日本百名山「常念岳」(三股より常念岳・蝶ヶ岳周回)

山行記録

◎2011.9.7(Wed) 天気:晴れ 気温:11.6℃~18.3℃

◎コース:04:54三股駐車場-05:08三股登山口-07:01P2207付近-09:05前常念岳-10:25常念岳-14:41P2664.3-14:53横尾分岐-15:23蝶ヶ岳-18:07まめうち平-19:46三股登山口-20:00三股駐車場 (行動時間:15時間6分)

◎標高差:1577m

合計距離: 19869 m
最高点の標高: 2842 m
最低点の標高: 1284 m
累積標高(上り): 2344 m
累積標高(下り): -2360 m

今週はN氏と共に、日本二百名山「櫛形山」へ向かう予定でした。
しかし、山行予定2日前の夜、事情によりキャンセルの連絡が入りました。
「ん?これは神の啓示では?」と、頭にすぐピンときました。
台風12号通過後のカラッ晴れは約束されているようなものであり、このチャンスを逃す手はない。
神様から「好きな処へ行っておいで」と言われていると直感しました。
そもそも、台風12号の影響で準備万端備えていた富士登山も延期。
その影響は甚大で、富士登山参加者も激減・・・。
その憂さを晴らすべく、神様からのプレゼント山行の場所を改めて考えてみると行ってみたい山は、

  1. 黒戸尾根ピストンの甲斐駒。
  2. 三股より常念岳を登り、蝶ヶ岳周遊。

いずれもハードコースですが、甲斐駒は常念岳に比べれば私の自宅から近めのこともありアプローチは悪くないものの、今回はアプローチの時間も含め、火・水連休で時間に余裕のある私は遠い常念岳へと向かいました。

と、いうことで三股無料駐車場到着は04:35。
三股無料駐車場

駐車場に到着すると、常念岳の人気故か?けっこう車が止まっており、概ね駐車率6割ほど。
見渡すと車中泊の登山者が多い様子。
さっそく準備に取り掛かるべく車を降りると、寒い
Tシャツではかなり心許く、時計の気温計を確認すると11.6℃。

ぼちぼち準備して出発。

04:54三股駐車場

三股無料駐車場

取りあえず出発しましたが、何しろ寒い。
まだ夏の延長のように思っておりTシャツ1枚で現場へ来てしまったので、カッパを羽織る。

05:08三股登山口

三股登山口

これから常念岳へと向かうべく、右へと進路をとる。

その道は、基本、P2207手前に至るまで急登が続き、常念岳の人気故か?登山道上の土の流出が激しい部分もあり、段差も急な個所が多いです。
DSCF1609.jpg

この間、あまり見せ場もありませんが、時より樹林の間より”蝶ヶ岳”を望むことができます。
蝶ヶ岳

07:01P2207付近

P2207手前

急登を登り詰め、ようやく平たいところに出てきました。

で、ちょっと進むと・・・。
常念岳

常念岳が見える。

前常念岳手前にて
DSCF1626.jpg

で、ドーンと蝶ヶ岳
蝶ヶ岳

本日の長野県は”快晴!!”。
のっけからこの眺望で、富士山もバックリ。
早く槍穂を見たく、ドンドン進みます。

前常念岳直下
前常念岳直下

前常念岳へと向かうにはこの岩の斜面をほぼ直登します。
ストックは役に立ちません。

前常念岳石室
前常念岳石室

09:05前常念岳

前常念岳山頂

更に進み、行く手を目視すると・・・。
常念岳

バックリ常念岳。

カッチョえ~。

常念小屋分岐
常念小屋分岐

私が所有する「山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳」は2003年版です。
これによると前常念岳より常念小屋へ向かう巻道があるのですが、現在は通行不可の様子。

10:25常念岳

常念岳山頂

時計の気温計で18.3℃。
カラッ晴れの中、ようやく山頂へ到着。

当然ながら、絶景が待ち受けていました。
神様、ありがと~

ドーンと、槍ヶ岳
槍ヶ岳

燕岳&横通岳
燕岳&横通岳

大天井岳
大天井岳

最後にドーンと、穂高岳
穂高岳

と、まるで図鑑のようにスッキリサッパリ写真に納めることができました。

今回のルートは、この時点で距離的に概ね1/3。
まだまだ先が長いのでぼちぼち出発。
で、蝶ヶ岳へと続く縦走路の出鼻は急斜面。

下から見上げるとこんな感じです。
常念岳

なお、この時点で私のスタミナ残量はほぼゼロ。
この斜面の下りで使い切ってしまいました。
後は惰性で進みます。

P2512
P2512

振り返って常念岳
常念岳

この斜面にやっつけられてしまいました。

P2512を過ぎると待ち受けるのはP2592間の鞍部の樹林帯。
DSCF1673.jpg

森林限界下となります。
で、P2592へと登り返す。

P2592
P2592

P2592に到着するとあるのは・・・
P2592

蝶ヶ岳撮影スポット。
で、またまた下り・・・。

蝶槍へと登り返す。
蝶槍

しばらく登ると、再び森林限界突破!!
蝶槍

で、ドーンと蝶槍
蝶槍

この”蝶槍”。
遠くから見ると、なんかチョビヒゲみたいで「え?これ槍っていうの?」という感じなのですが・・・。
鳳凰三山のオベリスクとまではいかなくとも、又は瑞牆山の山頂岩石群とまではいかなくとも、意外に迫力があります。

蝶槍頂上
蝶槍頂上

スタミナの限界を超えてしまっているのでここで休憩。

で、そこから見えるのは常念岳頂上からの眺望同様大絶景なのですが、常念岳から見える景色と違うのがこれ。
常念岳

そう、常念岳。
この尾根を右から左に登ってきたわけで、「よくぞ、こんなに登ってきたものだ」と、感慨にふける有様。
そんな私の感傷とは一切関係無しに、まだまだ線路は続きます。

松本市街&富士山
松本市街&富士山

14:41P2664.3

P2664.3

P2664.3は蝶槍のすぐ先に有ります。

で、そこから見えるのはドーンと蝶ヶ岳。
蝶ヶ岳

あともうチョット。

梓川
梓川

梓川が箱庭にあるようになってます。

14:53横尾分岐

横尾分岐

15:23蝶ヶ岳

蝶ヶ岳山頂

時計の気温計で15.2℃。
蝶ヶ岳山頂付近は別名「瞑想の丘」というそうです。

↑ 追申(2011.9.12)
瞑想の丘=蝶ヶ岳山頂と勘違いしていました。
当日は蝶ヶ岳山頂に立寄っておりません。

なるほど、瞑想とノンビリは違いますが、蝶ヶ岳ヒュッテは目の前で山頂にくるのは楽チンでここに来れば北アルプス南部は一望できます。
槍ヶ岳なり、穂高岳なり、山頂に立ってしまえばその山の全貌を目に納めることはできませんが、蝶ヶ岳にくればその全貌を目に納めることができる。
しかも小屋はすぐ目の前。
北アルプス南部に様々な山のピークがありますが、その中でも蝶ヶ岳は標高も低くピークを踏むのは優しい部類と思います。

正直なところ”優しい”という意味であまりピークを踏む魅力を感じていなかったのですが、実際に来てみると”北アルプス鑑賞ピーク”としては正に絶妙な場所にあることに気が付き、この山の魅力を発見しました。
そういう目で辺りを見渡すと、小屋泊の登山者があちらこちらに座り込んでノンビリ景色を堪能しています。

この時点でまだ行程の1/3が残っている私はノンビリできず先を急ぐ。

蝶ヶ岳ヒュッテ
蝶ヶ岳ヒュッテ

三股下山口
三股下山口

この時点で15:32。
ここから三股駐車場までのコースタイムは約3時間30分。
ガクガクの足を引き摺って下るので、もはや日没前に下山するのは不可能と覚悟しました。

18:07まめうち平

まめうち平

力水
力水

この写真撮影時点で19:15。
既に辺りは闇夜になっており、18:30頃よりヘッドライトを装着しています。

なぜ、ここでコメントを入れたか?
ここで本日最大の難所を迎えることになったからです。
この力水の出ている塩ビ管を中心に左右概ね20m位の幅で辺り一面涸沢になっていると思われます。
本来、涸沢になっていると思われる箇所がぜ~んぶ沢へと変貌しており登山道やら、踏跡やら全て消し去っていました。
写真標識中、右矢印で”三股”とありますが”右”は藪。
ガーミン”オレゴン450TC”でルートを確認すると、この”沢”の下流に登山道がある様子。
しかし、オレゴンに収録の”力水”箇所と現実の力水の場所が大分離れており、信憑性に欠ける。
しかも、この沢の下流っていったってそこらじゅう浮石だらけで下る気になれない。
そんなことでサンザン辺りをウロチョロしましたがラチがあかず、已む無く下流へ行くことに。
で、行ってみたものの沢の本流(本沢)があるのみで他なにも無い。
さすがに青くなりましたが、本流と並行している枝沢を歩いてみると石が浮いていない。
「あ、これ道だ!!」とようやく発見し、危機を脱出することができました。
*台風12号による降雨の影響で沢が増水していた様子です。

登りでこの道を使う場合は道を発見しやすい(力水の看板目当てに歩けばよい)ですが、下りで使う場合はいきなり登山道が消えた感じで戸惑います。
力水の看板記載の三股の方向は概ねとしては合っていますが、その方向に直接登山道はありません。
写真、力水の塩ビ管が伸びている方向(涸沢の下流)に進むと本沢があり沢と並行して登山道があります。
私が通過した時は、登山道が枝沢のようになっており一見すると道には見えませんが石が浮いていないので登山道と確認できます。
なお、枝沢は登山道のみでなく、本当の枝沢も本沢と並行しているのでタチが悪いです。
私の場合、夜中のことがあったせいか?赤ペンキ、テープ等目印は一切発見できませんでした。

ここで15~20分位、ウロチョロさせられました。

吊り橋
DSCF1722.jpg

100%ワイヤー製の吊り橋で、けっこう揺れます。
夜の吊り橋ってなんか不気味。

19:46三股登山口

三股登山口

20:00三股駐車場

三股無料駐車場

無事?帰還。
時計の気温計で13.8℃。

本日の行動時間:15時間6分
本日の延べ登降距離:2219m

1日の行動内容としては、いづれも私の過去の記録を塗り替える結果となりました。
神様からとても素晴らしいプレゼントをいただきましたが、その代償も大きかった様子です。

反面、昨年春頃の私は”ガラスの膝”と自認しておりましたが、今回の山行では膝は崩壊せず耐えきってくれました。

残るは黒戸尾根ピストンでの甲斐駒。
これもヤマレコでの記録を拝見しているとかなりのハードコースの様子ですが・・・。
今回の結果を見てみると不安でもあり、もう暫く様子をみて実行してみようと思います。

イヤ~、今回は疲れた

本日は寄道せず帰宅。

日本百名山「常念岳」(三股より常念岳・蝶ヶ岳周回)」 に8件のコメント


  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    私も同じ中高年として興味深くブログ拝見しています。(私はS30年生まれですが・・・。)
    私の場合、日本百名山制覇はとうてい無理ですが、少しづつクリアしていこうと思っています。
    九州の名だたる山は殆んど登りましたが、日本百名山となると地域的にかなり無理があります。
    これから時々訪問したいと思います。
    宜しくお願いいたします。


  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    tsurikichiさん>
    コメントいただきありがとうござきます。
    お題目で”百名山制覇”としておりますが、私の短期決戦型日帰り登山では九州、北海道の百名山を登るのは不可能なので”果して制覇できるか?”悩ましい限りです。
    そういえばブログのテンプレートが一緒なんですよね。
    私も過去、いろいろテンプレートを替えてみましたが、今使っているテンプレートが何故か?検索順位で上の方にくるので気に入って使っています。


  3. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    そちらの山に出かけられるのは年に1~2度程度です。
    その他の山はツネイチさんのブログで楽しむことにします。
    リンクに追加してもよいですか?


  4. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    tsurikichiさん>
    喜んでお願いします。
    こちらも”エンジョイ登山”リンク追加させていただきます。


  5. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    無事、登頂&帰還おめでとうございます。
    暗くなると、己の精神力を試されますよね。
    私はヘタレなので、焦ってしまいます。
    黒戸尾根ピストンでの甲斐駒ですか!!
    私もいつか挑戦してみたいですが、
    相当きついらしいですよね。
    レポ楽しみです~。


  6. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ラッセルマシーン1号さん >
    無事?登頂&帰還できました。
    今回は、こんなこともあろうかと私なりに早出をしたつもりだったのですが、結果はご覧のとおりです。
    せめて陽のある内に帰還できれば自信を持って黒戸尾根やっつけてみるところなのですが・・・。
    ブランク後のこの1年。
    ズッポリ山にはまっていますが、まだまだ修行が足らん様子です。


  7. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    この記事見て・・・・
    そそられましたので、突発的に反応
    して、北アへ行っちゃいました。(^O^)
    あんまし刺激しないでくださ~~い。


  8. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    山行蔵さん>
    そのお気持ちよく解ります。
    私も日々、ヤマレコを見て刺激されていますから・・・。
    しかしこの調子では、あっという間に冬になってしまいそうです。
    山に雪が付くまでフルスロットルで、ガンガン行きますよ~!!。
    取りあえず今晩富士山行ってきます。
    (山小屋は一軒も営業していない様子ですが・・・)

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください