今まで使っていた、LEKI「SPDサーモライトXL」を息子に譲渡することにした。
後継ポールとして、ブラックダイヤモンドのトレイルプロを買ってみた。
付属品①(ティッププロテクター)
付属品②(パウダーバスケット)
EVAフォームエクステンショングリップ
不意に傾斜がキツイ場面に出くわした時やトラバース時等、ポールの長さを調節するのが面倒な時に使う下部の持ち手。
デュアルデンシティグリップ&360°パッディングストラップ
デュアルデンシティグリップ
このグリップの頭は”降り歩行時の突き上げを緩和する”との説明書き。
360°パッディングストラップとは、ストラップの内側は360°パッドで覆われていますよ、ということらしい。
このストラップの調節は、単に、ストラップを引くことでする。
LEKIのように、調節した位置をガチガチに固定するような機能はない。
*参考:エルゴングリップについて
とは言うものの、ストラップの調節は、それなりに力を入れなければできず、ユルユルというわけではない。
ストラップ調節時の”抜け”のバックアップとして、ストラップ末端はこのような形状としている。
重量
260g/一本(*トレッキングバスケット撤去。ストラップ込み)。
カタログデータ上では、502g/ペア、となっている。
フリックロックプロについて
ポールのロック機能は”フリックロックプロ”という名称でもって改善された。
旧タイプ(フリックロック)
旧タイプのロック機能は、樹脂製の固定具をヒンジでもって挟み込むようにしてシャフトを圧迫する、というものだった。
固定具が樹脂製なので、強い力でもって圧迫できない。
更に、レバーは小さく、強い力を入れるには不向きな形状だった。
これらの理由により、その圧迫はLEKIの”スピードロックシステム”と比較すれば、弱い力だったと思われる。
*参考:スピードロックシステムのホールド性能について
しかし!
今回、樹脂製から金具に変わった。
金具に変わったことで、シャフトに対して強い力でもって圧迫を加えることが可能となった。
また、強い力を加えることが可能となっているにも関わらず、その機能一式は旧タイプより小型になり、その小型っぷりは、LEKIのスピードロックとは比較するまでもない。
旧タイプでは、レバーを締めることにより固定具を挟み込むようにして圧迫を加えるタイプだったが、フリックロックプロでは、レバーを締め上げることで、ここに圧迫を加えることになります(二軸構造)。
シャフトに切れ込みが入っており、レバーを締めることでこの切れ込みを締め上げ、径が縮まる。
反面、旧タイプと比べれば、レバー操作は固くなった。
LEKIのスピードロックも固いが、同程度か?
ロック強度の調節は、このネジを回転させることでする。
このネジの操作は、ドライバーが必要となる。
例えば、コインは入らない。
シャフト径について
LEKIのトレッキングポールでは、カタログデータ上、必ず”シャフト径”が掲載されている。
それに対し、ブラックダイヤモンドでは掲載しない。
そんなことで、トレイルプロのポール径を確認してみた。
上段。
約15mm。
中段。
約13mm。
下段。
約11.5mm。
と、LEKIのカタログデータを信じるならば、LEKIのシャフト径16/14/12より細い。
なお、LEKIのシャフトの素材は非常に薄い。
特に、最下段のシャフトはそれが顕著になる。
参考までに、カタログデータ上、LEKI「SPDサーモライトXL」の重量は、
約520g(組)*現在のモデルは、約540g(組)
となっており、シャフト径がLEKIの方が太いのに係らず、重量についてブラックダイヤモンド「トレイルプロ」と遜色無い。
シャフト径が太いのに、重量に遜色無いということは、
- LEKIの方が、素材、技術が優れている証しなのか?
- それとも、径が細くなることを補う為、ブラックダイヤモンドでは、単に、素材を厚くしているだけなのか?
不明。
注意点!
シャフトは全て塗装でコーティングされている。
これのお蔭もあって、シャフトの伸長は非常にスムーズに行える。
しかし、シャフトを伸ばしきった際のすっぽ抜けについてはバックアップなし。
つまり、フリックロックでもってシャフトを固定せず、その状態でトレッキングポールをザックに固定する。
更に、ザックへの固定はグリップが上にある状態で為した、とする。
その場合、固定方法次第では、ポールの自重、及び歩行による動揺で、ロックを怠ったシャフトが落下する可能性があります。
参考までに、LEKIでは落下防止のバックアップ有り。
この樹脂製のパーツは、同時に蓋の役割りも為しており、シャフト内に異物が侵入するのを防いでいる。
ブラックダイヤモンドでは、”蓋”に該当する機能は無し。
まとめ
ブラックダイヤモンドのトレッキングポール、というものを、今回、初めて買ってみた。
昔話しとなってしまいますが…。
私が登山を始めた15年位前、トレッキングポールと言えば!まともなものはLEKIしかなかった。
いや…。
それどころか、当時、ダブルストックで夏山を登ると、”大袈裟だな~”と言わんばかりに、変な目で見られたのを覚えている。
ダブルストックのものほど、商品はLEKIが充実していた。
そんなことでLEKIしか使ったことが無かったが、昨今、トレッキングポールメーカーとしても確固たる地位を築き上げ、更に”Zポール”という新風を巻き起こしたブラックダイヤモンドはどんなもんか?興味を持った次第です。
各メーカー本国の国民性によるものか?全般、LEKIの方が細かい造りになっており、ブラックダイヤモンドは大雑把な印象。
それとも、ポールメーカーとしての歴史はLEKIの方が圧倒的に長く、そのノウハウにより技術が熟成されているということか?
レバー固定式ポールでは、”費用対効果”ということを度外視すれば、LEKIの方が優れている印象。
そう。
LEKIは高いんですよね~。
- SPDサーモライト XL:19,500円
- トレイルプロ:14,040円
ちなみに、本国メーカーサイトではこういうことになっています。
- SPDサーモライト XL:$159.95
- トレイルプロ:$129.95
更に、アメリカディスカウントネットショップ(Moosejae)では、このようになっています(2014.7.14調べ)。
- SPDサーモライト XL:$159.95(定価売りでした)
- トレイルプロ:$109.95
アメリカ本国においても、ブラックダイヤモンドは”安い!”という所に活路を求めている様子。
財布に余裕がある方は、LEKIの方がお勧め!ってことになるんでしょうかね~?
カタログデータ
スタンダードモデル、トレイルにフリックロックプロを採用したモデル。
【サイズ】63~140cm(収納時63cm)
【重量】502g(1ペア)
【材質】アルミ合金
【調整範囲】63~140cm
【収納サイズ】63cm
【付属品】ティッププロテクター
【価格】14,040円(*ブラックダイヤモンド「トレイルプロ」の最新相場はコチラ)