谷川・武尊「大源太山」(旭原登山口より謙信ゆかりの道経由七ッ小屋山、大源太山周回)


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山行記録

◎2013.9.19(Thu) 天気:晴れ 気温:14~24℃

◎コース:07:28旭原登山口-07:38丸木橋-09:17シシゴヤノ頭-10:12 P1544-10:54七ッ小屋山山頂-11:59大源太山山頂-13:36渡渉点14:13-14:31丸木橋-14:44旭原登山口(行動時間:7時間16分)

◎標高差:約950m

合計距離: 11750 m
最高点の標高: 1674 m
最低点の標高: 651 m
累積標高(上り): 1473 m
累積標高(下り): -1346 m

”上越のマッターホルン”

このような異名を持つ山を皆さん、ご存じでしょうか?
その山の名は「大源太山」。
谷川岳連峰から続く山並みの北端に座する。

私がこの山の名前を初めて知ったのは、約1年半ほど前のヤマケイの誌面によるものだ。
3322-2

誌面に載っている大源太山は、ピンッと尖った特徴的な山容が雪に包まれ、なんとも神々しい。
”いつか登ってみたい!”と思っていたが、忘れていた。
それを思い出したのが、先週登った「巻機山」でのこと。
巻機山のはす向かいに座している「大源太山」を下山時に望んで思い出した。

思い出したからには、”登りたい!”。
今週、大源太山を登る為に休みをとり、久々に車中一人で登山口へと向かう。

現地、旭原登山口駐車場到着は07:15。
旭原登山口駐車場

時計の気温計で14℃。

ぼちぼち準備して出発。

07:28旭原登山口

旭原登山口

”涼しい!”
月並みな言い方ですが、山はもう秋だ。
空気もカラッとしており清々しい。
空は晴れており、ガスる気配すらない絶好の登山日和の中、出発。

本日予定のルートは、ここより”謙信ゆかりの道”を経てシシゴヤノ頭に這い上がる。
後、七ッ小屋山までマッタリとしたプチ縦走路を経て、締めで大源太山の鋭鋒に挑む!
そんなルートを予定しています。

まずは、樹林の合間を進む。
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07:38丸木橋

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ポイント名から察するに、古ではなにか橋のようなものが架かっていた様子ですが、現在はこれだけ水量・沢幅があるにも係らず、橋もなにもない…。

”これ渡るのがルートだよね?”

そんなことを考えつつ、辺りを見渡すと渡った先にテープ、トレースがある。
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覚悟を決め、ストックを補助にジャンプ!
気持ち登山靴を濡らし、クリア。
本日の前途が予想される…。

渡渉後すぐ、謙信ゆかりの道への分岐がある。
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ここはレールを右に曲げる。
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この後は暫し、シロクボ沢に沿って、沢音を聞きつつ谷戸を進む。

途中に水場有り。
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鬱蒼とした、暗い谷戸を進む。
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前掲画像のような急登もある。

これは、沢沿いルートを離れ、尾根ルートへと乗り換えんとしているところ。
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尾根ルートの途上にて。
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谷川連峰、万太郎山、仙ノ倉山の山並みを望む。

09:17シシゴヤノ頭

シシコヤノ頭

ここまで標高を稼ぐとほぼ、森林限界上となり、視界が効く。

これは、本日の目標「大源太山」。
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その背後には、日本百名山「巻機山」が控える。

これは、これから進むプチ縦走路。
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このマッタリとした稜線を、まずはP1544へとウネウネと進む。

後、左折し七ッ小屋山登頂。
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最後に大源太山の鋭鋒に挑む。
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と、こんな感じで、これから進むべきルートを一望の下にすることができる。

大源太山核心部アップ。
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*クリックで拡大可。

事前の下調べによると、画像右手の斜面の傾斜の方がはるかに急で、危険で怖いらしい。
下山時に使用する尾根も傾斜はキツク、痩せており、尾根両面はスッパリ切れ落ちている…。

”大丈夫かな…?”

まー、考えても仕方ない。

まずは、P1544へ進まなければならない。
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この稜線は遠目から見るとなんということも無い、気持ち良さそうな稜線歩きなのですが、暫く歩くとこのようになる。
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クマササが生い茂り、プチ藪漕ぎを強いられる。

足元のササは刈跡が残っている。
なので、道を違うことはない。
しかし…。
今日は視界が良く効き、目標を見失うことはない。
マッタリしている分、ガスって視界が効かないと、ちょっといやらしい、と思う。

基本はこんな感じで気分いい。
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また、藪…。
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前掲画像は私の目線位で撮影したもの。
ササの高さは私の肩には届かない。
これで、私の頭を越えるまで成長してしまえば、まるで、潜水艦のように進むことになる。

足元のササが刈られていることで、注意点。
スリップして地べたに手を着くような感じになってしまうと、ササの刈跡の茎が尖っている。
目に刺さないよう、要注意!

そんな羽目にならないよう、慎重に足元を確認しつつ進む。

来た道を振り返ってみる。
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こんな感じのクマササの藪を抜けてきた。

10:12 P1544

P1544

ここを右に曲がれば武能岳を経て、茂倉岳へ抜ける。
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私は左折。
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P1544以降は画像の如く、クマササに悩まされることはない。
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七ッ小屋山途上にあるP1569と、七ッ小屋山との鞍部に湿地があり、木道が敷かれている。
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山と高原地図によると、”池塘”とのこと。
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湿地を抜け、緩い傾斜を七ッ小屋山へと詰めていく。
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来た道を振り返ってみたりもする。
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今日の山は機嫌がいい。
天気が良すぎて怖い位だ。

いや~。
わざわざ、休みを取ってまで来た甲斐があった。

10:54七ッ小屋山山頂

七ッ小屋山山頂

時計の気温計で22℃。

本日のルート中、最高所に到着。

時間はまだ11時。
道々、行動食を口に入れつつここまで来た。
なので、腹は減ってはいない。
また、今日は一人なので、火器を出す気がしない。
そんなことで、ぼちぼち飯を喰ってもいい頃合いですが、残すルートは降りベースでコースタイム2時間半ほど。

山頂滞在もそこそこに前進。
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これは清水峠方面への分岐。
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ここを右に曲がれば、それに至る。

さて。

残すは大源太山のみ。
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大源太山頂へ至るには大きく降り、後、鋭く登る。

降る際は、遠目からは緩い傾斜にみえるが、その道は全て尾根直滑降。
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傾斜はまったく緩くない。

そんな感じで、2、3段位こなす。
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七ッ小屋山と大源太山の鞍部に到着。
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大源太山を見上げる。

更に進み、岩峰の基部に到着。
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まず、1段目とでも言うべき、こいつを登る。
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ちょっと上にロープが確認できるが、下部は補助無し。
慎重に登る。

2段目。
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ノッペラとした岩を登る。
手掛かりは少ない。
鎖はすぐ手が届くので、鎖を頼りに登る。

なお、浮石多し。
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しかも、デカい。
鎖使用中は真下に居ない方が無難。
”落石あるかも?”と、要注意!

3段目。
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こいつを登り切れば、山頂はすぐそこにある。
鎖を頼りに攀じ登る。

ちなみに、これら鎖場通過時の高度感はこんな感じ。
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当たり前ですが、落ちたら一巻のお終いです。

で、全ての鎖をようやく登り切った…。
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11:59大源太山山頂

大源太山山頂

時計の気温計で24℃。
山頂狭し。

今日は天気良すぎて…。
陽射しが強すぎる!
頭がクラクラする。

来た道を振り返る。
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いや~。
よく歩いた。

巻機山。
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先ほどの鎖を登り切り、ちょっと安堵した。
しかし!
まだ、安堵して緊張の糸を切らしてはいけない!

これから、この尾根を降らなければならない。
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遠目からみると、”たいしたことないじゃん”という雰囲気がありますが、私的にはこの降りが最も危険に感じた。

例えば、こんな光景です。
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登りであれば、なんということもない斜面ですが、降りでは、手がかり足がかりはほとんどない。
慎重に進む。

これも同様。
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ここでヘマすれば、下の下まで落ちてしまう。

これもヤバイ!
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先ほどもそうだが、こんな場面で、鎖等補助は無し。
已む無く、熊笹を頼りに降る。

ようやく森林限界下に至り、低木が目立つようになっても傾斜は鋭く、尾根直滑降で容赦ない。
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私は久々に、ここで膝崩壊…。

更に降り、完全に樹林帯に逃げ込み、滑落の恐怖から逃れても、相変わらず尾根直滑降で容赦してくれない。
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ロープが付くような傾斜が連続し、現実にロープは多数設置されている。
”ここはアスレチックランドか…?”
等と、脳裏を過りつつ降る。
このアスレチックランドはオヤジの肉体にはきつ過ぎた…。
これは、結局、大源太川に出るまで続く。

13:36渡渉点14:13

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ようやく、アスレチックランドを降り切った…。
降り切るのに、コースタイムの1.5倍位、時間を要してしまった。
この沢で泳ぎたい位、体が火照っている。

疲れ果てた私は、ここで帽子を脱ぎ捨て、ザックを降ろし、ザックからコッヘルを取出し、コッヘルに沢の水を汲み、何杯も何杯も頭にぶちまける。
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結果、泳いだのと変わらない位、服はビショビショになった。

動く気がしない私は、ここでついでに飯を喰うことにする。
飯といってもカップラーメン一杯だ。
しかし、塩気が抜けた体が塩を欲している。
カップラーメンを貪り食う。

食後にコーヒーを飲んでいると、先ほどまで暑くて仕方なかった体が冷えてきた。
ゴールまであと、もうちょっと。

ぼちぼち出発。
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まずは、この沢を渡渉しなければならない。
補助でロープは有り。

後、ガレた沢を渡る。
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この沢も梯子を使い、下に降りて対岸に渡る。
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14:31丸木橋

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また、これを渡らなければならない。
ストックを補助にしてジャンプ!
…沢に靴を思いっきり浸からせて通過

あとは、こんな感じの道があるだけ!
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あ~…。
ほっとする。

14:44旭原登山口

旭原登山口

無事、帰還。

時計の気温計で20℃。

最近思うんですけど。
ローカルな山の方が手強い!
名山系でも百名山より二百名山の方が手強い山が多いような気がする。
三百名山になれば、猶更だ。
名山系と比べて、整備が行き届いていない等、理由はあると思います。

本物のマッターホルンは知りませんが、上越のマッターホルンは、期待を裏切らず手強かった!
今日は完全燃焼!

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