日本百名山「谷川岳」(天神尾根よりトマの耳まで)

山行記録

◎2012.10.24(Wed) 天気:曇り後降雪 気温:0.1~11.2℃

◎コース:07:48土樽登山口駐車場-08:13土樽駅08:29===08:16土合駅-09:22谷川岳ベースプラザ-09:55谷川岳天神平-10:45熊穴沢避難小屋-11:58肩の小屋-12:06トマの耳12:47-12:51肩の小屋-13:38熊穴沢避難小屋-14:38谷川岳天神平(実質行動時間:4時間51分)

◎標高差:約644m

合計距離: 24865 m
最高点の標高: 1957 m
最低点の標高: 587 m
累積標高(上り): 1569 m
累積標高(下り): -924 m

*天神平~トマの耳間の延べ行動距離:約6.4km

今回の目標は、谷川岳。

”冬”を前に、私の能力では冬では登れないこの山へと向かった次第です。

この山は数々の小説・映画の舞台となっており、その際、必ずセットで出てくるのが”土合駅”の地下から昇る長い階段。

”この山だけは電車で現地へ向かいたい!”

以前より、そのように考えておりました。
しかし、私の自宅がある横浜から電車で土合駅へと向かおうとすると、えらい時間がかかる。
そこで私が思いついたのが、”隣駅に駐車して土合駅へ向かう!”というものです。

色々調べていると、駐車って言ったって駐車場が駅の近くにはない。
ようやく見つけたのが関越トンネルを越えた先、土樽駅側でした。

そんなことで、土樽登山口駐車場到着は07:44。
土樽登山口駐車場

時計の気温計で11.2℃。

今回同行は、今年の富士山を供にしたM杉氏。

ぼちぼち準備して出発。

07:48土樽登山口駐車場

土樽登山口駐車場

関越トンネル手前では晴れ間が覗いていたものの、越えると空には雲が充満している。
駐車場に着くと、北風が強く寒い。
北より雲がバンバン谷川方面へと押し寄せてくる。
時より雲の切れ間から見える山腹は霧氷が張り付いたか?白いものがチラホラと見える。

本日の群馬県の天気予報は曇り時々晴れ。
正午過ぎより雲がとれる、と予報されていました。
現在曇りがちなこの空も昼には晴れるだろう、と楽観しつつ上越線「土樽」駅へと向かう。

上越線の詳細を私は知りませんが、少なくとも土樽駅~土合駅間は一日5本(ないし6本)のみ運行していることはチェックしている。
私が乗りたい電車は土樽駅08:29発。
それを乗り過ごすと次の電車は、12:16。

ソソクサと足早に駅へと向かう。

本日予定のルートは、

  1. 上越線「土樽」駅より「土合」駅へ電車で移動する。
  2. 天神尾根を経て山頂登頂。
  3. 後、一ノ倉岳、茂倉岳とプチ縦走。
  4. 茂倉新道で下山し土樽登山口駐車場に帰還。

そんなルートを予定しています。

08:13土樽駅08:29

土樽駅

無事、駅に到着。

土樽駅は無人駅。
上越線「土樽」駅

改札脇にノートが置いてあり、この駅を訪れた方々のコメント等が記されている。
乗車賃は、電車に乗ると車掌さんが回収に来ます。

…なんか懐かしい。

私にとって最も身近な電車は京浜急行なのですが、私が子供の頃、乗り越し料金の精算等、こんな風に車掌さんが電車内を廻っていました。
そんなことが頭に浮かびつつ、電車は長いトンネルへと入る。

08:16土合駅

上越線「土合」駅

長いトンネルを抜け、「土合」駅に降り立つ。

“?”

地下でない…。

面喰った私は”こんなハズはない!”と駅構内をウロチョロしていると…。

発見しました!!
上越線「土合」駅

”日本一のモグラの駅”と自ら名乗っている「土合」駅。
そのモグラの巣があるのは「下り」線路のみ。
先ほど私が降り立ったのは「上り」線路の「土合」駅、という訳でした。
本日予定のルートでは「土合」駅に再び立寄る予定はない。

では!!

ということで、この長い階段を降る。
上越線「土合」駅

後、わざわざ登り返す。
その高低差、70mほどあります。

09:22谷川岳ベースプラザ

谷川岳ペースプラザ

谷川岳にはロープウェイが付いている。
ここは”使える交通手段は使う”という私の登山流儀に従い、ロープウェイに乗ることにする。
乗場前に山頂案内看板が設置されており、本日の状況は、

”初冠雪”

とある。
また、”積雪3cm”とも記されている。

昨晩降った雨は山では雪になっていた様子。
しかし、標高2000mに満たない谷川岳。
”昼になって陽が出れば全て融けちゃうでしょ”と、楽観しつつロープウェイに乗車する。

09:55谷川岳天神平

谷川岳天神平

横浜を04:00に出発してようやくここに至る。
空は前掲画像のように晴れ間が広がる。

しかし、標高2000m近くある峰々の山頂は全て雲の傘を被っており、それは谷川岳も例外ではない。
288-11.jpg

使える交通手段を使い切った私達は、更に、天神峠へと続く”リフト”も乗ってしまおうか?と脳裏を過りましたが、それは止め、ようやく本題へと入る。
288-12.jpg

まずは、熊穴沢避難小屋へと続く緩い傾斜の山腹ルートを進む。
登山道に入ってすぐ、雨ともアラレとも判別つかないものが舞いだす。

更に標高を稼ぐと景色はこのようになりました。
288-13.jpg

煙っているのはガスではなく”雪”!!
本日、初冠雪を観測してなお、現在進行形でその積雪量を増している様子。
この間、カメラケースに入れたカメラが二回落下し、カメラを見失うものの、都度、発見する。

10:45熊穴沢避難小屋

熊穴沢避難小屋

避難小屋は”登るか降るか?”思案中の登山者で充満していました。
今のところ、画像の如く降雪はあるものの”積雪”とはなっていない。
取りあえず、私達は着るものを着込む。
本日の天気予報を信じるならば、昼過ぎより晴れるハズ。

また、晴れ間が見えたこともあり山頂へと出発。
288-15.jpg

熊沢避難小屋~肩の小屋間は標高を稼ぐべく傾斜が急となる。

また、岩場が多く、その岩は登山靴により磨かれ、濡れていたこともあり、スリップをし易い状況でした。
288-23.jpg

更に標高を稼ぎ、森林限界を超える。
288-16.jpg

完全に雪となり、積雪となっている。
その雪は登山者に踏まれ、気温の上下を繰り返したのか?木道上では一部アイスバーンとなっている。
その氷はストックで突いた位では割れない。
また、森林限界を超えたことで強風に晒され、体温を奪われる。

11:58肩の小屋

肩の小屋

熊穴熊沢避難小屋上部辺りまでは多数の登山者が居りましたが、ここまで登るとその数は疎らとなる。

12:06トマの耳12:47

トマの耳

時計の気温計で0.1℃。

ようやく山頂(トマの耳=谷川岳山頂と勘違いしています。勉強不足…)に到着。
ここに至ると”吹き飛ばされる”というほどではないものの、風は更に強くなる。
時間は既に飯時。
登り途中、飯を喰うのに適当な場所がなかったことを確認していた私達はこの強風の中、風下に隠れ飯を喰うことにする。

さて、問題は…。

予定ルートを進むのか?

往く手を確認するとこんな感じ。
288-20.jpg

まったく何も見えない。

予定ルートを進んだ場合、いくつかピークを踏みますがいづれのピークも標高はここと差ほど変わらない。
つまり、約2時間超、この強風と積雪の中、アイゼン無しで森林限界上の稜線を進まなければならなくなる。
しかも私にとっては未知のルート。
いつもはあり得ない、カメラの落下が二回もあったことも気に入らない。

結果、ここで当初の予定を放棄し天神平へ戻ることにする。
288-19.jpg

12:51肩の小屋

肩の小屋

13:38熊穴沢避難小屋

熊穴沢避難小屋

降雪・積雪から逃れ、急傾斜からも解放され、ようやく一息つける場所まで戻ってきた。

後の心配事は…。

一日5本ないし6本しか運行していない「上越線」。
「上り」の時間はチェックしていましたが、「下り」は未チェック。
「土樽」駅へ戻るべく、スマートフォンを操り土合駅の時刻表を確認する。
すると、斜体書きで16:43
とある。

斜体の意味は臨時便の意味で、臨時便が動いてなければ17:52!!

”本日の運命だな…”。

急いで降る必要が一切なくなる。

14:38谷川岳天神平

無事、帰還。

時計の気温計で5.4℃。

気分はローテンション…。
麓まで歩く気にもなれず、ロープウェイで下まで降る。

実は…。
この記事を書くまで、

トマの耳=谷川岳山頂

と勘違いしていました。

記事を書きつつ、色々調べていると谷川連峰最高峰はトマの耳奥にある”オキの耳”とのこと。
しかし、今回の谷川岳はトマの耳での降雪・強風で地図・GPSを確認するような心理的余裕はまったくなく、私にとってはそれほどハードな状況でした。

”山頂ではない”と知っていたら、無理してオキの耳まで進んでいたかもしれません。

今、改めて写真を見ても私的には撤退は正解で、”これはこれで良かった”と思っています。
谷川岳はまた来年、雪が消えた時期に今度こそ、予定ルートを辿ってみたいと考えています。

ちなみに、土合駅に「下り」電車が到着したのは17:52。
”16:43に電車がくるかもしれない…”と考えていた私達は16:00には土合駅に到着しており、

約2時間!!

土合駅で待ちぼうけとなりました。

本日は寄道せず帰宅。

日本百名山「谷川岳」(天神尾根よりトマの耳まで)」 に4件のコメント


  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    今朝の新聞見てたら、穂高連峰も真っ白、、
    もう、冬なのだ。なんて実感いたしました。
    チェーンスパイクはもちろんの事、冬山の準備しなければ^^ 俺って気が早い?
    一刻も早いリベンジお待ちしています(笑)
    うそー、慌てない慌てない^^
    お疲れ様でした。


  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    行蔵さん>
    おはようございます。
    いや~、谷川岳は失敗しました。
    実は、先週も同コースを歩こうと思い土樽登山口まで行ったのですが、かなり寒い。
    カッパを着ようと思いザックをまさぐると忘れていました。
    寒いこともあったのですがカッパを忘れたことが”今日は登るな…”と啓示されたような気がして…。
    あっさり諦め、一歩も歩かず帰っており、実はリベンジのつもりだったんですよね~。
    谷川岳は新潟との県境と、北方であることもありますが、標高は2000mに届かずこの状態です。
    山はもう、冬ですね~。
    *再リベンジは来春以降と思います…。


  3. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    こんにちは。
    いろいろ大変でしたね。
    写真を拝見すると、紅葉はきれい
    ですね。谷川岳天神尾根は大渋滞の
    イメージしかなく、紅葉の時期は
    だめかなと思いましたが、こんな日は
    人が少ないんですね・・・あたりまえか・・・
    ご無事でなによりでした。


  4. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ブルさん>
    こんにちは。
    ケーブルカーより望む紅葉は、群馬県側は概ね晴れていたこともあり、よく陽に映えていました。
    しかし、状況は写真のとおりで紅葉を楽しむ余裕はほぼ無し…。
    残念!!

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