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山行記録
◎2015.3.25(Wed) 天気:晴れ 気温:5~11℃
◎コース:07:48用木沢出合-08:41 P812-10:21登山道合流-11:01犬越路分岐-11:08大室山山頂11:31-11:36犬越路分岐-11:54手沢右岸尾根取付き-13:13 P1055-14:26用木沢出合(行動時間:6時間38分)
◎標高差:約950m
最高点の標高: 1576 m
最低点の標高: 533 m
累積標高(上り): 1502 m
累積標高(下り): -1410 m
今回は、久々に単独ということで…。
以前に計画を立てたきりになっていた、丹沢は手沢の両岸尾根を周回するコースに行ってみることにした。
先着様はチャリ…?
気合入ってんな…。
時計の気温計で5℃。
ぼちぼち準備して出発。
07:48用木沢出合
まずは、手沢両岸尾根の取付き周辺を偵察、ということで、ウロチョロと…。
手沢右岸尾根末端は傾斜がきつい。
誰かの記録でこの末端を、”お助け紐で降りた”とされているのを見かけた。
まあ、確かに傾斜がきつ過ぎて、パッと見、どこから取付くのか?よく分からん。
手沢左岸尾根の末端も傾斜はきつい。
横っ腹から取付いたが、傾斜が緩い、というわけではない。
ただ横っ腹は、崖ではない、というだけのことで、傾斜はきつい。
幸い、この横っ腹に鹿のトレースが付いていたので、それを追った。
で、ほとんど踏まれていないフカフカの土に足を取られつつ、なんとか尾根に這い上がった。
”何だ、いい尾根じゃん”
取付きが厳しかったので…。
ちょっとホッとした。
私は適当に尾根の横っ腹から取付いたが、他にもっといい取付きがあったかもしれない。
ゴールはまだまだ遠い。
↓
08:41 P812
さて、直近の目標であるP812に到着。
なにやら、往く手は危険な予感…。
この地質はなんて言うんだろうか?
砂岩?
砂をちょっと固めたようなやつ。
白ザレ箇所なんかでよく見かけるやつ。
砂を撒き散らしたようになっており、チョー!滑る。
雑な扱いをすると、ポロポロ剥がれ落ちるやつ。
両サイドスッパリ切れ落ちており、ここでヘマすれば、谷底に真っ逆さまだ。
傾斜がキツイ、というわけではないのですが、ここでロープを出そうか迷った。
しかし、結局、立木を手掛かりに降り切った。
画像だと傾斜感がイマイチですが、傾斜はきつい。
この斜面を這うようにして進んだ。
登るは登れたが…、降りで使うなら要ロープかもです。
結果的な話ですが、本日のルート中、P812先より痩せ尾根、白ザレ地帯の間が最も危険だった。
ただし、傾斜はキツイが…。
久々に、まともに山を登った私は、息を切らしながら登っている。
こんな感じで、地形からヒントを得つつ現在位置を把握しながら進んだ。
なお、このようなポイントでは、登りでは黙々と進むだけだが、降りで使うなら尾根乗り換えポイントとして重要になります。
もうすぐ登山道に合流する。
↓
10:21登山道合流
ようやく登山道まで這い上がった…。
既に太ももはパンパン。
途中、相当回数立ち止まりながら登っていた。
登山道に這い上がり、丹沢の問題を象徴するかのような光景が目に入った。
まともな隈笹は、保護策の内側にしか残っていない。
まあ、難しいことは言いません。
ただ、保護柵がないと、丹沢山中全ての隈笹は食いつくされ、その後には鹿が嫌いな柑橘系の匂いを発するマツカゼソウに覆われてしまいそうです。
途中、丹沢最高峰の蛭ヶ岳と、西丹沢の雄、檜洞丸がクッキリと見えた。
パッと見、北斜面にのみ残雪あり。
↓
11:01犬越路分岐
腹が減った…。
↓
11:08大室山山頂11:31
時計の気温計で6℃。
陽射しが強く、雪が眩しい。
雪を背にして、手際よく飯の準備をした。
そう言えば、今日は誰とも会っていないな。
人臭さは、登山口に置いてあった自転車だけだ。
下山も登山道を離れてしまうので、今日は誰とも会わない予感。
一人で食う飯は侘しいもんだ。
別に誰と会話するわけでもない。
”飯”という燃料補給の作業が終わったらやることが無くなった。
↓
11:36犬越路分岐
さて。
というか、前掲画像の往く手に写っているピークがP1543だ。
鹿避けフェンス多数あり。
フェンスの切れ目を上手くつかまないと、目当ての尾根を見逃してしまう。
↓
11:54手沢右岸尾根取付き
そんなことで、フェンス際をウロチョロしていたが、テープを発見。
手沢左岸尾根の登り斜面は全般、傾斜がきつかった。
右岸尾根も用木沢出合までの距離は然程変わらず、ということは傾斜が強いことが予想される。
街では、目的地へ向うのに、道が二俣に分かれていれば”どちらに進むか…?”考える。
山でも、当然同じように考える。
しかし、”道(尾根)”と気付かなければ考えようがない。
例えば、こんなポイントでは立ち止まり、地形と地形図を見比べる。
見比べた結果、自分なりに合理的な結論が出ればそちらに進む。
この例のように、明確に尾根が分かれていれば”道”であると気づきやすい。
また、このように確認しつつ降っていれば、現在地の把握にもつながる。
と、私は”地図読みゲーム”を楽しんでいるのだが…。
こんなにテープ要ります?
登山道じゃあるまいし、こんな狭い間隔でテープを巻く意味が分からん。
更に、他にテープが巻いてあるのに、重ねてテープを巻く意味も分からん。
このやろー…。
俺から地図読みの楽しみを取り上げやがって。
もう、地図見るのやめた。
この山は、土という表皮を剥げば、その下は例の白ザレが埋まっているようだ。
手沢左岸尾根の登りの教訓もあり、今の私の足元はコイツで固めている。
モンベル「チェーンスパイク」。
道具の価値は価格なり、といったものが普通だが、この道具は違う。
価格4500円以上の威力を発揮する。
本来、「スノーギア」というカテゴリーの道具だが、夏でも大活躍だ。
今、この滑りやすい白ザレの上でも強力なグリップ力を発揮してくれている。
最近はあまり見なくなったが、ソールが剥がれた場合にも、モンベル「チェーンスパイク」は構造上、強力にソールを固定してくれると思います。
↓
13:13 P1055
最終チェックポイントとでも言うべき、P1055に着いた。
P1055以降は、ピンクテープが目立たなくなったので、再度、地図を取り出した。
尾根の成り行き、形状、傾斜、方位等々から8割方、私はAと思っているが、やはり、ここで立ち止まり、地形図と地形を確認する。
いいやいいやで進んではいけない。
残り2割の確率で痛い目に会うことになる。
最近の私のマップケースのお気に入りは旭化成「ジップロック」。
以前、ハイマウントのマップケースを使っていたが、こいつは-20℃位の環境で氷りつきプラスティックのようにバリバリに割れた。
旭化成のジップロックは対応温度域-20~100℃と幅広く、なんせ、安いので雑に使える。
地図の使い方は、見る人が見れば怒るかも知れませんが…。
ヤマレコでルートを作成し、ルートが示された地形図を必要な部分のみプリントアウト。
ルートをドアップでプリントすることで、等高線の細かい曲線に気付きやすくなる。
反面、遠方のピークを望んで方位を同定したりはできない。
もっとも、低山では樹林が繁っており、遠方のピークを同定できるシチュエーションは少ない。
また、立ち止まって、ピークを基準に方位を同定し、地図に線を引くような面倒なことはしない性質だ。
磁北線はあればあるでいいが、あまり気にしない。
マップケースの底にコンパスを沈め、ダイアルを地図の上(北)に合わせる。
地図を見たい時は、まず、コンパスの針の北と、ダイアルの北を合わせる。
こうすることで、基本、地形と地形図は東西南北の位置関係が同定される。
この状態で私が進みたい方向を望み、尾根、谷等地形を観察し、地形図と照らし合わせる。
”地形図によれば、この尾根を進めば傾斜はこうなるはずだ”等と仮定を立て、実際そうなっているか地形を偵察に行ってみたりもする。
この作業をコツコツと繰り返し、要点となるようなポイントでは立ち止まって地形と地形図をチェックし、そのポイントに着いたことで現在位置を把握する。
これだけです。
手沢右岸尾根、という位なので、左手に手沢を望みつつ降ることになり、左手に手沢の沢音を聞きながら尾根を降ることが、尾根を外れていない証拠になり、私が安心していられる状況でもある。
しかし、”手沢が左手にある”というだけでは、上の地形図に挙げたような枝尾根に入ってしまう可能性がある。
なので、ルートを作成するときに、そのような枝尾根は間違えやすいポイントとして予めチェックしておき、現場では頭の片隅に置いておく。
この後は、なんの問題もなく、淡々と尾根を降った。
降っていると植林帯に入り、ゴールが近いことを予感させられる。
ここでは既に白石沢に沿った林道がチラホラと視界に入っている。
キツイ傾斜を多少でも緩い傾斜になるようにジグザグと尾根を降る。
↓
14:26用木沢出合
無事、帰還。
時計の気温計で11℃。
今回は先生(GPS)に頼ることなく、踏破できた。
満足満足!
本日は寄道せず帰宅。