雪山シーズンも終わりつつあり、暫し、SOTO「MUKAストーブ」もお蔵入りとなります。
その前にこのストーブの火力を確認してみました。
比較の材料として引張りだしてきたのが”PRIUS「P114ナノストーブ」(カートリッジはIP-250Uウルトラガス)”。
そもそも「MUKAストーブ」を購入した経緯は冬期におけるガスストーブのドロップダウンに不満を持った為でした。
今回の実験場所は室内につきガスストーブのドロップダウンの心配はなく、この環境でガソリンストーブとの間で明確に火力に違いが生じるか?
これを確認してみたいと思います。
室温は20.6℃。
実験方法は私愛用のコッヘル(底辺:10.4cm)にミネラルウォーター555ccを入れ、その沸騰時間の確認とります。
まずは、”SOTO「MUKAストーブ」”から。
↓
で、沸騰。
沸騰に要した時間:3分6秒。
次は”PRIMUS「P114ナノストーブ」”。
↓
で、沸騰。
沸騰に要した時間:2分36秒!!
プリムスの方が若干早く沸騰しました。
ところで、化学・物理の素養がまったく無い私は”Kcal/h”について調べてみると、
1Kcal/h=1Lの水を1時間に1℃上昇できる熱量
との説明書きを見受ける。
正直なところ初めて知りました。
と、いうことは?
- MUKAストーブの火力:4000Kcal/h
- ナノストーブの火力:2300Kcal/h
と、カタログデータで表示しているので555ccの水の沸騰時間を単純に換算すると・・・、
- MUKAストーブ 1時間で沸騰できる水:40L → 1Lの水を沸騰させるのに要する時間:90秒 → 555ccの水を沸騰させるのに要する時間:49.95秒
- ナノストーブ 1時間で沸騰できる水:23L → 1Lの水を沸騰させるのに要する時間:156.5秒 → 555ccの水を沸騰させるのに要する時間:86.85秒
*水が0℃だった場合。
となるはずです。
が、現実はそうではない。
これは水を沸騰させるのにコッヘルという媒介があるのが大きな原因と思われますが、その”素材”もさることながら、底の面積の大小も大きな原因と思われます。
MUKAストーブの場合
ナノストーブの場合
上の画像はそれぞれのストーブの出力を”全開”にして燃焼させたものです。
MUKAストーブの場合、出力全開にすると炎がコッヘルの外周を超えてしまっており、火力にムダが生じています。
反面、ナノストーブについては炎がはみ出してしまうのは僅かで、かつ、火力の中心はコッヘルセンター部分に集中しており、ムダがない。
このバーナーヘッドの形状により、”このサイズのコッヘルでは”ナノストーブの方が若干性能が上回った様子です。
クドク申し上げれば、底の面積がもっと広いコッヘルであればMUKAストーブの方が沸騰時間は早いと思いますし、実験で使用したコッヘルを使用するのにMUKAストーブを出力全開にするのは”燃料のムダ”ということになります。
また、気温も大きく関係しており、ガスカートリッジの場合、気温の低下による蒸気圧の低下や、中途半端な残量のガスカートリッジの場合ではプロパンガス・ブタンガスのMIX割合も関係します。
*プロパン・ブタンガスMIX蒸気圧参考:http://www.kagla.co.jp/support/data/04.pdf
これまでのお話しは”水を沸騰させる”という一点のみについてお話しいたしましたが、”調理”ということになりますと、ナノストーブでは注意が必要な点があります。
炎が一点に集中するあまり、底内側が焦げやすいです。
要注意!!
SOTO「MUKAストーブ」おまけネタ
上でバーナーヘッドの形状による効率についてお話ししましたが、MUKAストーブの炎の形状はこのようになっています。
バーナーヘッドの面は広いですが炎がほぼ垂直に立ち上がり、センターに炎が集中し、ムダが無さ気。
以前に使用していたMSR「ドラゴンフライ」の炎の形状よりは私の好みです。
ドラゴンフライの場合、バーナーヘッド=プレヒートのプレートになっており、このプレートの形状の関係で炎がセンターに集まらず、炎をコッヘルの外周部分に当てることになります。
当然ながら、小さいコッヘルを使用した場合、炎の大部分が外周を超えてしまい効率が悪い(故にMUKAストーブを購入した訳ですが・・・)。
ご参考まで。
*SOTO「MUKAストーブ」の概要記事はコチラ → SOTO「MUKA STOVE」について(概要)
*PRIUS「P114ナノストーブ」の概要記事はコチラ → プリムス「114ナノストーブ」+「IP-250U ウルトラガス」について