山行記録
◎2011.6.15(Wed) 天気:曇り 気温:9.0℃~16.8℃
◎コース:07:35青木鉱泉-08:18中道登山道入口-12:25薬師岳-13:40観音岳-14:07鳳凰小屋分岐-14:44赤抜沢ノ頭-14:55賽の河原-15:19鳳凰小屋-15:52五色滝-16:27白糸滝-17:32南精進滝-18:59青木鉱泉(行動時間:11時間24分)
◎標高差:1758m
最高点の標高: 2835 m
最低点の標高: 1083 m
累積標高(上り): 2236 m
累積標高(下り): -2217 m
日本百名山、秩父方面完全制覇を果たした私が次に狙うのは”南アルプス方面”。
そんな話を我が登山部のメンバーと語らっていると、さすが”アルプス”のネームブランド。
結果、私を含め4名で山へ行くことにする。
メンバー中、私が最もコンスタントに山を登っておりますが、中年の悲しさか?最もスタミナが無い。
登山部メンバーにあまりカッコ悪い姿を晒したくはないのですが・・・。
今回選んだコースは単純標高差1750mと、私の登山経歴上、ほぼマックスというハードコースなのですが、どうなることか?
前日(6/14)の天気予報を確認すると、長野・山梨方面は晴れと絶好のコンディション。
メンバー一同を乗せた車は、現地、青木鉱泉へと向う。
が…!
なぜか?空が冴えない。
改めて天気予報を確認すると”曇り”と、天気が悪くなっている。
”誰の責任だ!?”と車中でもめつつ、青木鉱泉駐車場到着は、07:14。
時計の気温計で16.8℃。
ぼちぼち準備して出発。
07:35青木鉱泉
青木鉱泉の駐車場は、鉱泉へと向かう道沿いにコマゴマ多数配置されている。
総駐車台数は不明ですが、1カ所あたり概ね15~6台位駐車でき、そのような駐車場を5カ所位は見かけました。
今回のコースは、天気が悪いので午後に晴れることを願い、見所満載のドンドコ沢コースを後回しにし、尾根道の中道コースで登ることにする。
現在、鳳凰三山は雲の中・・・(中道へと向かう途上にて)。
青木鉱泉より中道へ向かうのにショートカット道がある様子でしたが、朝から道に迷うのに抵抗を感じ、素直に車道歩き。
↓
08:18中道登山道入口
看板には”急登なので体力に自信のない人は引き返せ”と記載有り・・・。
ここから”薬師岳”へと向かうわけですが、道中”見所”はありません。
*草花は未チェック。
黙々と樹林帯の尾根道を突き進みます。
こんな感じとか・・・。
こんな感じ。
晴れていれば、絶好の鳳凰山眺望スポットと思われる一角(薬師岳への途上にて)。
で、樹林帯を抜けると、そこに見えるのは薬師岳の一角。
ようやく、森林限界を越えましたがやっぱり曇り空。
時折、陽射しの暖かさを感じるほどに雲が薄くなることもありますが、基本、厚い雲に覆われている。
↓
12:25薬師岳
薬師岳?
どちらが薬師岳なのか?
”山と高原地図”では、上の写真が”薬師岳”の様子ですが、下の写真の”薬師岳”は山頂らしいデコレーションが施されています。
ま、どちらも訪れてみました。
なんとかここまで登ってきましたが、結構キツイ。
また、眉間に違和感を生じだす。
この感覚は、富士山以来久しく感じていなかった、酸欠状態の様子。
わずかでも体力を取り戻すべく、ここで昼食。
大して回復もしておりませんが、ここが終点ではなく、また、下山後に青木鉱泉に浸かりたくもあり、ダラダラと出発。
↓
13:09薬師岳出発
事前の下調べによると、薬師岳から望む観音岳は素晴らしい。
今回の山行で私的に最も楽しみにしていたのは、その眺望だったのですがこんな感じ
↓
13:40観音岳
時計の気温計で12.0℃。
ここから薬師岳を撮影したかったのですが、あいにく雲中に。
逆にこれから進むべき地蔵岳方面を望むと結構な登り返し。
前途の険しさを目視した私達は、本山行最高点にいるにもかかわらず、ロクに休憩せず出発。
↓
14:07鳳凰小屋分岐
鳳凰小屋分岐のある鞍部に素晴らしいデコレーションを発見。
生垣状態になっています。
作者は不明。
↓
14:44赤抜沢ノ頭
で、本山行2番目のお楽しみ、オベリスク(地蔵岳)。
これから賽の河原へと下るのですが、残雪有り。
アイスバーンにはなっておらず、シャーベット。
ほぼ、砂と同じ。
↓
14:55賽の河原
鞍部にお地蔵さんが並んでいます。
ここより先は下り一方。
”あ~、もう登らなくていいのネ”と、一時的に元気を取り戻した私達は一目散に下山開始。
↓
15:19鳳凰小屋
賽の河原→鳳凰小屋間のコースタイムは50分。
若手に引きずられた私を含めた一向は、この間24分で通過。
私はまだ、元気です。
↓
15:52五色滝
時計の気温計で9.0℃と陽が射さないこともあり肌寒い。
鳳凰小屋→五色滝間のコースタイムは50分。
私達のタイムは33分。
…シンドイ。
この五色滝。
この名称の由来はやはり”虹”でしょうか?
しかしながら、本日は曇りにつきプリズム効果は発露されず、虹は確認できませんでした。
なお、登山道を離れ滝壺まで降りることができます(歩5分位)。
その道はけっこうザレており、下るのは易しいですが登るのは厄介です。
滝壺から望む五色滝は、その滝の落差もあり雄大で”この滝に虹が架かったらさぞ美しいだろう”と連想させられます。。
そうして見物しているうちに、沢に沿った踏み跡を発見。
勇気ある?M澤氏が、”この道は登山道へ繋がっている”と主張して止まず、”どうせ逆戻りすることになるだろう”と予感した私は、イヤイヤ踏み跡を追ってみると・・・。
M澤氏の直感が当り、登山道へ出ることができました。
このルートは”山と高原地図”にも記載されておらず、五色滝見物には楽チンルートとなります。
詳細は、冒頭に掲載のルート図をご参照ください。
なお、沢沿いのルートにつき増水時は要注意。
↓
16:27白糸滝
字の如く、滝が糸を引いています。
遂にこの時が来てしまいました。
・・・電池切れ。
若手に引きずられてペースオーバーとなっていた私は、感動を味わう心が薄くなってくるのを感じます。
しかも、この先待ち受けるのはドンドコ沢ルート最大の難所。
白糸滝→南精進滝間は、距離1Kmほどですがコースタイムは1時間。
登りであれば1時間30分です。
そのルート途上には滝が2本有り、急傾斜っぷりが連想される…。
で、突入すると案の定、濡れて傾いだ岩、木の根露出、クサリ場、苔と絶え間ない攻撃が私を襲ってきます。
結果、膝が崩壊寸前まで追い込まれることになる。
↓
17:32南精進滝
ようやく、難所を切り抜けた。
この時点で青木鉱泉までの標高差は残り450mほど。
まだまだ油断ならない。
そんな矢先に現れた南精進滝。
その特徴は2段の滝壺。
私の拙い撮影技術ではその感動は伝わらないと思いますが、疲れた私の心を癒してくれました。
いつもの私であれば、拙いなりにもっと執着して写真を撮るのですが、本日は時間も時間でありこれでスルー。
もはや、ヘッドライトの利用を覚悟しました。
↓
18:59青木鉱泉
無事、帰還。
ギリギリ、ヘッドライトのお世話にならずに済む時間に下山できました。
足腰ガクガク。
足が棒のようになってしまいました。
私の持論で”山は天気が命”というものがあり、仮に雨の日に登山をすれば、それは自衛隊の訓練のようになってしまいます。
私的な登山の意義は”カラッと晴れた日に絶景を堪能する””下界では決して見ることができない奇観に心を奪われる”といったエサがあるから、”山を登る”という苦労の代償を支払う、と、いう所があります。
天気が良くなければエサが貰えず、代償のみ支払うということになり、私にとってはそれば不本意なことです。
程よい運動を山に求める面もありますが、メインはやはり絶景・奇観。
今回の山行は改めて”私的な登山の意義”を再確認させられるものとなりました。
”鳳凰山の頂上でカラッ晴れだったら・・・”さぞ、絶景が待ち受けてくれていたことと思います。
どうも多少歳を喰ったせいか?感動に鈍感になった面がありますが、マイブームである山では条件さえ整えば感動を私に与えてくれる。
再度、感動を求めて南アルプス方面へ膝の崩壊を代償にしてでも訪れてみたいと思います。
余談ですが、本日の延べ登降距離2013m(ガーミン「オレゴン450TC]データによる)。
本日は遅い時間にも係らず、青木鉱泉のご主人のご厚意により、入湯し帰宅。