どうも私は”被り物”が嫌いだ。
いや、嫌いもそうだが、常人よりも頭がデカい私は被り物が似合わずカッコ悪い。
そもそも、視力は悪くない私はメガネを購入したことも着用したこともない。
しかし、サングラスは雪山必携品と、それなりの知識を有し、更には携行していなかったことで痛い目に会いもしている。
そんなことで、残る雪山シーズンを快適に過ごす為に重い腰を上げ、ようやくサングラスを購入することにする。
今回は、サングラス選択の経緯からいきたいと思います。
サングラス選択の経緯
登山用サングラスを購入するにあたり、当初、私の頭に思い描いていたメーカーは「julbo」。
その風貌から「登山用」という強烈な個性を放っており、なんともカッコよい!!
数年前、登山用品店でコイツが展示されているのを見つける。
店員さんに試着を依頼し、かけてみると…。
まったくサイズが合わず、無理にかけようとするとテンプルが大きく歪みそう。
”やはり、そうか…”。
私の自尊心が傷つけられただけで終わりました。
そんなことを忘れていた昨年暮れの山行。
久々に雪目に見舞われる。
雪目がきっかけとなり、改めてサングラスを購入を迫られた私は、メーカーを「オークリー」に的を絞る。
オークリーなら、日本国内で多くの商品を展開しており、私のような日本人相手の商品もあるであろう。
で、さっそく調べてみると”アジアンフィット”なる、サイズを展開している様子。
更に、同メーカー商品中「WIND JACKET」なる商品に目が留まる。
このモデルのベースは「Split Jacket」で、同モデルに取り外し可能なガスケットが追加されたもの。
そのガスケットは”風防”の役割を担っており、風がグラス内に侵入するのをシャットアウトする。
あいにく、「WIND JACKET」については”アジアンフィット”の商品展開はないものの、かの!トム・クルーズが映画「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」で装着したものと同モデルとのこと。
不可能を超えろ!
私はこの映画を観た。
主演のトム・クルーズは人間であるが故に私同様、歳もとったが相変わらずカッコよい…。
私がこのサングラスに興味を持つ理由は上記だけで充分であろう。
私が同サングラスをかけてトム・クルーズを気取っていたら、トム・クルーズは泣くかもしれないが、やむを得ない。
確実に!
物を下見するべく、オークリー直営店を探すと幸い、私の自宅と同市内にある”ららぽーと横浜”に店舗展開している。
同市内とはいえ、遠方の部類に入る”オークリーストアららぽーと横浜”へさっそく出向き、目的の物もあり、試着。
「julbo」の時のようなテンプルからサイズが合わない、ということはない。
むしろ、程よく合う。
しかし、ノーズピースは鼻には乗らず、フレーム下部が頬骨に引っ掛ってとまっている。
店員さんは私の人相を見た時点で恐らく、”そうなるであろう…”と結果を見越していた様子で、すかさず「こちらをかけてみて頂けますか?」と提案受ける。
私はトム・クルーズのイメージで来店していたので、他のモデルには興味がまったくなく、この提案は不本意であったものの、試着してみるとノーズピースはシッカリと私の鼻に乗る。
他、違和感もほぼ無い。
このモデルが「RACING JACKET」。
同モデルは”アジアンフィット”で商品展開しており、結果、私の顔面にもサイズが適合した様子。
オークリーのHPで予め予習をしていた私は、”アジアンフィット”について尋ねる。
何が違うのか?と。
違いは”ノーズピース”のサイズだけ、だそうです。
これだけでの違いでフィット感が改善される。
しかし、トム・クルーズを捨てきれない私は、「そのノーズピースは「WIND JACKET」でなんとかならないのか?」と、更に店員さんに食い下がるもどうにもならず、「ガスケット(風防)が必要なのですか?」と尋ねられる。
雪山において、バラクラバを被りつつサングラスを装着すると、バラクラバ内部を経由して湿った息が吹き上がり、それがサングラスに付着すると結露を起こす。
この結露(曇り)防止にガスケット(風防)が有効なのでは?との期待はある。
また、ガスケットがあれば、簡易ながらゴーグル代りにならないこともない。
上記の件は、実地で使用した経験が当然ないので、この考えが妥当か判断しかねますが、トム・クルーズのことばかりではなく、これ位は念頭に置いていた。
有れば有ったで越したことはない、的なことを告げると、実は…。
「RACING JACKET」にガスケットの装着が可能とのこと。
これが決め手となり、ノーズがピッタリフィットする「RACING JACKET」をお会計…。
概要
今回購入した「RACING JACKET」はオークリーHPを拝見すると、スポーツ用サングラス中、CYCLE(自転車)用途と分類されている。
その用途から考えれば、風から目を守るガスケットが装着できる仕様となっているのはうなずける。
内容物はこんな感じ。
- サングラス本体
- ハードケース
- ソフトケース
- 交換用レンズ
- 交換用オークリーロゴチップ
- ストラップ
- USサイズノーズピース
ソフトケースの素材は、メガネクリーナーを兼ねており、生地の素材は絹のような?かなり目の細かいものとなっている。
USサイズのノーズピースは、店舗でアジアンフィットのものに交換しているのか?オマケのように同梱されている。
本体のレンズは”Black Iridium”。
付属のレンズは”Clear”と透明で、このレンズは紫外線を遮る効果がある、とのことで、このレンズセット内容はオリジナルのままです。
なお、サングラス購入時に”レンズは如何いたしますか?”と店員さんより問われました。
購入時に希望のレンズを選択し、差額が生じた場合は差額精算で良いようで、単純にレンズ単品を新規購入するよりは割安とのこと。
レンズについてまったく知識の無い私は、膨大な量のレンズ中、一つに絞り込むことは不可能と判断しオリジナルのままのレンズ構成です。
なお、オークリーのHP上で、各レンズの効果を確認することが可能です(ページ下部「レンズカラー」)。
*コチラ:http://jp.oakley.com/products/6989/26329&cm_mmc=www2--product_info--radarlock-_-top-pitch_link
レンズで特徴的なのは、このベンチレーター。
先日登った日光「雲竜渓谷」の際、このサングラスを着用してみました。
ガスケットにより密閉されたグラス内は、私の汗と体温により時折曇る。
しかし、サッーと風が吹けば、たちどころにその曇りを拭い去り、このベンチレーターは良く機能している様子でした。
更に重量。
39g。
上記重量は、本体+ストラップ+ガスケット、込みの重量となります。
最後にソフトケースについて、気になることが一点。
付属のソフトケースはサイズがピッタリ過ぎて、ガスケット装着状態だとその素材であるラバー材がケースに引っ掛り、よほど慎重に出し入れしないと、ラバー材がガスケットのフレームから外れてしまう。
同ソフトケースには交換用レンズも同時に収納できる仕組みになっているのですが、同レンズを収納していたり、付属のストラップを装着すると、更に難度が上がり、私の技術では収納できない。
「アジアンフィット」について
先ほどもご説明申し上げましたが、東洋人向けに設定された「アジアンフィット」なるサイズ展開があります。
まあ、”平面的な顔立ちの…”アジア人向け、ということのようなのですが、オークリーストアで説明を受けるまでは、同商品名でも、USサイズとアジアンフィットでフレーム形状から異なる、と思っていたら、そうではなく、ノーズピースの大小の違いのみです。
アジアンフィットのノーズピース。
USサイズのノーズピース。
既設のアジアンフィットのノーズピースを取り外そうとしたことろ、硬くてとれない。
購入早々、壊しそうだったので取り外しませんでした。
ちょっと見にくいかも知れませんが、ノーズピースのボリュームは倍程違う。
このボリュームあるノーズピースで、平面的なアジア人の鼻までノーズピースを届かせよう、とする作戦です。
「WIND GASKET」について
ガスケットは、
- O Matter®と呼ばれる樹脂フレーム
- Unobtainium®と呼ばれるラバー材の風防
の二点の部品で構成されている。
この”O Matter®”と呼ばれる樹脂は軽量性と耐久性に優れている、とのことですが、何と比較して、どの程度優れているのかは不明。
しかし、最薄部の触感は”ゼンマイの鋼”かのような弾力性と復原性を有し、実際、説明を拝見するまでは、”鋼”かと思っていました。
直接肌に触れる部分は、このラバー材。
裏面。
私は”ラバー”といっていますが、違う素材かもしれません。
表面になにか加工しており、ゴムのような粘着力がある。
結果、肌に吸い付くように密着する。
樹脂フレームと風防の接続はこの突起を…。
樹脂フレームに開けられている穴に引っ掛けることで行う。
樹脂フレームと風防の接点は、これら穴に突起を引っ掛けるだけですが、無理に引き剥がさない限りは、それなりに外れにくくはなっている。
このようにセットされているガスケットをサングラスのフレームに固定するには、このガスケットフレーム両サイドにある突起を…。
サングラスフレームとテンプルの繋目付近にあるこの穴へ差し込む。
これだけです。
左右二点の接点を接続すると、ガスケットフレームはノーズピース辺りとガッチリかみ合い、強固なものとなり、ガスケットフレームがずれてしまう不安は皆無です。
このガスケットの顔面密着度は、私の顔面では、下部と両サイドはほぼ密着(画像はフレーム下面より撮影)。
上部鼻筋辺りには隙間が開く。
これは”アジアンフィット”サイズのノーズピースの効果により、USサイズとの比較で言えばフレームが持ち上がっており(フレームが顔面から離れており)、結果、鼻筋上部に空間が生じる様子。
USサイズのノーズピースでフィットする方であれば、この隙間は空かない、若しくは影響は極々、小さなものとなる、と思われます。
また、サングラスフレームとガスケットフレーム間には若干の隙間は空く。
結果、ゴーグルのような密封性はない。
なお、「RACING JACKET」に「WIND GASKET」が装着できる、との文言はオークリーHP中で私は発見することができませんでした。
元々、装着できるものなのか?最近、装着できるように仕様変更となったのか?は不明。
なお、このガスケットについてはオークリーHP上では、「Split Jacket」用として販売されており、本記事中でご紹介しているガスケットと同品番(品番:16-990)となります。
「スウィッチロックテクノロジー」について
”素早く!”レンズ交換できるよう、「スウィッチロックテクノロジー」なるシステムにより、レンズの換装をスムーズに行うことが可能です。
手順は、
1.ノーズピースを上げる。
↓
2.フレーム下部を開く。
↓
3.レンズを引き抜く。
以上です。
装着はこの逆をやればよい。
慣れれば、30秒以内に換装完了。
しかし、冬期用のオーバーグローブを手にはめつつ、レンズ交換できるかな~。
力加減によっては、”2.フレーム下部を開く”で、ヒンジを壊しそうな気がしないでもない。
「レンズサスペンションシステム」について
レンズが納まる溝内部になにか?ウレタンのようなものが仕込まれている。
この仕組みは、”レンズの歪みを解消する”一手段のようです。
この、プラスチックでできたレンズがフレーム外からの圧力で”歪む”というのはどのようなシチュエーションなのか?素人の私はイメージできません。
しかし、この仕組みによりレンズはフレーム内で程よく遊びがありつつも、グラつくことはない。
この遊びのお蔭でレンズ換装の際、躊躇なくレンズを差し込み、フレーム下部を固定するべく締め上げることができる。
ストラップ装着
このストラップは内部にゴムが仕込まれており、伸び縮みする。
取付けは簡単!
ストラップ末端と、
テンプル末端を、
接続するダケ!
しかし、取り外しは容易ではない。
テンプルに開いた穴は深く、ストラップの突起は硬い。
ストラップを装着する際は、それなりに力を入れないと突起は穴をくぐらない。
結果、ストラップを取り外すには、ストラップ買い替え覚悟でないとできない、かと思います。
カタログデータ
“Science Wrapped in Art”‐サイエンスを優れたデザインというアートで包み込む‐という創業以来のブランド精神を忠実に守り、機能性とデザイン性、その両方から常識を覆すプロダクトを世に送り出してきたオークリーがリリースしたRacing Jacket(レーシングジャケット)は、その高い機能性と斬新なデザインでサイクリストを中心に人気を博したJawbone(ジョウボーン)を、細部に渡ってバージョンアップ。新たにスケールアップしたロゴや、よりフィットを向上させるストラップが付属するなど、Jawboneから更なる進化を遂げたスポーツスペシフィックアイウェア。 Racing Jacketの一番の特徴であり、その利点はSwitchlock™ (スウィッチロック)テクノロジーにある。初のスウィッチロック搭載モデルとして生み出されたJawboneのデザインを継承し、ノーズパッド部分にスウィッチロックを搭載したスタイルは、あらゆる障害物からプロテクトするべく、眼を覆うように大きめに設計された2眼式レンズにおいて、まさに最適なポジションに搭載されている。
【重量】39g(本体+ストラップ+ガスケット込み/実測値)
【価格】28,350円*Polished Black/Black Iridium&Clearセット。(*オークリー「レーシングジャケット」の最新相場はコチラ)