日本百名山「富士山」(富士宮口より御来光)

山行記録

◎2011.9.13(Tue) 天気:晴れ 気温:5.2℃~14.6℃

◎コース:22:27富士宮口新五合目-22:48六合目-23:37新七合目-00:29元祖七合目-01:18八合目-02:13九合目-02:59九合五勺-03:53浅間大社奥宮-04:29剣ヶ峰(富士山頂)-04:46浅間大社奥宮-04:58朝日岳-05:57浅間大社奥宮-06:29九合五勺-06:55九合目-07:21八合目-09:33六合目-09:51富士宮口新五合目(行動時間:11時間24分)

◎標高差:1396m

合計距離: 11104 m
最高点の標高: 3769 m
最低点の標高: 2249 m
累積標高(上り): 1635 m
累積標高(下り): -1492 m

「富士山」。
初めて私がこの山に登ったは2009年秋、富士吉田口のことでした。
その時の私は山から遠ざかること概ね7年。
その間、ほとんど運動らしい運動はしておらず、車通勤の営業は車で移動。
”健康”という言葉からはほど多く、痛風の症状に怯える日々を過ごしていました。
万歩計を付けていたら恐らく1000~2000歩/1日位が平均だったと思います。
しかし、富士登山に挑む際、ブランク前の我が体力のイメージしか残っていない私は、「富士山、何ほどのことが有ろう!!」と、体力が衰えきっているにも係らず富士山を完全にナメきっていました。

結果は惨敗・・・。

登山経験者ということでリーダー的な位置づけで皆、私を頼りにしていました。
そんな私が8合目付近でダウン。
同行の若手が自分のザックと共に私のザックを背負ってくれました。
なんとか登頂を果たしたものの下山早々膝が崩壊。
空身にも係らずブルドーザー道のジャリに足をとられ、なんどスッ転んだことか・・・。
結果、大きく自尊心を傷つけられる…。

自尊心を取り戻すべく翌週単独で再チャレンジ。
無事、登頂を果たすもガラスの膝は相変わらずで下山は苦労させられました。

翌2010年。
2009年に富士山に登らなかった面々より”今年も・・・”と声が掛かる。
そんなことで2010年も富士山を登ることになりましたが、あの忌まわしい記憶がまだ生々しい私は二度と無様な姿を晒したくなくトレーニングに勤しみだす。
2010年はトレーニングの成果があり問題なくクリア。
そのトレーニングで”登山”に火がついてしまった私はその後も山を登り続け、その記録を”中年の百名山制覇!!”に掲載している次第です。

2011年は8/30夜に予定していましたが、台風12号が接近しており苦渋の選択により延期。
その影響は甚大で、当初10名ほど参加予定者がおりましたが、私を含め3名まで激減。
私以外は女子のみ。
年の頃は20代中盤。
お一方は、大手不動産会社の事務員さんのAちゃん。
もうお一方は、大手スポーツクラブのインストラクターさんのSちゃん。
昨今の山を登る女は”山ガール”などとチヤホヤされておりますが、同行の女子達の装備は私好みの性能重視で、実質剛健。
金をかけさせ、雨が降ろうがヤリが降ろうが風が吹こうが耐えられる装備を身に着けております。

前置がかなり長くなってしまいましたが、今回予定のルートは夜、富士宮口より入山し山頂でご来光。
余力があればお鉢廻りといった内容です。

あっ。
前もって申し上げて置きますが、同行の女子達の容姿は写真に納まっておりません。
皆様のご想像にお任せいたします。

と、いうことで現場、富士宮口新五合目駐車場到着は22:04。
富士宮口新五合目駐車場

時計の気温計で14.6℃。
ぼちぼち準備して出発。

22:27富士宮口新五合目(標高:2380m)

富士宮口新五合目

本年は9/7に富士山本宮浅間大社にて閉山式が執り行われたとのことで、ガラガラの富士山をイメージしてきたのですが、意に反してけっこう車が駐車している。
概ね3割ほど埋まっており、多数のご来光組がまさに登らんと準備に勤しんでいました。
天気は前後日とも晴れの天気予報で安定している。

山頂の気温は気象庁のアメダスをチェックしていると、朝で概ね5℃前後。
日中でも10℃は上回らない位。
ご来光待ちで山頂付近に停滞する可能性もあるので装備は基本、冬山仕様です。

夜中のこともあり、写真の取りがいもないので粛々と進めていきます。
その道は、空は晴れて星が満開であり、前夜が十五夜であったこともありほぼ真丸な月夜で月明かりの手助けを借りつつ、風は微風で下界とは異なりヒンヤリした空気が心地よく、気分よく足を上げることができます。

なお、今回は女子同伴ということで”トイレ”との戦いでもありました。

22:48六合目(標高:2490m

六合目

と、いうことで”通行止め”です。
登山は自己責任でお願いします(どの山でも同じですが・・・)。
なお、六合目にある宝永山荘、雲海荘は営業(食堂・お土産屋として?)しています。

有料トイレ(200円)有り。

23:37新七合目(標高:2790m)

御来光山荘:close

00:29元祖七合目(標高:3030m)

山口山荘:close

01:18八合目(標高:3220m)

池田館:close

ここら辺りで風がちょっと強めになったので全員にアウトレイヤー装着指令。
ここまでは皆、元気。
快進撃が続いていますが・・・。

02:13九合目(標高:3400m)

萬年雪山荘:close

ここらでぼちぼち疲労が見え出す。

02:59九合五勺(標高:3550m)

胸突山荘:close

ここから先がキツい!!。
やはり低酸素の影響か?息が荒くなり、足が上がらない。
また、足元がふらつき出す。

03:53浅間大社奥宮

富士館:close(トイレもclose)
・・・結局、山中トイレはゼロ。
私同行の哀れな山女子達の末路はご想像にお任せします。

04:29剣ヶ峰(富士山頂)

剣ヶ峰山頂

無事、山頂到着。
時計の気温計で5.2℃。

ところで・・・。
夏のTV番組で富士山特集をしていた際、この碑が厳密な山頂ではなく碑のすぐ脇にある岩ヒダ上が最高所であり、それを示す”矢印(落書き?)”があることを目にしていました。
”それは何処か?”と探してみましたが見当たりませんでした。
どうやら”落書き”として処理された様子。

ようやく山頂に到着し、その達成感を味わっているうちになにやら空が青白んできた。
ここからお鉢廻りを実行するか?
彼女達の様子を見てみるにSちゃんはさすがスポーツインストラクターだけに余力マンマン。
Aちゃんは、ちょっとキツそうで無理させると下山に響きそう。
今回は女子達なので無理せず、お鉢廻りは諦めアンパイにご来光重視ということでご来光眺望スポット、朝日岳へと向かう。

04:46浅間大社奥宮

04:58朝日岳

朝日岳

剣ヶ峰は月夜に浮いておりますが・・・。
剣ヶ峰

振り返ると・・・。
DSCF1749.jpg

地平線にオレンジのラインがでてくる(05:04)。

10分後・・・。
DSCF1755.jpg

15分後・・・。
DSCF1763.jpg

これはもはや日の出とみていいでしょうか?
事前の下調べでは05:30頃かと思っていましたが、日本一高い所での日の出なので少々早めで05:17。

女子達は感動で大騒ぎになっています。

05:23
DSCF1775.jpg

そんな中、気温は5.8℃。
気温的にそんなに低いというわけでもないのですが、チョ~、寒い

私の装備は上着で、

  1. ユニクロ「ヒートテック」クルーネック長袖
  2. モンベルの薄手のフリース
  3. モンベル「フレネイパーカ」

ズボンはモンベルの中厚手のトレッキングパンツのみでタイツ未着用。
気温は氷点下を想定しておらず、昨シーズンの冬山経験から”これで充分”と考えておりましたが、ぜんぜん足りない。

こんなこともあろうかとメンバー全員にインナーダウンを持参させていましたが、それを着用する間もなく陽がでてきたので、撮影会に突入してしまい寒い中ガンバっています。

同じ気温でも昼と夜では感覚がまったく違う。
いい経験になりました。

陽も完全に揚がり、目的も達成したのでぼちぼち下山へと行動開始。
DSCF1777.jpg

火口
火口

登りで道中トイレの無いことを確認済の私達は下山もトイレとの戦いとなります。
しかも寒いところから急に暖かくなってきたから性質が悪い。

更に明るい。

05:57浅間大社奥宮

浅間大社奥宮

で、登山道にでてみると・・・。
DSCF1780.jpg

遥か彼方に駐車場が・・・。
近そうに見えても遠いです。

更に進むと・・・。
DSCF1781.jpg

雲海が広がっていました。

06:29九合五勺

胸突山荘

06:55九合目

萬年雪山荘

だいぶ下ってきましたが、振り返ると・・・。
DSCF1785.jpg

当然、急傾斜。

07:21八合目

池田館

宝永山
宝永山

09:33六合目

宝永山荘

ようやくここでトイレタイム。
トイレは自動販売機式になっており、所定の場所へ100円玉2枚入れないと扉が開かない仕組みになっています。
極寒の地より下界へ戻ってきた私達は、無性に喉が渇いておりここでコーラを注文。
スカッとしましたが、反面マッタリモード突入。
事実上、ここで登山終了しました。

09:51富士宮口新五合目

富士宮口新五合目

無事、帰還。
気温は計測し忘れました。

しかし、この写真のとおり富士山人気は不滅。
車はいっぱい止まっています。
下山時も多数の登りの登山者とすれ違いました。

山行中、登山者を観察するに、御来光組はさすがに準備万端たるものを感じる方々しか見かけませんでしたが、日中登ってくる方々の中で、チラホラ危なっかしい方をお見かけする。
”登山は自己責任”ではありますが、それにしても普段着でありすぎ、その背に背負うものは小さいか、又はなにも背負っていないか。
または、七合目あたりの登山道上で見るからにアップアップで、座り込んでいる方等・・・。
”本当に登っちゃって大丈夫?”と、山小屋という逃げ場所もなく、陽が沈めばとてつもなく寒く、その経験を今してきたばかりの私は、他人事ながら心配になります。

登山道入口にある”通行止め”の看板。
初め見た時は正直なところ”役所としては「通行止め」って言ってますから”と言わんばかりの責任逃れのお役所的発想(このような看板を掲げている山を他に見たことがない)から掲げているのかと思いましたが、下山時の感想は”脅しが足りない”という感想に変わりました。
反面、標高も2000mを超えるような他の山で普段着登山者を見た記憶がありません。
時期は9月中旬で閉山式も終わっており、この調子では山に雪が付いても普段着で登る人が出てくるのでは?または富士山スカイラインが冬期通行止めにならないと普段着登山者はいなくならないのか?と思ってしまう位です。

命はある意味お金をかけて装備を整えることで”買う”ことができます。
命”が惜しいなら、ちゃんとお金をかけましょう。

日本百名山「富士山」(富士宮口より御来光)」 に4件のコメント


  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    継続は力なりと言いますが、日頃からのトレーニングは必要ですよね。
    私が登ったときには人が多くて、剣が峰の山頂での写真が撮れなかったのが心残りです。
    先にご来光を見て、その後お鉢巡りをすれば影富士も見れたのでは?


  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    お疲れさまでした。
    女性二人と登山なんて羨ましいです~
    9月の富士山は空いているけど
    トイレ問題がありますね。
    私も今回、身にしみてわかりました。(笑)


  3. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ラッセルさん>
    まあ、女性は女性なのですが、私がもうちょっと歳とっていたら娘みたいなものなので・・・。
    トイレの件で苦しみもがいていたので、現場でコイントイレとコーラをオゴってあげました。
    ”オヤジ臭い”と言われないよう気を使い、屁もできませんでしたヨ。


  4. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    tsurikichiさん>
    私の場合、二十代の頃より平日定休で”渋滞””混雑”という言葉が最も苦手な人間です。
    富士山渋滞は毎夏テレビでお馴染みで、私はちょっと耐えられそうにありません。
    結果、シーズンオフの秋に登ることにしています。
    その分、リスクは若干増えますので頼みは我が肉体と”装備”となります。
    ルートの件はご指摘の通りなのですが、何分、夜を徹して登っており、私は兎も角、同行女子の疲労度合、予定下山時刻、トイレ問題等考え、山を嫌いにならないよう無理せずお鉢廻りをせずに下山しました。

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