カンプ「ブリッツ」について(概要)

縦走用に、軽く、疎水性のあるハーネスを買ってみた。

縦走用ハーネスを購入するにあたり、当初、ブラックダイヤモンド「クーロワール」を検討していた。
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パッドというものが無く、ほとんどテープのみで仕上がっているこのハーネスなら、例えば、水に濡れたとしてもほどんど吸水せず、水に濡れることによる影響は皆無であろうと考えていた。
その旨、店員さんにお話ししたら、”テープも水は吸いますよ”と言われた…。

”沢登り”というものに興味がある私は、そのことを念頭に置きつつ、縦走全般に使えるハーネスを探している訳ですが、その旨、相談すると”こっちの方がいいですよ”と出てきたのが、カンプ「ブリッツ」というわけです。
カンプ「ブリッツ」も水を吸わないわけではないが、疎水性が非常に高く、沢登りにもお勧めらしい。

着用。

軽量化優先か?ウエストベルトのバックルは一カ所で、要折り返し。
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レッグループのバックルは脱着式で、アイゼンを装着したまま脱着可能。
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ビレイループは、浮動式?とでも言うべきか?ウエストベルト装着時にウエストベルトをビレイループの輪に通してやる必要がある。
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これは、ビレイループにウエストベルトを通したところ。
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ビレイループをセンターに固定する仕組みはない。

なので、こんな感じでビレイループが動いてしまう可能性がある。
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“camp-usa”のホームページを拝見すると、この”浮動式”の理由について、”アイゼン、スキー板を装着しながらハーネスを脱着する為”とある。
なるほど、ウエストベルトからビレイループが外れ、レッグループも脱着可能ということであれば、このハーネスはあたかも”オムツ”のような形状になる。
このシステムにより、ハーネスを”履く”という作業から解放される。

ビレイループが浮動式で何か問題があるのか?
初心者の私の経験の範疇では、何も思い浮かばない。

このビレイループには”穴”が開いており、こんな感じでカラビナをセットしてもいいらしい。
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このようにセットできる目的は、カラビナが不意な方向を向かないようにする為とのこと。

結構きつく、ブラックダイヤモンドの大型カラビナ「ロックロックスクリューゲート」では、こんな傾斜で装着しても垂れ落ちることはない。
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レッグループのパッド。
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画像だとちょっと解りずらいが、このパッドは透けるほどに厚みと密度は薄い。
このパッドは、ウエストベルト背面側及びレッグループに採用されている。

当初検討していた、ブラックダイヤモンド「クーロワール」と最も違いが出る部分だ。
クーロワールのレッグループはテープで、ロープにテンションがかかる状況になれば痛そうな雰囲気がある。

ブリッツであればその点は解決されるが、しかし、試着でぶら下がった時、腰辺りに圧迫を感じた。
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この部分は、体に接する部分で最も細く、レッグループに乗った体重の圧迫も加わる。
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他、気付いた点。

ギアラックの間に、ループがある。
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このパーツの名称は不明。

こんな感じで使うらしい。
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最後に収納。
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収納サイズの比較用にグローブを並べてみた。
付属のスタッフバックのサイズは、このハーネスに対してはデカすぎる。
このバックの容量の半分も必要ない。

疎水性能確認

さて。
このハーネスの特徴である”疎水性”について、その能力を確認してみた。

まずは、乾燥時重量確認。
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275g。

後、スタッフバックのみ計量。
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45g。
結果、275g-45g=本体乾燥重量230g
ということになる。

後、グッショリ濡らす。
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後、一分間、吊るして乾燥。
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後、軽量。
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379g。

スタッフバック。
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結果、保水時重量は、379g-50g=329g

保水量は、329g-230g=99g

ところで、既に所有していた、ブラックダイヤモンド「モーメンタムDS」についても同様の確認をしてみた。

乾燥重量。
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359g-41g(スタッフバック)=318g

後、グッショリ濡らす。
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後、一分間吊るす。
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この時点で、明らかにカンプ「ブリッツ」とは違う。
水が滴る量が、ブラックダイヤモンド「モーメンタムDS」の方が明らかに多く、ずっと滴っている。

後、保水時重量計量。
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592g-45g(スタッフバック)=547g。

結果、保水量は229g。

以下に結果をまとめます。

カンプ「ブリッツ」 BD「モーメンタムDS」
乾燥時重量 230g 318g
保水時重量 329g 547g
保水量 99g 229g
保水割合 43.0% 72.0%

*保水割合=保水量÷乾燥時重量

データを並べてみたが、いまいちピンときていただけないかもしれない。
カンプ「ブリッツ」に染みた水を切る為に一分間吊るしたが、一分経過した時点で水の滴りはほとんど止んでいた。
それに対して、ブラックダイヤモンド「モーメンタムDS」は一分吊るしただけでは、水の滴りは止まない。
この辺りは、例えば沢登り中の”使用感”というところで大きく差が出てくるのかも知れない。

カタログデータ

超軽量のスキーツアー、雪山登山、沢登り、遠征用コンパクトハーネス。ブーツ、クランポンを装着したまま着脱可能です。4㎜厚の疎水性ポリエチレンパッドと軽量ポリエステルの組み合わせで速乾性の超軽量で快適なハーネスを実現しました。ウェットコンディションでも理想的なハーネスです。
【サイズ】S/A70-90 B53-63、L/A85-105 B58-68
【重量】219g(S)実測:230g(S)
【価格】8,500円(税別)(*カンプ「ブリッツ」の最新相場はこちら

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