冬場に使用するストーブについて。
私の場合、軽量化優先ということで”ガスストーブ”を昨シーズン以来、冬でも使用していましたがどうも最近パワー不足を実感させられるケースが多い。
特にこのところにきて丹沢辺りでも雪が降り、気温は氷点下を下回る。
丹沢辺りであれば新品のガスカートリッジを使用すれば、さほどストレスなく使用できるのですが、山行の度に新品のガスカートリッジを用意する訳にもいかず、中途半端なガスカートリッジを使用した場合、ケースによっては極端なドロップダウンが生じる。
当然ながら時間が掛り、待っている間体も冷えると、このところ不満を抱えていました。
その不満を解決するべく購入したのが”SOTO「MUKA STOVE」”です。
開封
流石にバーナー本体は小さく軽い!!
このストーブは、アメリカのアウトドア雑誌である「BACKPACKER」でエディターズチョイスに選ばれたとのことです。
私はこの「BACKPACKER」誌を読んだことはありませんが、どうやらアメリカでは権威がある様子で、このストーブの発売元である「新富士バーナー」が大々的にキャッチコピーで使用しています。
バーナーヘッド拡大
バーナーヘッド全体から炎が出る仕組みになっており、ムラなく加熱できそう。
収納状態
MSR「ドラゴンフライ」との比較
ガソリンストーブは以前より”MSR「ドラゴンフライ」”を所有していましたが、私においてこのストーブは”登山用”としてはその役割を終了しています。
その最大の理由は”五徳”のサイズ。
MSR「ドラゴンフライ」
SOTO「MUKA STOVE」
五徳に載せたコッヘルは”モンベル「チタンクッカー #1D」”。
このコッヘルの容量は900mlで、底の直径は10cm。
単独行の多い私はこのコッヘルを愛用しているのですが、MSR「ドラゴンフライ」の五徳にこのコッヘルを乗せた場合、乗るは乗るのですが引っかかりが少なすぎて落ちそう。
また、五徳のサイズに比例するのか?バーナーヘッドからの炎の輪は大きく、コッヘルの底をはみでてしまい熱伝導効率的にも悪い。
その点、SOTO「MUKA STOVE」であれば上記問題点は全てクリアされるという訳です。
燃料ホース
燃料ホースはこのようにグニャグニャに曲がり取り廻しは楽です。
しかし気になるのはこの部分。
グニャグニャに曲がるが故に、本体との接続部分に圧力が加わってしまう。
燃料ホースの外皮はステンレスで補強されているのでめったなことで切れることはないとは思いますが、このようにホースが折れてしまう位グニャグニャなので注意が必要です。
ホースがグニャグニャな理由を理解しました。
MSRの場合、燃料ポンプをポンピングした際、燃料ポンプの動揺がストーブ本体まで伝わってしまいますが、MUKAストーブの場合、ホースがグニャグニャ故に燃料ポンプをポンピングしてもその動揺はストーブ本体に一切伝わりません。
スマートポンプ
ヒューウェルポンプは大部分がアルミ製になっています。
なお、MSRはABS樹脂。
MSR「ドラゴンフライ」で以前にあったトラブルで、このプラ製のポンプがガソリンに浸食されたのか?ボロボロになったことがあります。
その点もSOTOであれば問題無し。
スマートポンプのホース先
スマートポンプから2本のホースが伸びており、その先にはキャップ状のものが付いています。
これは、ポンプ内に異物が入らないようにしているフィルターです。
新品時の”包装”ではありませんので、取ってはいけません。
なお、”SOTO”とはメーカーの名称ではありません。
このストーブを製造しているのは日本のメーカーで”新富士バーナー株式会社”であり、同社製品中”ストーブ”に対して称されている”ブランド名”です。
本体底面
ということで、久々に目にする”MADE IN JAPAM”と刻印有り。
この新富士バーナーのホームページを拝見すると、ユーチューブ動画で動作の説明をしています。
この動画を拝見すると、まるで自分がこのストーブを使用しているかのような実感を得ることができます。
私が最も興味を持ったのが”火力調節”の能力なのですが、この点についてはMSR「ドラゴンフライ」の勝ち。
MSR「ドラゴンフライ」の火力調節機能は絶妙で、その調節は敏感に反応し、トロ火~強火まで自由自在なのですが、SOTO「MUKA STOVE」についてはそういう訳にはいきません。
これは、火力調節のノブがポンプ側に有ることもあり、ポンプで火力を調整してもバーナーヘッドまで距離がある為火力調節に時間差が生じ、かつ、微妙な火力調節とまではいきません。
同様にポンプ側の操作により”緊急停止”の操作が可能ですが、ポンプ~バーナーヘッド間にあるホース内に残っている燃料が燃え尽きないと消えない為、消化までに時間差が生じます。
火力調節の点についてはガスストーブに慣れた方には、上記な訳で多少違和感が生じるかもしれません。
火力調整の点で少々長くなってしまいましたが、この問題は機能の一部であり、私がこのストーブに期待するのは4000kcal/hとハイパワーな点。
また、予熱不要(風が強いと予熱中に炎が消えることがある)というのも魅力的。
空気吸入口
この”予熱不要”を可能にしている仕組みがこの辺りにありそう。
このような仕組みはMSRのストーブにはなく、察するに、この口より空気を吸入しガソリンと混合して気化(ガス化)している様子。
最後にメーカー様にお願いが一つ。
SOTOの燃料ボトルのサイズバリエーションは700ml~です。
MSRの場合、325ml(これは燃料が入る容量。全容量は恐らく450ml位)から設定があります。
私がドラゴンフライを登山で使用していた時は、325mlのボトルを使用していたのですが、ボトル内の燃料を使い切ったことはなく、恐らく日帰り範疇であれば滅多なことで、燃料が足りなくなることは無いと思います。
MUKAストーブの場合、せっかく本体が小型軽量なんですから、ボトルが大きいと結局小型軽量ではなくなってしまいます。
カタログのデータを拝見すると、700mlのボトルでMUKAストーブを全開で燃焼させると1時間の連続燃焼が可能とあります。
ガスストーブの場合、1缶の連続使用時間が概ね1時間といったところなので、これを意識してのボトルサイズの設定なんでしょうか?
小型の燃料ボトルが売りに出ることを期待!!
*SOTO「MUKA STOVE」の火力確認実験結果はコチラ → SOTO「MUKAストーブ」について(火力確認実験 *VS.PRIMUS「P114ナノストーブ」)
カタログデータ
◎SOTO「MUKA STOVE」
点火時の予熱(プレヒート)作業が不要。自動車用レギュラーガソリンがホワイトガソリン同様に使える。
【寸法】幅135×奥行135×高さ80mm(使用時・本体のみ)幅80×奥行65×高さ80mm(収納時・本体のみ)
【重量】327g(本体+ホース:163g、ポンプ:164g)
【発熱量】4.7kW(4,000kcal/h) *1.
【使用燃料】自動車用レギュラーガソリン、ホワイトガソリン
※自動車用ハイオクガソリンはご使用できません。レギュラーガソリンをご使用ください。
【使用時間】4,000kcal/hで使用時約1時間、2,500kcal/hで使用時約1.5時間(自動車用ガソリン480ml使用) *2.
【材質】バーナー:アルミダイキャスト、ゴトク・スタビライザー:ステンレス、ポンプ本体・ダイヤル:樹脂、ポンプハンドル:真鍮(ニッケルメッキ)、ホース:フッ素ゴム(中)・ステンレス(外)、ピストンシリンダー:アルミ
【付属品】専用収納ケース、 風防、しゃ熱板、 メンテナンスキット
【価格】17,315円(税込)(*「SOTO MUKAストーブ」の最新相場はコチラ)
*燃料ボトルは別売です。
*1. 気温25℃無風状態で点火後から5分間の燃焼データより算出。
*2. 気温25℃無風状態で点火後から30分間の燃焼データより算出。
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メーカーがあるのですね。
最近までストーブって冬場は、特に気化しにくい事を知りませんでした。
どのストーブでもそうなんでしょうかね?そうなると自宅からポット持参して、登山前に再加熱して・・・それが最良のパターンですかね?
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行蔵さん >
こんにちは。
私の場合、山でストーブ使ってごはんつくってみたいんですよね~。
なんか、アウトドア満喫っていう感じで。
カップラーメンでもいいから作りたい。
そんな時にお気に入りの道具を使ってみたいだけなんです。
”雪にも負けない!!”そんな訳でガソリンストーブ、新調してみました。
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はじめまして。
火気類はどれを取っても、工夫されてて、それぞれの味がありますよね。
どれも欲しくなってしまう・・。
私はこのストーブが『世界一』と思っています。
私はドラゴンフライ愛用者で、ケースや五徳を工夫して使っています。(詳細はブログにあります)
いやー、道具ってホントにいいものですねー。
また遊びに来ます。
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目目連さん>
おはようございます。
コメント頂きありがとうございました。
そうですね~。
火力調節はガスストーブかのように使えて、その妙味はガソリンストーブ中ピカイチと思います。
燃焼中の爆音は他の登山者の注目を浴びますし…。
私も道具大好きです。
山へ行くために道具を買うのか?
道具を使うために山へ行くのか?
悩み所です!