ヘリテイジ「エマージェンシーツェルト」について(設営方法考察)

先日登った皇海山の際、山中一泊行程で計画を建てました。
その際、装備軽量化優先の為、山中泊で使用したのは”ツエルト”。

今回はそのツエルト設営方法について、私なりにあれこれ考え、使用感、改善点等ご報告してみたいと思います。

このツエルトというのは、具体的にはフレームが無い、テント状に縫製されたもの、といったものになります。
この道具の私の想定用途はやはり”エマージェンシー”。
緊急時使用が前提となっているので、オマケの道具は極力減らしたい。

ということで、私は山行毎にツエルトを持参していますが、ペグは持たない。
アンカーは現地調達を前提としています。
ただし、ツエルトにちょこっと細工はしてある。
*参考:ヘリテイジ「エマージェンシーツェルト」について(準備編)ヘリテイジ「エマージェンシーツェルト」について(細引き加工その2)

この前提で、私の設営手順は以下のようになります。

1.ツエルトを広げ、四隅を木の枝を石で叩いてペグダウン
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設営の向き等は他サイトで詳しいので、そちらに譲る。

2.ツエルトのフレームというべき、トレッキングポールを固定する細引きを、最初、自在を使って”最短”にして対角線を意識しつつ、細引きをピーンと張った状態でペグダウン。
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3.後、自在を使って細引きを適当な長さに緩めておく。
2871-3

ここで細引きを緩めることで、次の行程で行うトレッキングポールをツエルトにさしこむ余裕ができる。

4.まず、片方のトレッキングポールを固定。
2871-4

ここでトレッキングポールを立ち上げる訳ですが、例えば、私の三段組みポールであれば、一段のみ締め上げ、一段は緩めておく。
その緩めておいたポールの長さを調節することで、ツエルトの高さに丁度よいところまで伸ばし、後、緩めていたポールを締め上げる。
その作業と並行して、自在を使って細引きの長さを調節する。
細引きがピーンと張った状態であれば、ツエルトの四隅が固定されているので、画像の如く、トレッキングポールから手を放しても、倒れることはない。

5.反対側も前記同様の手順でトレッキングポールを立ち上げることで、基本、完成!

ペグは木の枝を使用し、石で叩いているだけなので、設営途中でビミョーに緩む。
最後にそれらを調整して設営完了。

といった流れです。

ツエルトの構造について

まあ、構造といいますか?各メーカーのツエルトにより、細引きが設置できる場所が異なります。

例えば、私が所有しているヘリテイジ「エマージェンシーツエルト」であれば、この部分に細引きは配置できない。
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前掲画像の状態で、既に側面の張りが気持ち緩んでいますが、側面が緩むと当然、狭いツエルト内が更に狭くなる。

それに対し、ファイントラック「ツエルトⅡ」の場合であれば、側面に細引きを配置することが可能となります。
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ファイントラックでは、この部分について「サイドリフター」という名称で呼んでいますが、ここに細引きを配することで、居住の快適性を確保している。
ただし、この仕組みを利用する、ということは、その分余計に細引きを持ち歩くということになり、荷物が増え、設営の手間も増える。

この問題は、いづれのツエルトが優れているか?ということではなく、ツエルトの想定用途の問題です。

設営方法改善点

ツエルトの居住の快適性は、全てのアンカーを如何にピーンと張るかにかかっています。
これを怠ると、ツエルトの生地がダブつき、中が狭くなる。
また、風で煽られた時の動揺が大きくなる。
今回は、私自身、ツエルトを張って寝るのは初めてだったので、実験の意味を込めて、全てのアンカーに”木の枝”を使用してみました。
木の枝は、枯れ枝だと折るのが容易で、長さの調節も容易となりますがアンカーとしても折れやすい。
これは、ペグダウン時に折れる、ということもありますが、全てのアンカーをピーンと張っているので、例えば、私がツエルト内でモゾモゾ動くと、その動揺で枯れ枝が折れてしまうケースがありました。
アンカーに生木に近い枝を使用した場合、枝自体が折れにくいということもありますが、枝に弾力があり、私がツエルト内でモゾモゾ動いても、その動きをある程度吸収してくれるようで、ペグとしてはこの方が具合が良いようでした。
アンカーをピーンと張るには、枝をペグとしてアンカーをとるのではなく、例えば、倒木、生えている木の枝・幹等を利用した方がより強固なものとなり、時間と共にアンカーが緩むこともなく、快適が持続するので、そういうものが利用可能であれば、そちらの利用の方がよりベターです。

ヘリテイジ「エマージェンシーツェルト」 *ヘリテイジ「エマージェンシーツェルト」の最新相場はコチラ

2871-6 *ファイントラック「ツエルトⅡ」の最新相場はコチラ

ヘリテイジ「エマージェンシーツェルト」について(設営方法考察)」 に2件のコメント


  1. ツネイチさん

    お久しぶりです。
    お引っ越しされたようで。

    ツェルトの張り方はみなさん知りたがってるようで、私の所も同様のキーワードで沢山来られてます。
    と言うわけで。
    http://youtu.be/F-IkdUlywnM
    の動画で一発解決ですね。基本的にこの張り方であとは応用と言った感じですね。

    私はツェルト泊の場合、両側とも木から吊るして床はフルオープンにしてシートを敷くとちょっと広く感じます。ポールが正面にないので出入もしやすいし。

    新居にも遊びに来ますね。
    よろしくお願いします。


    • 目目連さん

      ご無沙汰しております。
      コメントいただきありがとうございました。

      ツエルトプラスの記事も拝見しました。
      色々アイデアがあるものですね~。
      これも山ガールブーム、未だ去らずで、各メーカーがやる気にになって道具を開発してくれる賜物です。

      今回は、”初ツエルト”で、私はツエルト初心者です。
      設営アドバイスありがとうございました。
      次回辺り、お教えいただいた方法で試してみます。

      しかし、一回ツエルトで寝ると度胸つきますね~。
      この間は登山前泊時、ツエルト張るのさえ面倒くさく、シェラフカバー+シェラフで草むらごろ寝でした!

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