先日登った八ヶ岳でのこと。
既に冬山となっている南沢を行者小屋へと向かっておりました。
小屋に到着し、水を飲むべくハイドレーションのバルブをしゃぶると水が出ない。
更に強めにバルブを噛むと”ジャリッ”と音がしてようやく水が出てきました。
この日は登山口出発時の気温で-3℃ほど。
そんな中、行者小屋へと続く道は緩く、私のペースは遅く、ほとんど汗も掻かないので、行者小屋までの間、一度も水を口に含んでおりませんでした。
結果、開閉バルブが凍りついた様子。
”既に冬なのだ…”。
今回は、丹沢辺りにも雪が降り出す前に”魔法瓶”を新調してみた次第です。
開封。
魔法瓶を新調するにあたり、私が最重視したのが”重量”。
ネットで色々下調べしていると、この魔法瓶市場は近年のエコブームの波に乗り、各メーカー間でなかなか熱い戦いが繰り広げられていることを知りました。
日本で魔法瓶大手といえば…
- タイガー
- 象印
- サーモス
といったところでしょうか?
激戦区は、容量350ml前後,480~500mlの2サイズ。
職場へ持込み、”飲みきりサイズ”として適当なサイズ又は、一般に販売されているドリンクの容量は350ml、500mlが多く、そのドリンクを詰め替える、ということでニーズがある様子です。
しかし、両サイズを外し”もっと大きい容量の物はないの?”と探してみると、そのような商品は極端に少なくなり、現在売りにでているものの中では新商品はなく、結果、”軽量”の意味では旧商品並み、ということになります。
登山で使用する、というシチュエーションでは”飲料”としては350mlでは少々心許ない。
では、冬の登山においてどの位のボリュームがあれば足りるのか?
私、個人的な経験で言えば、”1.5L持ってって0.5L位余る”。
これは、飯を作るのに要する分も含んでいます。
つまり、結局1Lしか使わず、大抵はこれで間に合うのは解っているのですが、心配性の私は”念の為”いつも余分に持ち歩いています。
また、給水にハイドレーションシステムを利用しているので、この場合、水を飲む、というよりは、水を口に含む、といった使用方法となるので、自然と水分を摂る量が減っているかもしれません。
この現実に使用している1Lの内訳は例えばこんな感じです。
- カップヌードル:300cc
- インスタントコーヒー:160cc
- 結果、飲料として使ったのは540cc位、ということになる
この位のボリュームで済んだ山行は、直近ではこんなところです。
いづれの山行も私にとっては”楽”なものではない。
どの道、登山においても市販のドリンクを詰め替える、ということであれば、500mlの次は1Lになってしまい、600mlだの700mlのボトルをフル活用しようと思えば、中途半端にドリンクを残さざるを得ない。
結果、もう一方の激戦区、500ml容量の中から適当なものを選択することになると思いますが、この激戦区中、本記事作成時点での最軽量は”サーモス「真空断熱ケータイマグ/JNL-500」”で、その重量、210g。
他社同クラス最軽量品は以下のようになります。
- タイガー「サハラマグMMW-A048」:230g
- 象印「ステンレスマグSM-JB48,KA48」:各250g
上記各魔法瓶の容量は480mlとなっております。
ちなみに、私の過去の使用経験では、480mlでは500ccペットボトル1本をキッチリ収めることができず、その意味では使いづらいです。
*余った分はその場で飲み干せばよいだけですが…、”ちょっとでも多く入れたい!”との私の思いがこのように言わせます。
そんなことで、今回、私が購入したのは現時点で同クラス、世界最軽量と思われる”サーモス「真空断熱ケータイマグ(JNL-500)」”です。
外装は余計なデコレーションは無く、塗装は光沢を帯びカッコいい!
蓋の開閉は基本、プッシュオープンでワンタッチです。
そのプッシュオープンにはロック機構が備わっており、リングにより強制的に開くのを押さえます。
一般に、蓋の開閉はネジ式の固定のものが多く、蓋を回転させることで開閉を行いますが、JNL-500は上記のような方法となっており、これは、片手で操作する為の仕組みです。
ロックリングの固定は固くはなく、むしろ緩い。
リング上部は爪が引っ掛りやすい形状をしており、例えば、グローブを着けたままでもストレスはなさそう。
上でご説明したように、ワンプッシュで蓋の開閉が可能となっていますが、プッシュボタンを押すと”パカッ”と蓋が開く。
蓋が開く仕組みはバネ・スプリングによる反発ではなく、ゴムによる反発に頼っている。
この辺りは良く取れば軽量化に寄与している、と言える。
悪くとれば、極寒の地で使用することを前提で考えればゴムが硬化し、切れるかもしれない。
しかし、万一、このゴムが切れても蓋のロックに関与しているパーツではないので、飲料が漏れるということはない。
ただ、”パカッ”と蓋が開かなくなるだけのことである。
飲み口。
JNL-500は細身の本体ですが、”口”はそれなりに広く、付属の飲み口のお蔭で飲みやすい形状となっています。
分解。
付属のパッキン類は全て取り外すことができ、クリーニングも問題無し。
魔法瓶とは?
ところで、魔法瓶とは何ぞや?
私の場合、本記事を作成するまで、
”二重壁になっているボトル。中は輻射熱を利用するべく鏡”
この位の認識しかありませんでした。
しかし、よくよく考えれば、これだけの仕組みであれば、中に100℃の熱湯を注ぎ入れた場合、外壁にもっと熱を感じてもよさそうなものですが…。
それとも内壁と外壁の間に断熱材でも詰まっているのか?
その答えはサーモスホームページに掲載されていました。
コレ → http://www.thermos.jp/Aboutus/brand2011_03.html(魔法瓶のひみつ)
このページに記載されている二重壁に係る説明を一部抜粋しますと、
”外びんと内びんの間を真空状態にしています。真空は宇宙と同じで、水も空気もないため熱を伝えません。”
とある。
真空は熱を伝えない…。
とすれば、熱が伝わる部分は真空で覆われていない部分。
つまり、”口”部分のみ、ということになる?
そう言えば、住宅建材の”ペアガラス”はガラスとガラスの間が真空、って誰か言ってたな~!
しかし、太陽から生ずる熱は真空を通過して地球に届いておりますが…?
化学・物理の素養が一切無い私の理論はここで行き止まりです。
正に”魔法”瓶!
*サーモス「真空断熱ケータイマグ(JNL-500)」 の保温性能確認記事はコチラ:サーモス「真空断熱ケータイマグ(JNL-500)」について(保温性能確認実験)
カタログデータ
公園のベンチで気軽にコーヒーを飲んだり、通勤などの移動中にちょっと一息つきたいとき、またオフィスのデスクトップなどでも活躍するサーモスのケータイマグ。真空断熱の優れた保温・保冷性能が、どこでも楽しめる抜群の携帯性。バッグの中にすっぽり入れれば、ブレイクタイムはいつでも自由。
【品番】JNL-500
【容量(L)】0.5
【保温効力(6時間)】68℃以上
【保冷効力(6時間)】10℃以下
【口径(約cm)】4
【本体寸法/幅x奥行x高さ(約cm)】6.5×7.5×22.0
【本体重量(約kg)】0.21
【メーカー希望小売価格】5250円(本体価格5000円)(*サーモス「真空断熱ケータイマグ(JNL-500)」の最新相場はコチラ)
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
冬季は非常に役に立つ魔法瓶だと思います。
満タン時は、熱々湯が長時間保てますが、半分以下となった場合、容器内へ冷気が入るため、保温性が一段と弱まります。
使用実感レポートなど楽しみにしています。
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
tomさん>
おはようございます。
以前より魔法瓶を使用していましたが、それは12~13年前に購入したものです。
最近、寒くなったので棚の奥から引っ張り出してみると、なんとなくみすぼらしく、重く感じたので新調してみました。
魔法瓶は意外に使い方が難しく、山登ってみると実際は暑かったりして”こんな熱いもん飲んでいられるか!”なんてこともシバシバです。
とはいうものの、今年の冬は昨年同様、雪が多く、例年より寒い様子です。
寒い山でひもじい思いをするのもイヤですからやはり、私にとっては必携品です。
今年の年末年始は暇そうなので、使用感?実験?はその時にでも記事にしてみま~す!