以前に「お泊りセット」をパッキングした際、その延べ重量について考えされらるものがありました。
*「お泊りセット」重量確認記事はコチラ → モンベル「バランスライト40」について(実容量確認)
その延べ重量10kg超!!
”この重量は問題あるな・・・”と感じた私は、ウルトラライトハイキング専門の登山用品店”ハイカーズデポ”のホームページを拝見してみる。
同ホームページの文中にて、調理器具について”お湯を沸かすぐらいじゃありませんか?”と問いかけられた私は、”そうでもない”と思いつつも、お手軽かつ安価に軽量化できる可能性がある”火器”について、まず、検討してみました。
具体的には、冒頭掲載のグッズを購入してみた次第です。
”火器”をアルコールバーナーに変更しても問題ないようであれば、装備重量は以下にように変化します。
装備品 | 現行 | 改定 | ||
装備品名 | 重量 | 装備品名 | 重量 | |
ストーブ | プリムス「P114ナノストーブ」 + プリムス「PG-110小型ガス」 + プリムス「カートリッジホルダー」 |
281g | トランギア「アルコールバーナー」+ エバニュー「ALストーブ用チタン十字ゴトク」 |
126g |
コッヘル | モンベル「チタンクッカー #1D 」 | 190g | 廃止 | — |
カップ | モンベル「チタンカップ450」 | 70g | 同左 | 70g |
合計 | 541g | 196g |
約350g軽量化できる。
この重量差が大きいか小さいか?
アルコールバーナーの使い勝手も判断材料とすれば一言では言い切れませんが、単純に重量のみの話であれば350gの重量を”削る”という効果は大きい。
例えば、カッパの上着やカメラを持たないのと同等の効果を生み出すことができる。
トランギア「アルコールバーナー」について
アルコールバーナーについて、いろいろ調べているとアルミ缶で自作される方が意外に?多い様子です。
むしろ、”コア”なアルコールバーナーファンにしてみると、自作することで更なる軽量化が達成できる上、自分好みの形状に加工したり、火力の強弱、燃費の良し悪し等、調整して楽しんでいる様子。
私の場合、原料がアルミ缶では”潰れやしないか?”不安ですし、上手く作れる自信もないので自作はパス。
市販物でいうと、トランギアの競争相手は”エバニュー”のアルコールバーナーが該当する。
エバニューでは”システム”物に力を入れており、アルコールバーナーのみならず、ポット内に納まる風防・ゴトクがセットになった商品構成が充実している。
素材もチタンで、500ccポット込のセット重量は175gと驚異的に軽い!!
しかし、セット価格は1万円超と、ガソリン・ガスストーブと価格的に変わらず、お手軽ではない。
また、ストーブ本体に”キャップ”が付属しておらず、例えば現実の使用においては燃料ボトルを別で”必ず”持ち歩く必要がある。
トランギアであれば、バーナー本体をキャップで蓋をすることができる。
予め本体内に燃料を入れて置き、キャップを閉めて持ち運ぶことが可能となります。
*取扱説明書によると、アルコールを入れたままの保管・運搬はNG。
これらの事情により、ストーブ本体の重量は多少重くなるもののトランギアを選択しました。
なお、このトランギアのアルコールバーナーの燃焼の仕組みはこのようになっています。
エバニュー「ALストーブ用チタン十字ゴトク」について
いづれのメーカーのアルコールバーナーでも、なぜか?本体とゴトクが一体となっていない。
アルコールバーナー本体自体はあくまで”熱源”であり、別でゴトクを用意する必要があります。
この”ゴトク”についてもいろいろ調べてみると、市販物中、最も”軽量・コンパクト”なゴトクが前掲画像で紹介している”エバニュー「ALストーブ用チタン十字ゴトク」”です。
エバニュー製ですが、このゴトクをトランギアに応用できる。
素材はチタンで、更に、そもそも軽量なこの素材を肉抜き加工している極め付きです。
2枚のプレートをこのように十字に組合せ・・・。
トランギアのアルコールバーナーに乗せる。
すると・・・。
ピッタリサイズ!!
なお、ピッタリサイズ故に、バーナー上に火力調節用のキャップを装着した場合、ゴトクはハマりません。
更に、”モンベル「チタンカップ450」”をゴトクに乗せてみるとこんな感じとなります。
更に。
仕事が終わり、既に自宅でビールを飲んでいた私は、バーナーに燃料を注入し火を点けてみる。
意外に?しっかり燃焼しており、火力が弱いという感じは受けない。
で、目の前に在る焼き鳥の缶詰内の脂が凝固していたので、ゴトクにかけてみる。
う~ん!
なかなか素晴らしい!
瞬時に脂が融け、缶詰の美味さも倍増しました。
なお、これらの操作について”箸”は必携品と感じました。
例えば、火を消火する為にはまず、ゴトクを外さなければなりません。
当然ながら”消火”なので火が燃えているところで作業しなければなりませんので、素手では熱くて持てませんし、焦ってゴトクを取り除こうとすれば、ついでにバーナー本体をひっくり返し、燃料を辺りに巻き散らし、それに引火して”火事”なんてことも大いに有り得る。
東洋人の特権である絶妙な箸使いでそれらの作業をこなせば問題ない、と思われます。
今までも山行時に”箸”を持参していたのですが、装備の軽量化達成の為、プラのスポークに変更しようと検討していました。
しかし、プラでは融けてしまいますし、フォークではシビアな操作はできないので、スポーク変更案は却下。
最後に収納。
モンベル「チタンカップ450」内に収納しています。
アルコールバーナーについては、程よいクリアランスを有しつつ収納可。
ゴトクについては、カップ上部を僅かにはみ出る。
モンベル「チタンカップ450」に蓋や収納袋があるわけではないので、仮に収納できても、パッキング的には問題があります。
懸案事項
この”アルコールバーナー”というカテゴリー。
私は小学校の理科の実験以来使ったことが無い、と記憶しているのですが・・・。
”アルコールバーナー”のデメリットについて、パッと私が連想するのは、
- 風に弱いのではないか?
- *耐風性能実験はコチラ →
- 火力が弱いのではないか?
- *火力確認実験はコチラ →
- 水は大丈夫か?(例えば、雨中での使用の場合や、燃料が露出しているので燃料への水の混入等)
- 燃料がこぼれ易い(これは燃料が露出している故の現実。うっかりひっくり返しちゃうとか。)
- バーナー本体はどの位加熱されるのか?(これは、取扱説明書的にはNGですが、例えばテント内で使用した場合、テントフロアーへの影響等)
といったところです。
これらの問題点については慣れている人に言わせれば、恐らく、”それは、あなたのスキルの問題でしょ”と言われてしまいそうですが、順次、これらについて確認してみたいと思います。
カタログデータ
◎トランギア「アルコールバーナー」
半世紀以上のロングセラーを誇るアルコールバーナーです。アルコールタンク2/3の注入量で、約25分間燃焼します。風や低温に強く、着火も簡単です。
【使用燃料】エチルアルコール、メチルアルコール
【重量】110g
【収納サイズ】φ7.5×H4.5cm
【価格】2310円(税込)(*トランギア「アルコールバーナー」の最新相場はコチラ)
◎エバニュー「ALストーブ用チタン十字ゴトク」
【サイズ】幅9.6×縦2.8㎝
【質量】16g
【素材】チタニウム製
【原産国】日本
【価格】1050円(税込)(*エバニュー「チタン十字ゴトク」の最新相場はコチラ)
五徳使用でトランギアにクラックが入りアルコールが漏れます
yuさん>
コメント頂きありがとうございました。
さっそくトランギア確認してみました。
私のトランギアは問題ないようです。
他、クラックについてググってみました。
ご指摘のように、クラックが入る事例はあるようですね。
どうも、本体と火口の溶接部分が弱いようです。
確かに、溶接部分に火に炙られた五徳の金具が接するので、溶接部分に熱が伝わりやすく、クラックが入る可能性はありそうですね。
情報ありがとうございました。