グアム「セッティ滝」(セラ湾からセッティ湾周回)


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山行記録

◎2015.3.12(Thu) 天気:晴れ時々雨 気温:31~36℃

◎コース:12:41 Sella Bay展望台駐車場-13:25 Sella Bay-14:09 Cetti River河口-15:57 Cetti Falls-17:39 Cetti Bay展望台駐車場(行動時間:4時間58分)

◎標高差:約200m

合計距離: 7590 m
最高点の標高: 198 m
最低点の標高: 4 m
累積標高(上り): 563 m
累積標高(下り): -517 m

グアム「ラムラム山」を下山した後、セッティ滝へ向うべくK次郎氏と共に、その登山口である「Sella Bay展望台駐車場」へすかさず向った。

Sella Bay展望台駐車場到着は12:40頃。
Sella Bay展望台駐車場

時計の気温計で36℃!
ぼちぼち準備して出発。

12:41 Sella Bay展望台駐車場

Sella Bay展望台駐車場

さて。

これから我ら進もうとしているコースは、ザックリ、こんな感じだ。
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取付きでは4WD車が入ることができるラフロードがあるが、途中で分かれ、セラ川を伝って降り、セラ湾に至る。
後、Abong Beach(アボングビーチ?)を縦断し、セッティ川を遡上し、セッティ滝に至る。
途中、道の表示は無く、所謂、バリエーションルートだ。

このコースは、地元トレッキングガイドのホームページで見つけた。
そのガイドにお願いして、このコースに行ってもよかったが、上級者向けコース、とのことで、リピーターしか受け付けないコースとなっていた。
日程的に行けるか?分からなかったので、結局、ガイドには何も連絡はしていない。
自力で行けないか?事前に下調べをしていただけだ。

そんなことで、このコースについて色々調べていたが、情報は少ない。
”概ね、こんな感じ”と理解できた程度だった。
しかし、事前に入手していた地形図に合理的な線を引き、”まあ、行けるだろう”程度の自信はあった。
まったく人が入らないコースではない。
多少の踏み跡は当てにできるだろう。

そんなことで、入山。
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なお、今回はGPSは持参しているものの、地図データはロードマップ程度のものしか入っておらず、登山としてはほとんど当てにできない。
カシミールのマップカッター機能の使い方が分からず、地形図は入手したものの、そのデータをガーミンに取り込むことができなかった。
頼みは、地形図とコンパス。

取りあえず、地形図どおりに道はある。
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途中、私が地形図に線を引いた尾根に薄いトレースが付いていた。

そのトレースを追い、涸れ沢を渡る。
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渡った先で、トレースが不明瞭になった。

若干、ウロチョロし、明瞭なトレースを発見できた。
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このトレースを追い、海へと向かった。
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前掲画像の如く、途上の視界は悪くない。
しっかりしたトレースを見つけることができれば、不安は少なかった。

ところで。
この時点で、私は自身の体調の異変に気付いている。
体は怠く、重い。
頭がクラクラする。
未だ食欲はなく、朝飯を食ったきり、その後何も口にしていない。
汗は出ない。
喉は渇くが、その渇きはハイドレーションで癒しており、チビチビと水を飲んでいた。
たぶん、これでは体から出た水分を補いきれていない。
午前中に登ったラムラム山では、木陰はほとんどなく、ずっと強烈な陽射しを浴び続けている。
今は午後になり、灼熱は増した。

私は、軽い熱中症だな、と自らを診たてていた。

幸いは、下り坂、ということだった。
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体力がなくても、重力に任せ、ダラダラと坂を降っていた。

”Give me スコール!”
スコールのスペルは知らん。

”雨が降らんかな~…”と思いつつ坂を降っていたら、Asmafines Riverに出た。
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「休憩!」
思いっきり水を浴びた。

その後、再び灼熱が続く…。
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また、時間を勘違いしていたことにも気付いていた。
日本と一時間の時差があるグアム時刻に時計を修正していない。
結果、11:40にスタートした、と勘違いしていた。
午前中にスタートできる、と思っていたから、欲張って、ラムラム山の後、このコースを歩く気になっていたが、実際は午後スタートだった。
事前の下調べでは、このコースを消化するのに4時間かかる。
12:40スタートでは、終了が16:40になってしまう。
ホテルに帰るのが遅くなり、他の仲間に心配をかけるのを恐れている私は、12:40にスタート、ということであれば、セッティ滝は諦めていただろう。
何かトラブルがあった場合、又は予定のコースを進めず来た道を逆戻りしなければならなくなった場合、日没までの時間的余裕が無さ過ぎる。
トラブルを予感させるように、体調は悪い…。

とはいうものの、ここまで来てしまった今、トレッキングを中止して来た道を戻るつもりはサラサラ無い。

今度は、Sella Riverに出た。
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「休憩!」
また水浴び…。

未だ飯を食っていないので、ザックに入っている握り飯を出した。
食欲は無いが、食っておかないとシャリバテになってしまう。
無理やり胃袋に詰め込もうとしましたが…。
一口しか食えなかった。
私が食っているのは、スパムの握り飯。
味は…。
中の下。
普段、私は物の美味い不味いは言わないが、この時はきつかった。
まったく食う気にならず、一口でやめた。

やっと海に出た…。

スペイン橋。
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この橋は、グアムがスペイン統治下にあった時代の遺物。

Sella River。
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13:25 Sella Bay

Sella Bay

やっと海に出た。

コースを消化するべく、前進。
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今日は、午前中のラムラム山から、駐車場以外で人に会っていない。
しかし、砂浜では踏み跡らしきものが確認できた。

この砂浜を、砂に足を取られつつ進んだ。
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砂浜に出たことで再び陽射しに晒され、熱中症の症状がぶり返してきた…。

湾を大きく回り込み、セッティ湾口が見えた。
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砂浜歩きから解放され、足は軽くなった。

更に、セッティ湾に入った。
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Fouha point。
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セッティ河口を望む。
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河口にはボートが二隻係留されており、人影が見える。
また、現在歩いている足元に、犬のものと思われる踏み跡がある。

更に河口に近寄ると、キャンプサイト?バーベキュー場?のような施設があり、ゴールデンレドリバーがウロチョロしていた。
その施設の敷地に入ると、白人の親子が何かしていた。
ゴッツイ白人の親が近寄ってきて挨拶を交わす。

ここは人っ子一人いない、云わば”僻地”だ。
そんなところに、ろくに英語も喋れないイエローがウロチョロしている。
”不審”と思われるのを恐れ、持っている地図を見せ、道が間違えていないか?拙い英語で身振り手振りを加えて聞いた。
そしたら”Go River”と返ってきた。

…。

まあ、Go Riverは分かっていたけど、そのまんまか…。

”水を持っているか?”とも聞かれた。
ゴッツイ白人だったが、意外に優しいな。

そんなことで、無難にやり取りを終え、セッティ河口に向った。
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14:09 Cetti River河口

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さて。
ゴールへ向けて、ようやく”登り”がスタートすることになる。

ここに至るまで、数本の川を跨いだが、セッティ川は圧倒的に川幅が太い。
しかし、流れは緩く、波打ち際に堆積した砂を押し流す威力はない。
その為、川水は砂地を浸透して海に流れていくだけの状態になっている。
結果、前掲画像のように、一種、沼かと思うほど深々としていた。
河口の水深は、深いところで恐らく首位ある。

”道はどこか…”探す。
取りあえず、左岸側に取り付いた。

…。

トレースはないな…。

あるのは藪だけだ。
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それは右岸側も同様だ。
そう。
トレースはない。
しかし、セッティ川を遡上するツアーが組まれているのは知っているので、必ず、どこか通るはずだ。
そこで、先ほどの白人とのやり取りを思い出した。

”Go River”

そういうことか…。
川を歩くんだな。
こんなジャングルに道を切り開くより、川を行った方がよほど楽だ。
とすると、”水を持っているか?”と問われたのが気になるな…。
その問いは、この先の困難を予感させられる。
まあ、ここまで来て帰る手は無い。
セッティ滝まで行っちゃえば、かなりの人が行き来しているはずだ。
それなら、トレースははしっかりしているだろう。
ということで、帰り道の心配はしていない。

意を決し、体を水に浸すことにした。
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現在、水深は腰上に達している。
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事前の下調べにより、渡渉があることは知っていた。
しかし、それは部分的なもの、とイメージしていた。
セッティ川の取付きから踏み跡が無い、かつ、両岸ジャングル、ということは、この先、ずっと”道”は無いだろう。
ということは、水に浸かりっぱなし、ということになりそうだな…。

部分的な渡渉、とイメージしていた私達の足元は、トレッキングシューズに普通にソックスを履いている。
水を吸ったそれらにより、足は重い…。

途中、川が二又に分かれていた。
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地図で確認するが、どこだか分からない…。
いや、地図を見れば一目瞭然なのですが、セッティ川に支流はなく、一本道だと思い込んでいた。

…。

K次郎氏が右と主張し、私は私で支流は無いと思い込んでいたし…。
しかし、右の方が明らかに流れが緩く、それは支流の特徴と言えば言えるな、と感じていたので、私は左と考えていた。
結局、K次郎氏の主張に負け、右に進んだ。
まあ、言い訳ですね。

いい加減進み、明らかに方位が異なることから、私の判断で戻ることにした。
このタイムロスは、延べ30分ほどだった。

この支流では、途中、生暖かい所があった。
恐らく温泉が湧いていると思われます。
また、流木多数有り歩きずらい。

本流が天国に感じる…。
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既に、水に浸るのにまったく抵抗がなくなった…。
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流木地帯。
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こいつは正面突破でやっつけた。

だいぶ標高を稼ぎ、水深が深いところは無くなった。
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靴は川底に堆積した泥に沈んだが、今の足元は岩になっている。
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こんな段が出てくるようになった。
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滝が近いことを予感させられる。
今は、快適な水上トレッキングを楽しんでいる。

15:57 Cetti Falls

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”やっと着いた…”
K次郎氏と私は滝壺の畔に座り込んだ。

クソ暑かった陽射しの中、歩いていた時の希望は、この滝壺で泳ぐことだった。
どの道、全身びしょ濡れだ。
誰が居たって構わない。
パンツ一枚になって泳ぐんだ!と思っていたのですが…。
今はそんな元気はない。
私は未だ何も食っていない。
ザックにチョコバーが一本入っているのを思い出し、それをここで食った。
滝の左岸側にロープが垂れており、落ち口へ行けるみたいだが、それを伝って登ろう、という気も起らない。

時間も時間だ。
早く帰らないと。
と思っていたのですが、帰り道が分からない…。

ここに至る途中、”右岸側に帰り道のトレースがあるはずだ…”と、道々観察しながら遡上してきたが、それらしきものは見当たらなかった。
無い、ということは、滝壺からトレースが伸びている、と考えていたが、滝壺からもトレースは伸びていない。
滝両岸は鋭く切り立っており、素直に登ることはできない。

では。

普通に考えて、この尾根に道がついているはずである。
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滝壺周辺に逃げ道がない以上、私がこの尾根に至るトレースを見落とした可能性が高いし、そうとしか考えられない。
そう考え、再び沢を降る。

途中、色々脳裏を過った。
”もしかしたら、滝左岸に垂れていたロープを登れば道があったんじゃないか…?”
”滝壺に流れ込んでいた枝沢を、もっと詰めてみればトレースがあったんじゃないか…?”

…。

脳裏を過るどれもこれも危険なルートであり、観光客がこの滝にくる以上、そんな危険な道を使うはずがない。
万一、道を発見できない場合、闇夜のハイクとなることは間違いない。
ヘッドライトを手の届くところに置いた。

尾根取付きを発見…。
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ロープが垂れていた。
このロープは、川下側からでは見えにくくカモフラージュされていた。

傾斜はきつい。
ロープに頼って、ジリジリと標高を上げる。

セッティ滝遠望。
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滝は三段位になっていた。

更に登り、樹林は薄くなり尾根が露出した。
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粘土質っていうのかな?
土なのに、磨かれたようにツルツルになっていた。

露出した尾根に乗り、今まで逃れていた陽射しに晒された。
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息が切れる…。
”ズキッ!”と左太もも裏を攣った。
左足をかばいながら登っていたら、今度は右太もも裏を攣った。

歩けなくなり、「休憩!」。
座り込んだ…。
再び歩き出そうと、立ち上がると立ちくらみが出た。
ゴールまで、標高差で言えば残り50mほどなのだが、足が上がらない。
”これが熱中症か…”
初めてなった。

ちょっと休んだ位では回復しない、と判断した私は、余力があるK次郎氏を先行させ、車のピックアップをお願いした。

その間、このささやかな木陰で横になっていた。
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ここで気が済むまで横になっているつもりだ。
ハイドレーションのバルブを咥え、チューチュー水を吸いながら横になっていた。

たまに、この葉っぱをちぎり、額にあてた。
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さっき降ったスコールで濡れたこの葉っぱは、気化熱で冷えており、額に当てると気持ち良かった。

いつまでもここで寝ているわけにもいかない。

さて、帰るか。
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やはり寝ていてよかった。
ふらつくが、足は上がる。

17:39 Cetti Bay展望台駐車場

駐車場に這い上がったら、ちょうどK次郎氏がピックアップした車が到着した。

セッティ滝の周回コースは手強かった…。

無事、仲間と合流し夕食を共にすることができた。

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