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山行記録
◎2015.2.25(Wed) 天気:晴れ時々曇り 気温:-3~3℃
◎コース:09:19谷川岳天神平-10:03熊穴沢避難小屋-11:29肩の小屋12:11-12:20トマの耳-12:30肩の小屋-13:30熊穴沢避難小屋-14:18谷川岳天神平(行動時間:4時間59分)
◎標高差:約640m
最高点の標高: 1964 m
最低点の標高: 710 m
累積標高(上り): 2550 m
累積標高(下り): -2042 m
*徒歩による行動距離:約6.4km
雪崩講習の受講内容を忘れないうちに、その内容をKに仕込むべく、Kと共に谷川岳へ向った。
当日の谷川岳の天候はいまいちな予報であった為、山を登るつもりは無く、雪訓よろしく、Kに雪を掘らせるだけの予定であったが…。
関越道を北へ車を走らせるほどに天気が良くなってきた。
更に、谷川岳ロープウェイに着く頃には、谷川岳を登る気に私はなっていた。
谷川岳ロープウェイに到着したのは07:30頃と、ロープウェイが動き出すまで、まだ、時間がある。
黒戸尾根取付き先の林道へ移動し、そこで、軽くKに仕込み、ロープウェイに乗車するべく早々に切り上げた。
谷川岳ロープウェイでは、相変わらずスキーヤーは多いが、登山者は少ない。
身軽な我らは、予定より早く開いたきっぷ売場の先頭に並び、ロープウェイ始発に乗車することができた。
天神平に降り立ったのは、09:17。
時計の気温計で3℃。
ぼちぼち準備して出発。
09:19谷川岳天神平
二週前に登った武尊山では、雪は踏み固められ、ラッセルとはならなかった。
その後、谷川・武尊方面で、まとまった降雪はない。
また、春先のような陽気が続き、かなり雪は融けたであろう。
そんなことで、今日のラッセル対策は何も無い。
ツボ足で十分と読んでいた。
ちょうど一ヵ月前に谷川岳を訪れた時は、この出鼻のゲレンデ脇はフカフカの雪に覆われ、ラッセルを強いられた。
その積雪っぷりは、もしツボ足であれば胸まで沈むほどだった。
そんなことで時間を食い、他、色々あり、その時は谷川岳の山頂を踏むことなく、中途半端な斜面で断念した。
前回苦しめられた、このゲレンデ脇の冬道も読み通りラッセルとはならない。
それどころか、昨日刻まれた登山者のトレースはコチコチに凍っており、具合よくステップとなり、アイゼンを欲しない。
15分ほどで、ゲレンデ上まで登り詰めた。
辺りを見渡すと、ポツポツ、雪崩跡を発見。
雪崩講習では、例えば、弱層テスト等は、枝葉の話しだ、と言っていた。
そもそも、雪山のどこで弱層テストをすれば良いのか?講習を受けた後でも、私はそこから理解できない。
幹は、雪崩痕や地形の”観察”であり、極端な変化を注視しろ、と言っていた。
雪崩痕を見て、今、積雪がどのような状態になっているのか観察し、地形を見て、ここで雪崩が起きたらどうなるか?”地形の罠”という表現で注意深くなれ、と言っていた。
極端な変化、とは、降雪、日照、風、気温のことだ。
これらに極端な変化があった場合、積雪にどのようなストレスが加わるか?地形に対してどのような作用が働いたか?イメージしろ、と言ってた。
弱層テスト等は、これら幹の理解が深まった後に理解することだ、とも言っていた。
故に弱層テストは、枝葉の話し、というわけだ。
理解が深まれば、弱層テストをすべき場所が自ずと見えてくるらしい。
理解を深める手段として、プローブを1000回雪に刺し込み雪の感触や深さを把握しろ、と言っていた。
ピットを100個作って雪層を観察し弱層テストをしろ、とも言っていた。
1000回の100個か…。
ま、それだけ雪崩を理解するのは難しいということか。
登山者もビーコンを持て、とも言っていた。
もちろん、自分が雪に埋まった時、助かる為、ということもあるが、雪崩に埋まって死んだ後、お前を捜索する人間の立場を考えてみろ、ということだ。
もしビーコンを所持していない場合、捜索者は雪面をプローブでブスブスと刺して捜索することになる。
この作業は、100mx100mのエリアを20人体勢で捜索するのに要する時間は4時間かかるらしい。
人を埋めるほどの雪崩は、もっと規模がデカい。
その場合、捜索者は絶望的な作業を繰り返すことになる。
雪崩た風景を見て、そんなことを思い出しつつ進んだ。
↓
10:03熊穴沢避難小屋
熊穴沢避難小屋は、相変わらず雪に埋もれていたが、入口は掘り出されていた。
”10:00か…”
先月、谷川岳を訪れた時は、熊穴沢避難小屋に着いたのは、11:30だった。
今回は、いいペースでここまで来ることができた。
オキノ耳とはいかなくとも、トマノ耳までは辿り着くことができるだろう。
一息入れた後、前進。
ロープウェイ始発に乗れたこともあり、ここまで誰とも会わなかったが、熊穴沢避難小屋で一息入れていた時、スキーヤーが先行した。
彼はスキーブーツにアイゼンを着けずに、この斜面を登って行った。
我らも未だアイゼンを着けず、そのまま進んだ。
先月の谷川岳は、中途半端な斜面で断念したこともあり、同じ羽目にならないよう、この先は私なりに全力で登る。
肩の小屋につくまで、写真を撮る余裕はほとんど無かった。
途中で唯一、撮った写真。
トレースをまたいで、グライドクラック有り。
いつもの場所?
天神尾根を登ると、樹林が切れることによるが、森林限界上に至るといきなり突風に晒される。
今日は、雪が樹林を全て隠しているが、”いつもの場所”辺りに着くと突風に晒された。
この風に不安が募り、ようやくアイゼンを履いた。
ついでにピッケルも握った。
しばらく、この風体で歩いていたが、アイゼンの重みに足が耐え兼ね、空いている片手にストックを握りつつ登った。
天神平からずっとだが、融解と凍結を繰り返した雪は、硬く締まっている。
天神平より更に標高が上がり、風に磨かれた積雪は、アイゼンで踏みつけてもほとんど崩れない。
肩の小屋手前辺りでガスに巻かれる。
↓
11:29肩の小屋12:11
途中、降り側を望むと、7~8人の登山者が天神尾根を登ってくるのを確認していた。
時刻は昼飯時に近い。
この強風の中、ルート途上で飯を食うとしたら肩の小屋しかない。
今なら、この小屋を独占できるだろう。
また、私の登山経験では、オキノ耳まで足を伸ばすのは背伸びしすぎ、と感じてもいた。
そう思うと、時間はたっぷりあり、急ぐ必要はない。
急いだって、既にトマノ耳はガスに巻かれている。
そんなことで、先に小屋で飯を食うことにした。
中には、先ほど先行したスキーヤーの彼が居たが、入れ替わるように小屋を出ていった。
小屋脇にて。
氷の造形美!
所謂、「エビの尻尾」ですが、ここのは凄い!
氷の華か?それとも棘か?正に植物かのように生えていた。
さて。
外が賑やかになってきた。
小屋を譲るべく、ぼちぼち山頂へ向うか。
↓
12:20トマの耳
時計の気温計で-3℃。
北風強し。
山頂無人。
オキノ耳方面のトレースはしっかりと付いていた。
なんせ風が強い。
早々に下山。
↓
12:30肩の小屋
ここは、そのままスルー。
降るほどに、風、ガスから逃れることができる。
風紋。
シュカブラとも言うか?
西黒尾根に縞模様が刻まれていた。
尾瀬方面。
下界はこのように晴れている。
しかし、高峰にはガスが張り付く。
こっちはこんな感じだ。
先ほど、登りの登山者とすれ違った。
この時間で登り、ということは、肩の小屋泊りかな?
肩の小屋は、居心地の良さそうな小屋でした。
↓
13:30熊穴沢避難小屋
朝、Kにビーコンの使い方等を仕込んでいた時、スノーシューを履いていたが、変な感じで足を捻ってしまった。
捻った当初は痛みもなく、問題ないように思っていたが、ここにきて痛みが出てきた…。
麓の雪もガリガリで、スノーシューで降り斜面はちょっと怖かった。
踏み跡が多数有る中、せっかちに適当に足を置いた結果こうなった。
皆さん、雪山でせっかちはダメですよ!
そんなことで、ダラダラと降っていたが、ゴールが見えた。
これからゲレンデ脇の冬期コースを降る。
その脇では、どこかの雪山講習をやっていた。
やっていたのは、急斜面の雪面トラバース方法だった。
↓
14:18谷川岳天神平
無事、帰還。
時計の気温計で1℃。
今回は、登るつもりでなかった谷川岳ですが、なんとなくリベンジできてしまった。
N坂氏!
登っちゃってゴメン!
本日は寄道せず帰宅。