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概要
以下、ウィキペディアより引用(ウィキペディアの執筆者,2014,「黒部峡谷」『ウィキペディア日本語版』,(2014年10月8日取得,http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E9%BB%92%E9%83%A8%E5%B3%A1%E8%B0%B7&oldid=52148237).)
黒部峡谷(くろべきょうこく)は、富山県黒部市、黒部川中流 – 上流にある峡谷(V字谷)である。飛騨山脈北部を立山連峰と後立山連峰に分断する極めて大規模な峡谷。国の特別天然記念物(天然保護区域)及び特別名勝指定。中部山岳国立公園に含まれる。清津渓谷、大杉谷とともに日本三大渓谷、日本の秘境百選の一つにあげられている。◎下の廊下
「下ノ廊下」または「下の廊下」とも表記される。黒部峡谷の中でも心臓部に当たる区間で、花崗岩の岩壁の間に激流が流れ、下流からS字峡、十字峡、白竜峡などの絶景地がある。S字峡はSの字のごとく、両側に岩壁が複雑に入り組み、激流が左右にぶつかり、飛沫を上げることから名付けられている。十字峡は原始林に覆われ、岩壁を割って左岸から剱沢、右岸から棒小屋沢がほぼ同じ場所に合流し、黒部川本流と合わせて十字を形作っている地点である。白竜峡は花崗岩の白壁の岩壁が連続し、健脚な人でないと踏み入れられない秘境となっている。
欅平から仙人谷までは水平歩道が、その上流では日電歩道が黒部ダムまで続いていて上級者向けの登山道として利用されている。周辺には奥鐘山西壁、黒部別山東壁、丸山東壁などの500 mを越える巨大岩壁がある。
山行記録
◎2014.10.7(Tue)-8(Wed) 天気:晴れ後曇り(10/7)晴れ(10/8)
◎コース:
- 一日目:06:14扇沢07:30==関電トロリーバス==07:46黒部ダム-08:08黒部ダム下-09:05内蔵助谷出合-11:43別山谷出合-12:18白竜峡-13:20十字峡-14:16半月峡-14:53東谷吊り橋-15:18仙人谷ダム-16:21阿曽原温泉小屋(徒歩8時間35分)
- 二日目:05:31阿曽原温泉小屋-06:55折尾ノ大滝-08:00大太鼓-08:11志合谷-10:41欅平11:04==黒部峡谷鉄道==12:23宇奈月駅(徒歩行動時間:5時間10分)(徒歩による延べ行動時間:13時間10分)
◎標高差:約850m
最高点の標高: 1502 m
最低点の標高: 240 m
累積標高(上り): 2561 m
累積標高(下り): -3691 m
*GPSログ取得エラーにつき、移動軌跡は一部不完全。
*徒歩による行動距離は約30km。
今回はピークハントではなく、”行ってみたかった!シリーズ”ということで、黒部峡谷「下ノ廊下」の計画を立てた。
この下ノ廊下。
昨年の今頃にも計画を立てていたが、台風に阻まれ行くことができなかった。
今年も台風の影響により中止が危ぶまれたが、運よく、台風一過による晴天が期待できるタイミングとなった。
一日目
06:14扇沢07:30
さて、計画概要。
下ノ廊下を完歩する、ということは、北アルプスの横っ腹から入山し黒部の腸の中を突き進み富山へ至る、又はその逆コース、ということになる。
黒部の腸では、黒部峡谷の奇観を楽しむことができる。
徒歩による行動距離は、概ね30km。
その間、廊下、ということで、スッパリ切り立った険しい黒部峡谷の壁面に刻まれた、か細い道が頼りだ。
私がこれから進むのは、
畳平→(関電トロリーバス)→黒部ダム→阿曽原温泉小屋→欅平→(黒部峡谷鉄道)→宇奈月温泉
といったルートで、基本降りベース。
畳平から黒部ダムへ至るには、「黒部立山アルペンルート」の入口である「畳平」から関電トロリーバスに乗って移動する。
私は、この「畳平」まで車で来た。
下山は宇奈月温泉、ということで、ここは富山県だ。
宇奈月温泉からどうやって「畳平」まで戻るか?
手段は二つ。
電車、又はマイカー回送サービス。
電車の場合、畳平まで戻るのに乗り換え多数あり、えらい時間がかかる。
また、終電の時間も気にしなければならなくなる。
ちょっと金がかかるが、マイカー回送サービスをお願いすることにした。
その料金18000円也。
マイカー回送サービスで、私の車を今回のコースのゴール、宇奈月温泉まで運んでもらう作戦だ。
現地、「畳平」到着は06:00頃。
マイカー回送サービスの「三渓社」さんとの待ち合わせは06:30だ。
三渓社はまだ居ない。
指定の場所に車を停め、待っているとすぐ来た。
車のカギを預け、トロリーバスの駅舎の切符売場前にできている行列に並ぶことにする。
券売開始は18:50~ということで、暫し、待つ。
黒部立山アルペンルートの入口、かつ始発、ということで”どれだけ混むか…”と思っていたが、大したことはなかった。
”行列”といっても、券売開始までの間に並んでいたのは20人ほどだった。
無論、畳平の駐車場はガラガラだ。
券売所の前にデカい秤が置かれている。
10kg超の荷物を持ち込む場合、要別料金(200円)。
乗車券を購入し、二階改札前に並ぶ。
この時間になると、行列は40~50人位までに膨れ上がった。
乗車開始は、出発5分前の07:25。
それまでに、トイレ等済ます。
さっそく乗車。
↓
07:46黒部ダム
揺られること16分で黒部ダムに着く。
観光客、立山、剣方面の登山者と共に、流れに沿って歩いていたが、”これでいいのか?”ふと、気になり駅員さんに尋ねた。
”下ノ廊下はどっちですか?”と。
すると、別方面へ行くように言われた。
結果、皆とサヨナラ。
寂しく、トンネルを進む。
すぐ、この看板に当たる。
看板を進み…。
閉塞空間から抜け出す!
道は里の方が難しい…。
ふと、立山方面を望むと、立山は雪をまとっていた。
トロリーバスの改札前では、黒部立山アルペンルート上の要所要所の状況をモニターに映していた。
山頂の気温は0.6℃と表示していたか?
台風による降雨は、山では雪になっていた。
そう。
今日は妙に寒いな、と思っていた。
麓、安曇野を車で走らせていた時、路肩に設置されていた気温計は6℃となっていた。
麓から望んだ北アルプスの峰々の頂は、いづれも雪をまとっていた。
まだ体が温まっていない今、私はインナーダウンを着込んでいる。
軽くストレッチをした後、黒部川へと降る。
【タカネコンギク】
そして、黒部川に降り立った。
↓
08:08黒部ダム下
この橋で対岸に渡る。
黒部ダムは観光放水ということで、ダイナミックに瀑音を轟かせていた。
さて。
天気は上々!
ここまでの降り坂で体も温まった。
ダウンを脱ぎ、前進開始。
黒部峡谷に限らず、私は未だ北アルプスに馴染みが薄い。
昔も今も、槍も穂高も登ったことがない。
登りたくなかったわけではないが、どうも、敷居が高い、というか?私ごときレベルの人間が登るような山ではないような気がしていた。
多分、雑誌からしか情報を入手できなかった時代は、私みたいに北アルプスは敷居が高いと感じていた人間は多かったと思う。
当時のクセが未だに抜けないのか?未だに北アルプスは敷居が高いと思っている。
そんなこと言って、高所に弱い私は高山病が怖いだけか…。
ダラダラと、言葉と写真を並べてしまいましたが、見よ!この景色!
流石!北アルプスと思わずにいられない。
目に入るもの、全て新鮮で荒々しい!
写真ばかり撮って、なかなか前に進まない…。
【チシマギキョウ(のようだ…)】
いっぱい咲いていた。
↓
09:05内蔵助谷出合
ここは、”真砂沢方面”との分岐。
ここは素直に沢沿いに進む。
で、内蔵助谷。
しかし、穏やかだな…。
昨日、台風が過ぎ去ったばかりなのに、水も多くはない。
道は荒れていない。
なんの不安もないな…。
なんの不安もないのは今だけか?
このまま進めば、崖際のスッパリ切れ落ちた、落ちればただでは済まない肩幅ほどの道を進むことになるはずだ。
今のところ、沢はすぐ眼下にあり、沢の流れは荒々しいが”落ちたら死ぬ!”という恐怖感は湧かない。
そんな、平和な道が続く。
ちなみに、ルート上の道標について。
こんな感じで、時折、吊り下がっている。
で、地図で現在位置を確認する。
距離が長いので、”今どこだ…?”となりやすいが、意外に?親切になっていた。
参考までに、前掲の地形図にガーミンの軌跡も載せてみた。
画像の如く、位置情報は粗い。
対岸に渡ったり戻ったりした感じになっているが、この間、一度も沢を跨いでいないです。
沢スジということで、電波の感度が悪い。
ガーミンでこれなので、スマホのGPSでは話にならない可能性があります。
ん?雪渓?
立派だな~…。
しかし、この雪渓が道を塞いでいる…。
結果、雪渓を巻け、と木段が組まれている。
乗り切るのに、意外に時間を食った。
奥へと進むほどに、徐々に川岸が遠くなる…。
更に、岩が目立つようになり、徐々に道はか細くなる。
来た道を振り返ってみた。
道の雰囲気が変わって来たことをお察しいただけると思います…。
更に、道が足りず、空中回廊も出てきた…。
ちなみに、今私はヘルメットを被っている。
それは、こんなのが頭上近くに生えているから…。
木の枝なら兎も角、こんな岩角に頭を強かにぶつけたら、縫うほどに切れるかも知れない。
大体、ただでさえ”足元注意!”なのに、同時に”頭上注意!”まで面倒は見きれない。
足元注意の場所は、壁面に近寄りたくなるのが人情というもの。
壁に近寄れば近寄るほど、岩のトゲが迫ってくる。
【ミヤマダイモンジソウ】
ちなみに、現在の足元注意っぷり。
どこに道がついているか分かりまりますかね~?
次は、頭上注意っぷり。
こういった、明確に”低い”場所はまだいい。
中途半端に低いのが厄介だ。
結果論ですが、山行中、私は5~6回位頭をぶつけた。
内、二回強かにぶつけた。
心中、ヘルメットを被っていて良かった~…、と思った。
沢沿いルートなので、一種、沢登りみたいなものだ。
当然、落石の危険もある。
滑落の危険もある。
しかし、落石・滑落の危険よりも凡ミスの方が、遥かに確率が高い。
背の高い男性!
ヘルメット必携装備です。
特に先頭に被らせると有効です。
と、こんな感じで、”危ないな~”と感じる場所を歩いているわけですが、意外に?そうでもない。
ちゃんと手すりは付いている。
太い針金です。
有ると無いとでは、天国か地獄か、位の違いです。
崖際沿いのルート上では、この針金が途切れることがない。
ルートは更に険しさを増し、直壁に近くなってきた。
コツコツ、アップダウンがあったりする。
今度は”アップ”。
そのアップっぷり。
この、傾斜も凄いが、この崖際にこの構造物を作り出した…、何だろう?
執念か?
とにかく凄い!
今度はこれを降る。
…。
何だろう?
なんか壊れてきた。
なんも怖くなくなってきた。
こんな感じで、足場が谷側に傾いだ場所もあり。
ここで沢を跨ぎ、その先は…道が無い?と思ったら、ロープが垂れていた。
つまり、登山道プチ崩壊です。
更に先へと進む…。
と思ったら、ここが「別山谷出合」だった。
↓
11:43別山谷出合
先ほど、登山道がプチ崩壊していた場所が「別山谷」だった。
そこで休憩しようかと思っていたが、通り過ぎてしまったので、先へと進むことにする。
ところで、今歩いている道は「日電歩道」と言う。
黒部ダムから、これから向う仙人谷ダムまでの約16.6kmの道程のことを言う。
当時、「日電」という会社がダム建設の調査の為に開削したらしい。
当然、人力だろうな…。
凄いとしか言いようがない。
なお、仙人谷から欅平間を「水平歩道」という。
今度は、ハングか…。
際どい道が続くな~…。
この濁流に飲まれたら、一瞬で持っていかれるな。
もう、説明する言葉が無くなってきた。
暫し、”点景”とさせて頂きます。
点景。
点景。
点景。
点景。
お!「白竜峡」に着いた!
↓
12:18白竜峡
「白竜峡」とは、こちらのことと思われます。
水面が白く波打っている。
白竜峡以降、更に高度が増す。
道が果てまで続いいるのが見えるのですが、画像だとイマイチ判然としない。
なかなか…。
私の脳ミソの”危険センサー”が反応すると、カメラをシャッターを押す仕組みになってきた。
たま~に、癒し空間あり。
これは”奇観”として撮ったもの。
高所恐怖症の人にはたまりません。
ん?
なんだ?
シャワーか…。
こんな崖際で、壁から離れて歩くことはできない。
ありがたい。
ヘルメットを被っていて頭が汗をかいていたところだ。
遠慮なく、頭からかぶる。
ん?橋か。
↓
13:20十字峡
どうやら「十字峡」に出たようだ。
あいにく、ここからそれを望むことはできない。
これを渡る。
この橋は純粋に吊り橋で、ワイヤーに吊られているだけだ。
橋に踏み入ると、チョー!揺れる。
雑に渡ると、橋がひっくり返るんではないかと思うほどだ。
よく見ると「一人ずつ渡ること」と注意書きがある。
この橋の中間地点まできて十字峡を望む。
右から来ているのが「黒部川」。
背中から来ているのが「剣沢」。
両濁流がぶつかり合い、轟音を奏でている。
黒部川は荒々しかったが、剣沢も荒々しい。
その後も険しい道が続く。
点景。
点景。
点景。
点景。
点景。
半月峡到着。
↓
14:16半月峡
半月峡に到着したが、「半月峡」はよく分からなかった…。
次は「S字峡」。
たぶん、これ。
これで、掲載画像100枚目。
今回は掲載画像数記録更新確定だな…。
この峡谷の崖際を抜けてきた。
ん?
山頂方面はイヤな雲が出てきたな。
ん?
また、シャワーか…。
陽が陰ってきたから、もう、汗かいてないんですけど…。
ちなみに、このシャワーに躊躇してヘマすると、落ち往く先はこちらになります…。
お!人工物が見えた!
ダムは近い!
↓
14:53東谷吊り橋
人工物が見え、ほどなくすると、この橋を渡る。
十字峡の吊り橋よりは、だいぶしっかりしている。
橋を渡り、黒部川に降りる感じで降る。
この辺りは、コンクリートの階段等、土留め等、人工物で溢れている。
と言うか、車が入る。
既に「仙人谷ダム」の施設の一部と思われます。
放置車両、数台あり。
↓
15:18仙人谷ダム
ダム施設内を抜けることになる。
失礼しま~す…。
どなたかいらっしゃいますか~…?
お~い…。
”坑道”とでも言うべき場所の脇を通過する。
地熱か?蒸し暑い。
気持ち、硫黄臭が鼻につく。
やっと抜けた…。
仙人谷ダムの施設を抜け、登り返しが始まる。
これがまた…、結構きつい!
今日、初めてのまともな”登り”だった。
息を切らしつつ登る。
やっと、やっつけてやった…。
権現峠トンネル。
ライト使用せず。
その後は、平穏な道になった。
後、阿曽原温泉小屋へ向けて、急傾斜を降る。
↓
16:21阿曽原温泉小屋
やっと着いた…。
前半、下ノ廊下の迫力に圧倒され、ノンビリ写真を撮っていた。
その代償で、予想外に時間を食った。
”このペースじゃ、小屋に着くのは17:00回るな…”と考えつつ歩いていた。
さっそく受付を済ませ、テント設営。
疲れた…。
ビール飲んで、風呂入って、飯食って、19:00には就寝。
二日目
03:30に目覚ましが鳴る。
計画どおり、04:30に出発する為だ。
私の予想では、黒部立山アルペンルートは激混みだろうと考えていた。
必然的に、同ルートとセットかのような、「トロッコ列車」も激混みになる、と予想していた。
しかし、行きの畳平は空いていた。
急いで帰る必要はない。
「トロッコ列車」の混雑状況も神経質になる必要はないだろう、と、あまりの眠さに負けた私は二度寝することにする。
再び目が覚めたのは04:30前。
マッタリ道具を片す。
時計の気温計で6℃。
ぼちぼち準備して出発。
05:31阿曽原温泉小屋
阿曽原温泉小屋より先は、暫し、登りが続く。
昨日、仙人谷ダム先の急登では、あまりのキツさに心が萎えそうだったが、今日はまったく息が切れない。
足は軽く、調子は上々。
体が山に馴染んだ。
登り切って、すぐ降りになる。
画像の先行者は、昨日も快調に歩いていた若者だ。
昨日も抜かれたが、今日も、今抜かれた…。
後、崖。
しかし、昨日とはちょっと趣が変わった。
標高が落ちてきた影響か?壁面にも樹林が繁るようになってきた。
折尾ノ大滝が見えた。
↓
06:55折尾ノ大滝
落ち口より。
ようやく、谷にも陽が射すようになった。
折尾ノ大滝を過ぎ、すぐ、再度沢を跨ぐ。
ここの通過は坑道式になっている。
ライト使用せず。
昨日、下ノ廊下を歩き出した時は、壁面に刻まれた道に面喰ったが、もう慣れた。
谷を抜けるヒンヤリとした風と朝陽が相まって、清々しい。
未だ、こんな道が続いているが…。
いや~…、穏やかだな~…。
点景。
点景。
点景。
↓
08:00大太鼓
このポイントは「大太鼓」となっているが、何が大太鼓なのか?
この歩いている岩壁の形状なのか?
それとも沢のことを指しているのか?
それとも、この「奥鐘山西壁」を大太鼓と称しているのか?不明。
先へと進む。
すると、道は崩壊地に塞がれ、遥か先に穴が見える。
↓
08:11志合谷
この穴を潜るのか…。
ここは流石に要ライト。
ザックを下したついでに、一服入れる。
一服入れていると、奇声が耳に入る。
のち、対岸に見えた先ほどの穴から、私を抜いていった若者が出てきた。
”ん?遅くない?”
もっと先へと進んでいたかと思ったが、彼らはここで時間を食った様子だ。
どうも見ていると、服を着替えている。
靴を脱いで、靴下を絞っているようでもある。
そんなことで、若者は穴の前で色々手間取っている様子だ。
その光景を見た私は、穴の中を想像した。
どんな酷いことになっているのかと…。
上からは、雨のように水が滴り、足元は膝まで浸かるほど水が溜まっているんではないかと…。
そうでなければ、若者の行動は理解できない。
ライトを点け、カッパを着込み、坑道に進入。
暫く進むと、上から水が滴るようになってきた。
その水はまとまり、坑道内に掘られた側溝を伝い、川のように流れている。
この側溝は、部分的に深くなっている。
出口は丸太で補強されている。
その丸太で出口の天井は低い。
その丸太に強かに頭をぶつけた…。
あれ?
出ちゃった。
水は大したことはなかった。
あの若者達は、ライト無しでこの坑道を進んだのか?
この後は、特に事件無し。
穏やかに進む。
暫く歩くと、鉄橋が視界に入り、構内アナウンスの音が耳に入るようになる。
駅は谷にあるので、その音は谷中に鳴り響く。
ゴールが近いことを予感させられると、この刺激的な道が終わることが名残り惜しい。
今、私が気になっているのは、”どこが最後の崖際歩行か?”というものだけだ。
最後は、この鉄板歩道だった。
つまり、欅平から下ノ廊下に入山した場合、この鉄板が最初の壁際歩行となる。
最初がこれじゃ…、面喰うだろうな~。
鉄塔に出た。
刺激的な道は終わり、ここから先は尾根歩きになる。
遥か先の白い頂きは五龍か?
昨日、立山は初冠雪だったそうだ。
昨年も一昨年も、どうも初冠雪に縁がある。
今年も初冠雪の日に山にいた。
たぶん、北アルプスの高峰は全て雪をかぶっただろう。
山はもう冬か…。
これは毛勝三山か?
日本三百名山。
そのうち…、登れるかな?
随分、きつい山らしい。
サクサク降り、ハイキングコースに出た。
ここで尾根からも外れ、欅平へと山腹を降る。
道の整備っぷりは見違えるほどになった。
しかし、傾斜はチョー!きつい!
↓
10:41欅平11:04
さっそく切符を買いに行く。
次発は11:04とのことで、ちょっと時間がある。
ビ、ビール…。
宇奈月ビールを頂く。
トロッコ到着。
さて。
心配だった黒部峡谷鉄道の混雑っぷりですが、この通り。
ガラガラです。
私が乗ったのは5号車。
以降、4~1号車まで無人…。
トロッコは快調に走る。
↓
12:23宇奈月駅
駅前の有料駐車場に車を置いておいてくれる手筈だ。
無事、マイカーも回収。
これで全て終わった。
濃い二日間だった…。
今回歩いた下ノ廊下は”冒険”といった言葉が相応しい。
人は少ない。
阿曽原温泉小屋に張られていたテントは私を含め六張り。
小屋は恐らく…、温泉の混雑状況から察するに宿泊者は10名を超えない。
こんな広い空間にこれっぽちか…。
入山する三日前、お一人お亡くなりになられたそうだ。
お若い方で、特に危険とされている場所ではないところで落ちたそうだ。
そう。
下ノ廊下はどこでも危険です。
本日は、宇奈月温泉「とちの湯」にて入湯し帰宅。