山行記録
◎2012.12.26(Wed)天気:晴れ 気温:-7.2~-3.9℃
◎コース: 07:38民宿「みはらし」-09:49山ノ神土-11:44東仙波-13:57二瀬分岐-14:24和名倉山山頂-14:54二瀬分岐-16:50東仙波-18:41山ノ神土-20:26民宿「みはらし」(行動時間:12時間48分)
◎標高差:約759m
最高点の標高: 2026 m
最低点の標高: 1254 m
累積標高(上り): 1355 m
累積標高(下り): -1400 m
今回の山行は今年の登り納め。
その登り納めに相応しい、キッツ~い山を選んでみました。
その山は日本二百名山「和名倉山(白石山)」。
単純標高差は1000mに満たないものの、何分、行動距離は20kmを超える。
また、最近の寒波の影響で、積雪も予想される。
ということで、朝っぱらから大月I.C.より国道138号線、県道18号線と2本の峠越えをこなし、現地、民宿「みはらし」到着は07:25。
時計の気温計で-5.7℃。
ぼちぼち準備して出発。
07:38民宿「みはらし」
今回予定のルートはズバッとピストン。
問題は先週末に雨が降ったこともあり、積雪状況。
ヤマレコで和名倉山の様子を窺うも情報は少ない。
已む無く、前後する甲武信ヶ岳、雲取山で様子を窺う。
それぞれ、2000m辺りの標高から推察するに積雪はあるものの、そんなにガッツリ積もっている、というほどではない。
そんなことで、本日の装備は雪山仕様。
夏道でのコースタイムは往復約11時間弱位。
雪山装備で荷が重いこともあり、また、積雪状況がよく解らないこともあり、取りあえず、コースタイム位で往復できれば上々といったことろです。
時間は既に7時半。
現時点で日没前に下山するのは”無理かな…?”と脳裏に浮かびつつ、登山口に到着。
登山口より山に入ると、さっそく路面凍結と残雪の出迎えを受ける。
本日の前途が予想される…。
更に登り、将監小屋へと続く林道と登山道の分岐に当る。
時間に余裕があれば”将監小屋”へ立寄ってみたい気もしますが、本日は時間的に余裕がない。
ここは、ショートカット道ともいえる登山道で上へと進む。
いや~。
本日は実に天気が良い!
樹林の合間より富士山を望む!
なお、気にしていた積雪量ですが…。
現在、概ね靴が埋まる位。
今いる標高でこの積雪量は私がイメージしていたよりも雪が多い。
この後、更に標高を稼ぎ、鹿避けフェンスを3つくぐる。
それぞれ、自らネットを開き、後、閉める。
ネットはポールに結ばれた紐をほどき、通過後に紐を縛り直す。
この作業が意外に?厄介で、手を抜き、トレッキングポールを手にブラブラさせながら作業するとネットがポールに絡みつく。
スノーバスケットを装着していたので、尚更絡み付き、この作業にイライラさせられる。
フェンス地帯を通り過ぎれば、その先にあるのが牛王院平。
ここまで登れば、ちょっと先が”山ノ神土”です。
↓
09:49山ノ神土
ここは、四方に分岐する山の交差点。
また、ここまで登れば基本、残るは稜線歩き(のハズ)。
更に、今までは樹林に覆われ眺望が利きませんでしたが、時折、こんな景色を見せてくれる。
画像の如く、樹林に覆われておらず、日当りの良い場所についてはほとんど積雪は無い。
が、ちょっとでも樹林で陰るとこんな感じ。
ここまで雪を踏みしめ歩いてきましたが、トレースは少ない。
先週末に雪が降っていた、とすれば恐らく、確認できるトレースは一人前のみ。
そのトレースのお蔭で、ほとんど何も考えずここまで来ましたが、何時の間にやらそのトレースも消え、獣のもののみとなる。
どうやら引き返された様子。
ここより先は僭越ながら、私が踏み跡を付けて回ることになります。
この先のルートは稜線歩きとなる。
小ピークを含めるといくつもあり、現在位置の把握がし辛い。
それら、小ピークの大抵はピークを踏まず、巻く。
リンノ峰(P1974)も巻き。
で、巻いていると樹林の合間より本日のゴール、和名倉山のマッタリとした山容を望む。
まだまだあるな~!
更に、直近の目標である”東仙波””西仙波”を望む。
あと、もうちょっと!
山ノ神土~東仙波間は”小ピークを巻く”と先ほどお話ししましたが、つまり、山腹をトラバースすることになる。
その道は北西側に傾斜しており、日当り悪く、積雪は多め。
例えば、こんな感じ。
大抵は降り側も樹林が濃く、滑落の不安はない。
しかし、樹林の密度が薄い個所もあるので若干、注意が必要かと思います。
雪はけっこう締まっており、私はアイゼン使用せず通過。
西仙波山頂
西仙波~東仙波間の小ピーク
この小ピークはちょっと曲者。
岩峰で岩がもろい。
足を置いた石が崩れました。
要注意!
なお、本日のルート中、この小ピークからの眺望が最も良かったです。
富士山。
毎度、ど~も!
甲武信ヶ岳方面。
東仙波。
今まで歩いてきた稜線。
帰り道でもある。
↓
11:44東仙波
このピークからは尾根が四方に伸びている。
その為か?前掲画像の如く、登山道を示すマーク有り。
ここより和名倉山へ向かうには北斜面を通過することになる。
結果を先に申し上げますと、この北斜面が最も積雪量がありました。
”遂に来た!”
といった感じで、概ね膝位まで沈む。
傾斜も急で、雪に埋もれつつ進む。
降りなので、このプチラッセルもなんということもありませんが、これを後で登らなければならない。
東仙波~二瀬分岐間もコツコツと小ピークが連なり、時にピークを踏みつつ、巻きつつ進む。
巻道については先ほどの山腹トラバース同様、大抵、降り側にも密度濃く樹林で覆われている。
が、一ヵ所だけこんな感じとなる。
慎重に進む。
また、この間は基本、ズーッと樹林に覆われ、眺望が利くところが少ない。
積雪に苦しめられていることもあり、鬱々と進む。
川又分岐。
登り側からは見やすいように道標が設置されていますが、降り時は見落としやすい。
で、この斜面を前にしてモーレツに腹が減った…。
前掲斜面は和名倉山の主稜線に乗る前の最後の斜面。
既に飯時は大幅に過ぎており、コースタイムからも大幅に遅れている。
少しでも背中の荷を軽くしたく、ここで飯を喰うことにする。
ソソクサと飯を済ませる。
更に、”後でどうせここまで戻ってくる…”。
カッコつけている場合でなく、ここに荷物をデポし山頂を往復することにする。
↓
13:57二瀬分岐
”山と高原地図”によると、ここより主稜線に向い、そのまま山頂へ向かうルートとなっていますが、現地に着くとそうではなく、主稜線に沿って下り側を進むルートが示されている。
登らなくて済む!
ありがたく、現地の赤テープを追う。
が、そのテープを途中でロスト。
已む無く、山と高原地図のルートを追うべく主稜線に乗ると…。
密林となる。
”こんなの絶対ルートじゃない!”と心中思いつつも、他にいいアイデアもなく、黙々と密林を進む。
で、山頂到着。
↓
14:24和名倉山山頂
やっと着いた…。
毎度のことながら、着いてみればなんということもない。
山頂を示す道標と三角点があるだけ。
特にこの山頂は樹林に覆われ、先ほど通過した密林中の一部をくり抜いたような場所で、眺望もなにも無い。
しかし、私にとっては久々にハードルの高い山行。
こんな山行にはこんな山頂の方がなんとなく似つかわしく感じる。
さて。
時間はといいますと、既に2時半。
登りに7時間も費やしてしまった。
今日は何時に下山できるやら…。
ノンビリする気にもなれず、一服入れた後下山開始。
今は山頂に居る。
云わば、”迷路のゴール”に居るようなものであり、下山は来た道を戻るのではなく、赤テープを追ってみることにする。
結果をまとめますと、ここでブチンと赤テープが途絶える。
*クリックで拡大表示可。
クドイ文章となっておりますが、今現在、現地には私のトレースしかないと思いますので、念の為、掲載。
↓
14:54二瀬分岐
無事、ザックを回収。
時計の気温計で-3.9℃。
今回はピストンなので、下山はアッサリいきます。
東仙波手前の小岩峰上。
岩場で三点確保で登る。
ここはこんな感じで切れ落ちている。
小岩峰上より東仙波を望む。
一日は早いな~。
もう、陽が暮れようとしている。
さて。
疲れ切った体にムチ打ち!
ラッセルに挑む!!
…で、ラッセルの残骸。
なんとかクリア!
↓
16:50東仙波
ここで一服入れていると、山に陽が沈む。
ここより先はヘッドライトの明りと自ら付けてまわったトレースを頼りに進む。
↓
18:41山ノ神土
牛王院平。
今までは雪が締っていたこともあり、アイゼンは使いませんでしたが、ここより先は傾斜が急なところがあり、また、林道はアイスバーンとなっていたのでモンベル「チェーンスパイク」を装着。
しっかし、来る時、こんなに雪が積もっていたかな~。
ザクザクと雪を踏みしめつつ降る。
で、ようやく林道に出た。
登山口まで多少距離があるものの、ここで事実上登山終了。
この後はノンビリ林道を降る。
↓
20:26民宿「みはらし」
無事、帰還。
時計の気温計で-7.2℃。
久々にやらかしてしまいました。
なお、本日初体験。
登山靴を脱ごうとすると紐がガチガチに凍っている。
林道下山中に徒渉が一カ所有り、沢水に足を突っ込んだのが原因と思われます。
話は脇道にそれますが…。
本日、谷村P.A.で「大」の用をたしていたところ…。
人が居る気配がないのに小便器の水が流れる音が聞こえる。
山中では、下山時に牛王院平で休憩していると、なにやらカタカタと機械が動くような音が聞こえる。
草木が風で揺れ、擦れたり、ぶつかっているような音ではない。
その後は微かに、何を言っているのか解らないのですが、ラジオが鳴るような?小言で話をしているような?そんな音が聞こえる。
私は魑魅魍魎の類を信じるほどウブではありませんが、なにやら気味が悪い。
これが世に言う”幻聴”か?とも思いましたが、本日は最悪、ビバークもあり得ると考えていた為かなり厚着で、足指先を除き、まったく寒くない。
休憩の度にコツコツ行動食を摂っていたので腹もへっていない。
多少、疲労しているものの、疲労困憊というほどでもない…。
これらの原因は不明。
本日は寄り道せず帰宅。
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がっつり行きましたね。
暗くなってからの行動はしたことが
ありませんが、やっぱり怖いですね。
何かでるかもしれませんし・・・
山ってそのての話はたくさんありますよね。
自分は遭遇したくないです・・・
来年もよろしくお願いします。
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ブルさん>
夜の山歩きはけっこう刺激的で、”夜なら夜でもいいか!”っていう感じで、たまに計画立ててみたりしてます。
岩場はカンベンですが、フツーに登山道歩いているだけならGPSは神様です!
こちらこそ、来年も宜しくお願い申し上げます!
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不可思議な音や話し声はおそらく・・・将監小屋の軽トラじゃないですか?
前に泊った時、あの林道を夜に走って行ったことがあって。擦れ違わなったなら後ろか前をラジオ付けて走ってたんじゃないですかね。
もし林道や下の方だったら・・・いやですね。
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busclimbさん>
コメント頂きありがとうございました。
不可解な”音”が聞こえたのは下山時に”牛王院平”で休憩中のことなので将監小屋より上部です。
ここで遠くから人の話声のようなものが聞こえ、闇夜に係らず”誰か登ってくるのか?”と思い、しかし、待っていても声は近づいてこず、不審に思いました。
busclimbさんの言われるとおり、林道を軽トラが走っていたかもしれません。
でも、時期は12下旬と、将監小屋営業期間外で、時間も19:00頃。
この時期のこの時間、車が林道を行き来することは滅多にないかと…。