修理も部品郵送でも費用はほとんど変わらない内容で修理の場合、おまけにクリーニングもしてくれるとのこと。
どうしようか迷いましたが、宅急便を使った経験がほとんどない私は送ることすら面倒に感じ ”パーツを交換すれば綺麗になるしクリーニングいらないじゃん”の考えで結局パーツを発注してみる。
月曜日に見積りのメール返信があり、その日中にパーツ発注。
水曜日にはパーツが自宅に到着しました。
で、さっそく四苦八苦しながら交換。
↓ 苦労したのはこの部分。
私が発注したパーツは”DFエンクロージャーAssy”。
このパーツを交換する為には、画像矢印部分の止め具を外して分解しなければならないのに、これがなかなか外れない。
無理に外そうとすると、止め具がボロボロになっちゃいそうなのに、止め具の新品は同封されておりませんでした。
已む無く、釘外しで無理やり外すことに。
なんとか、ボロボロになるのは回避できました。
↓ 生まれかわったドラゴンフライ
古い止め具は多少グラつきますが、機能的には問題無し。
嬉しさのあまり、意味なく室内で点火。
↓ 室内を暗くして炎の状態を見やすくしてみました。
すると、どうも炎が不安定?しかも、新品のころより炎に元気がない感じ?
山では気づかなかったのですが、よく見るとジェット付近にカーボンが付着しており、それが原因で元気がない様子。
なお、冒頭でもご説明しましたが”修理”ということでバーナーをモチヅキへ送れば、
部品交換 + クリーニング
で返送していただける様子なので、無精な方にはそちらをお勧めいたします。
カーボンのクリーニングは、面倒なので後回しにしこのバーナーについて多少説明を。
10年前にバーナーを購入しようと考えた時、ガスにしようかガソリンにしようか迷いましたがガスの場合、ガスカートリッジのガスが途中補充できないので、ガスを使いきれなかった場合中途半端なカートリッジを持っていくか穴を開けて捨てるしかなく、そのいずれにも抵抗を感じたのでガソリンを選択しました。
当時販売されていたMSRのバーナーはポンプ部分にある燃料調節用のコック付いておりませんでした。
火力調節ができないのは味気ないと思いMSRのバーナーシリーズで唯一火力調節できるのが、ドラゴンフライだったので多少重いのは気になってましたが購入したのが経緯です。
↓ 昔のものはこのコックが付いていなかった
*なお、ポンプに付いているコックで火力調節する場合、大火・小火位でしか調節できません。
実際使い込んでみると気になるところがいろいろでてきます。
①設置が面倒
②プレヒートが面倒
③部品点数が多いので故障・不具合が多い
④五徳の径が大きく小さいコッヘルだと使いづらい
⑤やっぱり重い(一番小さい325cc燃料ボトルで燃料満タン+本体で600g位)
↓ 900mlのコッヘルを乗せた場合(乗せるというか引っかかっている感じ)
↓ 1.9Lのコッヘルを乗せた場合(このサイズで丁度いい感じ)
やっぱり面倒・故障等が1番気になります。
余裕がある時は面倒なことも”儀式”として楽しむこともできますが、自分がアップアップになっている場合(例えば遭難?)は、こんなことやってられるかな~という気がします。
故障等で言えば、上記カーボンの件もありますが、ポンプは一度買い替えており1代目のポンプは材質がプラスチック(2代目もそうですが・・)で、ガソリンに触れる部分なのでボロボロに崩れた(溶けた?プラスティックの芯までガソリンが滲みてる感じ)ようになってしまいました。
重さで言えば、600gの重さを考えればガスバーナー+ガスカートリッジ+カッパ(ないしインナーダウン)くらい持てちゃうんですけど~ と気が付いちゃいました。
良く言えば、大きいコッヘル(試しにこのバーナーを使って自宅で鍋やってみました)でも安定し、火力調節はトロ火まで可能で保温・煮込みができ、燃料は途中補充も当然できるので、ベース向き?
しかし…。
単独行の多い私は、ガスバーナーの購入を検討しようと思います。
カタログデータ
ドラゴンフライはマルチフューエルに対応します。炎のコントロールが、小さい炎から最大パワーまで革新的な二重バルブ設計で自在にできます。とろ火の料理から雪を溶かすことまで、あらゆる用途に対応します。
【最小重量(ストーブ+燃料ポンプ)】401g
【パック重量】534g
【燃焼時間(ホワイトガソリン)/600ml】126分
【燃焼時間(灯油)/600ml】153分
【燃焼時間(ディーゼル)/600ml】136分
【1リットルが沸くまでの時間(ホワイトガソリン)】3.5分
【1リットルが沸くまでの時間(灯油)】3.9分
【1リットルが沸くまでの時間(ディーゼル)】3.5分
【最高出力】約2,192Kcal/h
【使用可能燃料】ホワイトガソリン、無鉛ガソリン、灯油、ディーゼル
【生産国】Made in Seattle, USA
【価格】15750円(*MSR「ドラゴンフライ」の最新相場はコチラ)