初めに
一般登山道を歩いていて、不意に”危ないな…”と思うような場所に出くわしたことはありませんでしょうか?
- 傾斜が急で、濡れている又はアイスバーン化した岩場の登降
- スッパリ切れ落ちた崖際のトラバース
- 崩壊地際の通過
- 痩せ尾根通過
- クサリが抜けている
等々…、一言で言えば”落ちる可能性”があるシチュエーションです。
言い方を変えれば、絶対にヘマしてはいけないシチュエーションです。
これらの危険個所について、自分は許容範囲内でも同行者が竦んで動けなくなってしまう場合も考えられます。
絶対にヘマしてはいけないシチュエーションで竦んでしまうことは、本来の実力の半分も出すことができず、危険極まりないことは言うまでもありません。
一般登山道上であれば”整備”されており、上に挙げたような状況が頻繁に出てくるわけではないのですが、それでも、私の経験で言えば年に一、二度はこんな場面に出くわすようです。
そのような時、どのように行動するのか?
引き返すのか?同行者を置いていくのか?それとも”勝負!”を懸けるのか?
いづれの選択も不本意なこととなってしまいます。
私が危険個所に差し掛かった場合、多くは勝負を懸けて登っており、その数の分だけヒヤッとする。
また、同行者が竦んでしまった場合、なんとか助けてあげることはできないか?と脳裏を過りもする。
こんなことが数度続くと、その数の分だけ考えさせられる。
”これでいいのか?”
と。
そんなことで、ロープワークの講習を受けてきました。
そこで、簡単なロープワーク、及び複雑ではないシステムでも、様々なシチュエーションで安全を担保できることを知りました。
このページは、その講習の備忘録としてまとめたものです。
なお、ロープワークに係る記述がメインのページですが、登攀に使える道具、技術ではありません。
よって、滑落を停止させたり空中懸垂をするようなことが前提のものではありません。
あくまで、”一般縦走に役立つロープワーク”としてご参照ください。